2023年12月28日木曜日

「左フックの名手」マイク・マッカラム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

三階級制覇王者。ミドル級時代。フランク・ミントン戦、スンブ・カランベイ戦(再戦)、カルロス・クルス戦ほかを紹介します。

マイク・マッカラム(ジャマイカ)

身長182cm:オーソドックス(右構え)

マイク・マッカラム 4R TKO フランク・ミントン

(S・ミドル級戦、1991年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ドナルド・カリーを完璧にKOした後、マッカラムはWBA世界J・ミドル級王座を返上し、ミドル級へ。スンブ・カランベイのWBA世界ミドル級王座に挑戦したが、判定で初黒星。その後、連勝。決定戦でヘロール・グラハムを下してWBA世界ミドル級王座獲得、二階級制覇。スチーブ・コリンズ(後の二冠王)、マイケル・ワトソン(英国のホープ)を下して二度の防衛成功。そして、このミントンとのノンタイトル戦。これまで38勝(31KO)1敗。約10ヶ月ぶりの試合となるが、コンディションはどうか? 22勝(12KO)11敗1分のミントンはインディアナ州の黒人。負けてはいるが、アイラン・バークレー、ジェームス・キンチェン、クリストフ・ティオーゾ、バージル・ヒルと対戦経験アリ。北米王座(L・ヘビー級)に挑戦したことも(敗北)。このところ負けが込んでいる状況。ミズーリ州カンザスシティでの一戦。相変わらず巧いマッカラム。正確なジャブ、ワンツー、左フックのダブル。ミントンも悪くない。ジャブが正確で、左のロングフック。接近戦。マッカラムが強烈なボディ打ち。そして、ジャブ、畳み掛ける連打で優勢。4R、コーナーでマッカラムが連打。右目付近を負傷したミントンがドクターチェック。キズにより試合終了。マッカラムが総合力で勝利。特に左ボディ打ちが効果的だった印象。良い武器を持っていたミントン。しかし、その後も負けが多い。ヘンリー・マスケ、トニー・ソーントン、ジョー・カルザゲらに白星を献上した。)


マイク・マッカラム 12R 判定 スンブ・カランベイ

(WBA世界ミドル級タイトル戦、1991年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マッカラムがタイトル防衛。因縁の再戦。カランベイは全勝だったマッカラムに土を付けた男。コンゴ民主共和国出身で国籍はイタリア。マッカラムに勝利した後もロビー・シムズ、ダグ・デウィットを相手に防衛成功。しかし、WBA王座を剥奪されてまで強行したマイケル・ナン戦で1RでKO負け。欧州ミドル級王座を獲得するなど、それ以降は連勝中。モナコでの一戦(マッカラムのセコンドにエディ・ファッチ)。テクニシャン同士のジャブの打ち合い。筋肉が付いているカランベイだが、相手と距離を取って戦うボクサータイプ。ジャブ連打、右ストレート、時折フック。そしてまた距離を取る。マッカラムはJ・ミドル級時代と比べるとさすがに動きのスピードが落ちた印象。しかし、パンチの正確さは健在。長いジャブ、ストレート、接近して左右フック、ボディ打ち。フックにパワーがあるカランベイだが、打ち合いを避ける。マッカラムがディフェンスと攻める姿勢で優勢か? 10R、マッカラムがワンツーからの左フック。12R終了。観客がスタンディングオベーション(ヨーロッパの観客は「テクニック合戦」がお好きのようだ)。判定は極めて僅差の2-1。映像ではマッカラムが3-0で勝ったように見えたが、ヨーロッパではジャッジもアウトボクシングの方がウケがいいらしい。カランベイは強いパンチを持っていた。もっと攻めれば良かったのに、といったところ。その後もカランベイは欧州王座戦で活躍。ラストチャンスはクリス・ピアットとのWBO世界ミドル級王座決定戦。これに判定負けしてラストファイトとなった。)


マイク・マッカラム 10R 判定 カルロス・クルス

(S・ミドル級戦、1991年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:左フックでクルスがダウン

(感想:カランベイをギリギリの判定で下したマッカラム。その次の試合はマッチメイクの都合なのか、ノンタイトル戦。クルスはチリ人でWBA8位。主戦場はアメリカ。敗北は一つだけだが、TKOでの負け。ネバダ州リノでの一戦。慎重姿勢のクルス。ダッキングなどでディフェンスしながらジャブ、接近して右ストレート。マッカラムは長いジャブを伸ばす。ディフェンシブなクルス。ワンツーなどを出すが、ディフェンスされる。中盤以降、前に出るクルス。右ストレート、フック、ボディ打ち。右ストレートに力強さがある。8R、左ボディからの見事な左フックでクルスがダウン。その後もマッカラムが得意の左ボディ打ち、インサイドからのアッパーなどで優勢。10R終了。判定は3-0。手数、連打でマッカラム勝利。クルスはもっと積極的になるべきだった。その後のクルス。北米王座戦(S・ミドル級)で敗北するなど連敗。階級を上げてWBOの地域王座(L・ヘビー級)、IBA王座(クルーザー級)を獲得。普通は階級を上げると苦戦するものだが、クルスの場合は重量級が肌に合ったようだ。)


マイク・マッカラム 6R TKO ニッキー・ウォーカー

(S・ミドル級戦、1991年)

「左フックの名手」マイク・マッカラム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:世界王者マッカラムがクルス戦に続いてノンタイトル戦。ウォーカーはネバダ州の選手。グラシアノ・ロッシジャーニのIBF世界S・ミドル級に挑戦して判定負けしたことがある。このところスラニ・マリンガに敗れるなど勝ったり負けたり。ラスベガスでの一戦。ジャブをよく使うウォーカー。右ストレートもしっかり。しかしながら、マッカラムはディフェンス。そして伸びのあるジャブ、右ストレート、ガードの隙を突くアッパー気味のフック、左ボディ打ち。5R、激しい接近戦。両者手数を出すが、当たるのはマッカラムのパンチ。このラウンド終了後、ウォーカーが棄権。同じように打ち合ったが、ディフェンスのテクニックに差が。離れても接近しても強いパンチを当てることができるマッカラムが本領を発揮した試合だった。その後もウォーカーはダーリン・バン・ホーンに敗れるなど勝ったり負けたり。)


その後のマッカラム

WBA世界ミドル級王座剥奪。IBF世界ミドル級王者ジェームス・トニーに挑戦したが、引き分け。再戦は判定負け。階級を上げてL・ヘビー級へ。ランドール・ヨンカーを決定戦で下してWBC世界L・ヘビー級暫定王座獲得。

マイク・マッカラム①

カルロス・ベタンコート戦、アユブ・カルレ戦、ショーン・マニオン戦

マイク・マッカラム③

ジェフ・ハーディング戦、カール・ジョーンズ戦、アリ・サイディ戦 

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