2023年12月7日木曜日

「虎のような猛攻」トニー・ロペス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ライト、ライト級王者。厳しい世界王座防衛戦。ロッキー・ロックリッジ戦(再戦)、タイロン・ジャクソン戦ほかを紹介します。

トニー・ロペス(アメリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

トニー・ロペス 12R 判定 ロッキー・ロックリッジ

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1989年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右アッパーでロックリッジがダウン

3R:右フックでロックリッジがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。二度目の防衛戦は前王者ロックリッジとの再戦。これまで43勝(35KO)6敗のロックリッジにとってこの試合はロペスに敗れた再起戦となる。「アルコ・アリーナ」での一戦(リングサイドではIBF1位のタイロン・ジャクソンが観戦)。虎をイメージしたデザインのトランクス着用のロペス。ロックリッジには「狂犬」ルー・デュバがセコンドに付く。互いにジャブ、右ストレート、フック。左右フックでボディを叩くロペス。攻めてくるロックリッジに右アッパーを合わせてダウンを奪う(レフェリーはこれを「スリップ」扱い。自分の位置からパンチが見えなかったらしい)。その後もパワーで攻めるロックリッジ。ロペスはコンビネーションで応戦。3R、左フックが効いたロックリッジ。右フックでダウン。接近戦。前に出るロックリッジだが左のガードが低いうえ、パンチの振りが大きい。その隙を右で狙うロペス。ロックリッジは自分のパンチも当たるが、打たれて後退するシーンも。中盤以降は一進一退。ディフェンスしながら前に出るロックリッジ。ロペスはフットワーク&ワンツー。12R終了。判定は3-0。ただし、ジャッジの一人は2ポイント差。ロペスが隙を突くパンチで勝利。一方、最初から最後まで攻めたロックリッジは残念。パワフルなパンチだったが、序盤に打たれてしまった。その後のロックリッジ。次の試合に勝利してそれが事実上のラストファイトに。カムバックしたが、実力者ラファエル・ルエラス、シャンバ・ミッチェルに二連続判定負けして完全引退。その後はホームレスになったりするなど苦しい生活。2019年、60歳で死去。心身の不調が原因とのこと。)


トニー・ロペス 8R KO タイロン・ジャクソン

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1989年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:左ボディ、左ボディ、右フックで3度、ジャクソンがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。これまで32勝(22KO)1敗のロペスが三度目の防衛戦。1位の挑戦者ジャクソンはニューヨーク・ハーレム出身の黒人で、ニックネームは「The Harlem Butcher」。アマチュアで活躍(ヘクター・カマチョには敗北)。プロでは30勝(25KO)1敗。ニューヨーク州王座(フェザー級)、WBC米大陸王座(J・ライト級)獲得。韓国で丁起栄のIBF世界フェザー級王座に挑戦してTKO負け。ロペス戦は二度目の世界挑戦となる。ネバダ州ステートラインでの一戦。ガードを上げて距離を取るジャクソン。ジャブ、ワンツーを使うボクサータイプ。しかしながら、残念な選手。動きのスピード、パンチのキレに欠け、攻撃が単発。畳み掛けるような攻めができない。そんなジャクソンにロペスはワンツー、フック、ボディ打ち。パンチのキレはジャクソンとそれほど変わらないが、手数で優勢。8R、ロペスが攻める。ジャブを連打し、右フック。左ボディでジャクソンがダウン。立ったが、さらに左ボディ、右フックで二度ダウンを追加し、KO。このところ苦戦続きのロペスが快勝。ただ、ジャクソンに「IBF1位」の凄味は無かった印象。その後、ジャクソンは再起戦、マヌエル・メディナ戦に敗北して事実上、キャリアを終えた。)


ファン・モリナ 10R TKO トニー・ロペス

(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1989年)

「虎のような猛攻」トニー・ロペス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:モリナがタイトル獲得。ロペスの四度目の防衛戦は因縁の再戦。前回もIBF王座を懸けて行われ、ロペスが判定勝ち。モリナが勝った、という声もあり、ロペスとしては文句無しの勝ち方で防衛したいところ。モリナは前回のロペス戦後、ファン・ラポルテと初代WBO世界J・ライト級王座決定戦を行い、判定勝ち。防衛戦を行うことなくWBO王座を返上し、ロペスに挑戦。ロペスの地元サクラメント「アルコ・アリーナ」で行われた試合。モリナが得意のジャブ、ストレート、左フックでアグレッシブに攻め続ける。ロペスは前回同様、相手の勢いに押されているのか、受け身の姿勢。3Rから目が腫れだしたロペス。そこを狙ってジャブを飛ばすモリナ。10R、ジャブ連打がヒットしたところでレフェリーストップ。地元のヒーローのストップ負けに不満の観客。リングには物(紙コップなど)が投げ入れられ、モリナ、ロペス両陣営とも逃げるようにリングから去っていった。モリナのジャブが印象的だった試合。固いコブシで勝利。ロペスはこれで実質的にモリナに二連敗となった。)

トニー・ロペス①

ローマン・アルマガー戦、セサール・セペダ戦、ファン・モリナ戦(初戦)

トニー・ロペス③

ファン・モリナ戦(三戦目)、ルペ・グチェレス戦、グレグ・ホーゲン戦 

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