2023年12月5日火曜日

「虎のような猛攻」トニー・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ライト、ライト級王者。サクラメントの「ザ・タイガー」。セサール・セペダ戦、ファン・モリナ戦(初戦)ほかを紹介します。

トニー・ロペス(アメリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

トニー・ロペス 3R TKO ローマン・アルマガー

(J・ライト級戦、1985年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カリフォルニア州サクラメント出身のロペス。ニックネームは「The Tiger」。積極的に前進し、連打する好戦的なファイター。父と兄もボクサーだった「ボクシング一家」。プロ入り後は、地元を中心に相手を選びながら経験を積み、これまで15連勝(12KO)、21歳。15勝(2KO)7敗2分のアルマガー(28歳)はカリフォルニアの選手。中堅どころで王座戦の経験はないが、このところ三連勝中。サクラメント「アルコ・アリーナ」での一戦(レフェリーはプロス・モンタノ。チャールズ・ブロンソンに似ている)。この頃はまだ髪が短めのロペス(「グリーンボーイ」といった印象)。共に速いジャブ。前に出るアルマガー。ワンツー、連打。ロペスは距離を取って応戦。右ストレート、左ボディ打ち、右ストレートからの左ジャブといったテクニック。右カウンターを打つ器用さもある。接近戦。互いに右ストレート、フック。どちらもパンチを当てるが、ディフェンスでややロペス優勢か? 3R、左フックが効いたアルマガーにロペスが連打。アルマガーがさらに打たれたところでレフェリーストップ。ロペスが畳み掛ける精力的な連打で勝利。ディフェンスと当てるテクニックがあった。アルマガーは悪い選手ではなかったが、攻撃の後に隙ができる欠点があった。そんなアルマガーの次の試合の相手は何とあのルーベン・オリバレス(カムバック戦)。引き分けに終わり、それが最後の試合に。オリバレスはアルマガー戦後にブランク、またカムバック。KO負けして完全に引退。)


トニー・ロペス 3R TKO セサール・セペダ

(ライト級戦、1986年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでセペダがダウン

3R:ワンツーでセペダがダウン

(感想:全勝を守るロペス。セペダはカリフォルニアの選手。TV映像には「17勝(12KO)6敗」とあるが、記録に乏しい。ネバダ州ステートラインでの一戦。リズムを取ってジャブ、右ストレート、左フックで攻めるロペス。セペダは距離を取ってジャブ、ワンツー。1Rからロペスの右がヒット。左フックからの右ストレートでセペダがダウン。2R、ディフェンスするセペダだが、ロペスのワンツーが当たる。3R、そのワンツーでセペダがダウン。立ったが、レフェリーストップ。ロペスが右で快勝。後に世界戦でも見せる動きをこの試合で見せた。セペダは粘り強さはあったが、相手を倒すようなパワーは無かった印象。)


トニー・ロペス 12R 判定 ファン・モリナ

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1988年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでロペスがダウン

(感想:ロペスがタイトル初防衛。セペダ戦後も連勝を続けたロペスだが、ラモン・リコなる選手に反則負け、初黒星(どんな反則だったのかは不明)。しかし、リマッチでKOして雪辱。その後、また連勝で世界初挑戦。ロッキー・ロックリッジを判定で下してIBF王座獲得。そして、この初防衛戦。挑戦者モリナは「ジョンジョン・モリナ」とも呼ばれるプエルトリカン。アマチュア時代はバンタム級でロサンゼルス・オリンピック出場(1984年。メダルは獲得ならず)。プロデビュー。連勝だったが、ルペ・スアレスにTKO負け(後、世界王座を懸けて再戦)。その後、四連勝で、この世界初挑戦。「アルコ・アリーナ」での一戦(ロペス25歳、モリナ23歳)。足でリズムを取って速いジャブ、ワンツーのモリナ。右ストレートからの左フックにはスピード&パワー(迫力)。左ボディ打ち、ディフェンスの巧さもある。ロペスはジャブを使うが、相手の勢いに上手く攻められない。2R、左ボディからの左フックでロペスがダウン。その後も手数でモリナ。しゃくるようなアッパー気味の右フックが迫力。足を使いすぎるのが少し気になるが、攻めるときは一気に連打。11R、モリナがローブローで減点。ラウンド中、モリナは両手を上げて自身の優勢をアピール。12R終了。モリナ陣営は勝利を確信している様子。判定は極めて僅差の3-0(ジャッジ二人は1ポイント差)。ロペスが勝利のアナウンスにガッツポーズ。ただし、表情に喜びは見られなかった。悔しいモリナ。スピード、パワー、相手の攻撃をかわす機敏さ&テクニック。王者になれるだけのものがそろっていたが、足を使うシーンが多かった。挑戦者らしくもっと攻めの姿勢を見せれば勝っていたはず。後に両者はこの王座を懸けて二度対戦する。)  

トニー・ロペス②

ロッキー・ロックリッジ戦(再戦)、タイロン・ジャクソン戦、ファン・モリナ戦(再戦)

トニー・ロペス③

ファン・モリナ戦(三戦目)、ルペ・グチェレス戦、グレグ・ホーゲン戦 

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