2023年12月29日金曜日

「左フックの名手」マイク・マッカラム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

三階級制覇王者。L・ヘビー級時代。ジェフ・ハーディング戦、カール・ジョーンズ戦、アリ・サイディ戦を紹介します。

マイク・マッカラム(ジャマイカ)

身長182cm:オーソドックス(右構え)

マイク・マッカラム 12R 判定 ジェフ・ハーディング

(WBC世界L・ヘビー級王座統一戦、1994年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マッカラムがタイトル統一。1993年3月にランドール・ヨンカーとWBC世界L・ヘビー級暫定王座決定戦を行い、勝利したマッカラム。それから一年以上間が空いて1994年7月に正規王者ハーディング(オーストラリア)と統一戦(プロ50戦目でもある)。年齢は37歳。これまで46勝(35KO)2敗1分。23勝(17KO)1敗のハーディング(29歳)はWBC世界L・ヘビー級王座をめぐるデニス・アンドリュースとの抗争で有名な白人。アンドリュースとの三戦目を制し、二度の防衛に成功している。ノース・ダコタ州ビズマークでの一戦(会場にはオーストラリアの人気者ジェフ・フェネックの姿も)。意外なことに体格差は感じられない。動きは重いが、ジャブ、連打に正確さがあるマッカラム。ハーディングは元々スピードがある方ではなく、パンチの打ち方が細かい。マッカラムがジャブ、ボディ打ち、ガードの隙を突くパンチ。4R、マッカラムがローブローで減点されるが、右アッパー、左フックをヒットさせる。しかしながら、ハーディングはやはりL・ヘビー級。パンチが重いのか、マッカラムはボディを打たれてクリンチに逃げる。全般的に試合はマッカラムがディフェンス&当てるテクニックで優勢の印象。12R終了。判定は僅差の3-0。映像ではマッカラムが主導権を握っていたように見えたが、ハーディングにはパワーがあったらしくジャッジに評価されたようだ。もう少し思い切った打ち方でボディを精力的に攻めていけば結果は逆になっていたかも。ハーディングはこれが最後の試合となった。)


マイク・マッカラム 7R TKO カール・ジョーンズ

(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1995年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右ボディフックでジョーンズがダウン

(感想:マッカラムがタイトル防衛。暫定王者だったマッカラムだが、正規王者ハーディングを破ったことで正規王者に昇格。それと同時に正規王座の初防衛にも成功した形に。ジョーンズ戦は二度目の防衛戦となる。WBCのS・ミドル級10位ジョーンズ(32歳)はロサンゼルス出身の黒人。これまで22勝(12KO)4敗4分。マイケル・ナンに判定負けしたが、その後、WBC米大陸王座(S・ミドル級)を獲得。階級を上げてマッカラムに挑戦。ロンドンのミルウォールでの一戦(リングサイドではフランク・ブルーノが観戦)。互いにディフェンスしながらジャブ。ジョーンズはやや身体が固い(身体付き、打ち方、ファイティングスタイルがブルーノに似ている)。右ストレート、左フックを使うが、パンチの伸びでマッカラムが上回る。右ストレート、左ボディフックのマッカラム。接近戦では手数で優勢。ジョーンズはスピードが無く、畳み掛ける攻めができない。4R、右ボディフック(ローブロー気味)でジョーンズがダウン 。その後も打たれるジョーンズ。7Rにワンツーを打たれたところでレフェリーストップ。マッカラムがジャブを中心とする手数で勝利。ジョーンズは加速できないタイプの選手だった。これが事実上のラストファイトとなったジョーンズ。ブランク後、カムバックして一勝一敗だった。)


マイク・マッカラム 10R 判定 アリ・サイディ

(クルーザー級戦、1996年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:三度目の防衛戦でファブリス・ティオーゾに判定負けしてWBC世界L・ヘビー級王座から陥落したマッカラム。一年後にカムバックして、このサイディ戦。サイディはチュニジア出身で主戦場はドイツ。ダリウス・ミハエルゾウスキーには敗れたが、ドイツ王座、WBF王座(いずれもL・ヘビー級)を獲得している。ドイツ・ドルトムントでの一戦。体重が重いマッカラムはスピード無し。「器用な重量級選手」といった動き。しかし、ジャブには伸びがあり、得意の左ボディブローにはスピード&パワー。サイディはガードを上げ、意表を突くかのように右ストレート、左フック。ただ、右ストレートからの左フックなどパンチ自体は良いが、ジャブが少ないためミスショットが多い。マッカラムがディフェンスと正確なパンチを見せ、10R終了。判定は3-0。巧さでマッカラム勝利。サイディはもったいない。ジャブが少なすぎた。その後の二人。サイディはドイツ王座戦で活躍。マッカラムはロイ・ジョーンズ・ジュニア、ジェームズ・トニーに二連敗して引退。最もシャープな動きをしていたJ・ミドル級時代がマッカラムのベスト。L・ヘビーでも世界王座を獲得するとは個人的には全く予想しなかった。それにしてもジョーンズ、トニー、マッカラムがL・ヘビーに進出したのはなぜだろう? L・ヘビーは「人気のある階級」とは言えないのだが。)

マイク・マッカラム①

カルロス・ベタンコート戦、アユブ・カルレ戦、ショーン・マニオン戦

マイク・マッカラム②

フランク・ミントン戦、スンブ・カランベイ戦(再戦)、カルロス・クルス戦、ニッキー・ウォーカー戦

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