2023年12月25日月曜日

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ミドル級王者。IBF王座防衛戦&落城。ギルバート・バプティスト戦、ビンセント・ペットウェイ戦ほかを紹介します。

ジャンフランコ・ロッシ(イタリア)

身長178cm:オーソドックス(右構え)

ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ギルバート・バプティスト

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1991年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロッシがタイトル防衛。7度目の防衛戦。IBF2位の挑戦者バプティストはニュージャージー州出身の黒人。ニックネームは「Sweet Sensation」。テリー・ノリスに判定負けするなど勝ったり負けたり。全米王座戦(J・ミドル級)、クインシー・テーラー戦にも敗北。後の世界王者ローラン・ブードゥアニに勝利。ロム・アムンゼン(ロッシの五度目の防衛戦の相手)に勝利して北米王座獲得。そしてこの世界初挑戦。イタリア・ペルージアでの一戦。トリッキーなバプティスト。ジャブを使うが、右のガードが甘い印象。そこを狙って左フックを使うロッシだが、バプティストは巧くブロック。互いに連打。バプティストのボディ連打、ブロックに手こずるロッシだが、ワンツーからの左ボディ、右カウンターに正確さがある。10R開始のゴング、リングにソーメンのようなものが落ちており、少し中断(なぜリングにそんなものが?)。その後も攻めるバプティスト、正確さのロッシ。判定は3-0。ほぼフルマーク。バプティストのボディ連打はほとんど評価されなかったようだ。ロッシもまたブロックが巧かったということか。その後、バプティストはオーティス・グラント、バーナード・ホプキンス、ラマー・パークスといった実力者に敗北。ラストファイトはジェラルド・マクラレンのWBC世界ミドル級王座への挑戦で、1RでKO負けだった。)


ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ジルベール・デレ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1993年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロッシがタイトル防衛。10度目の防衛戦。IBF1位の挑戦者デレはカリブ海グアドループ出身の黒人でフランス国籍。デビューから無敗でカーロス・エリオットをKOしてWBA王座獲得。二度目の防衛戦でビニー・パジェンザに敗北。連勝してロッシのIBF王座に挑戦したが2-1で敗北。僅差だったことからダイレクト・リマッチが行われることとなった。フランス・アヴォリアズでの一戦。積極的なロッシ。ジャブを使いながら接近して右ストレート、左右フック連打。デレは距離を取るとジャブ、右ストレートに強いものがあるが、距離を詰められて劣勢。意外なほど受け身に。好調なロッシ。ワンツー、連打。特に左ボディ打ちに巧さがある。打ち合いを避けてクリンチするのがロッシのいつもパターンだが、この試合ではデレがクリンチ。5R、クリンチ中の攻撃でロッシが減点。9R、右ストレートを食ってロッシがダウン寸前に。10R、実に力強いワンツーを打つデレ。しかし、ロッシが右ストレート、フック連打で挽回。11R、ロッシの右フックがクリーンヒット。12R終了。両者とも手を上げて自身の勝利をアピール。判定はまたしても僅差で、今回は3-0。ロッシが積極的な攻めで勝利をもぎ取った。デレは残念。接近戦での弱さがあった。強い右ストレートを持っているにもかかわらずそれが効果的だったのは終盤。なぜもっと早い回からワンツーを使わなかったのか? 結局、デレはこれで引退してしまった。)


ジャンフランコ・ロッシ 6R 負傷引分 ビンセント・ペットウェイ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでペットウェイがダウン

(感想:ロッシがタイトル防衛。これまで57勝(17KO)3敗のロッシが11度目の防衛戦。36勝(29KO)4敗の挑戦者ペットウェイはメリーランド州ボルチモア出身。ニックネームは「The Ambassador」(大使?)。デビュー戦はアトランチックシティ(KO勝ち)。その後もKO勝ちを続けたが、逆にKOで負けることも。メリーランド州ウェルター級王座を獲得するなど「ローカルな選手」というイメージがあったが、ギルバート・バプティスト(ロッシの7度目の防衛戦の相手)に判定勝ちして全米J・ミドル級王座獲得。防衛にも成功している。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(ロッシがIBF王座の防衛戦をアメリカで行うのはこれが初めて)。鮮やかな黄緑色のトランクスのロッシ。ペットウェイは星条旗デザイン。共にガードを上げてジャブ。ロッシがワンツーからの左ボディなどの連打。ペットウェイはダッキングしながら右ストレート、左フック(マイケル・スピンクスに似た戦い方)。意表を突くタイミングの左フックでペットウェイがダウン。2R、ホールドを放さないペットウェイにロッシがパンチ。やり返すペットウェイ(気の強さは一流)。レフェリー(ミルズ・レーン)が両者に警告。その後もペットウェイはパワー。ロッシは手数&ディフェンス。4R終了後、ペットウェイが右フック(反則)。6R開始早々、バッティングでロッシが負傷。試合は引き分けに。中途半端な結末となったが、面白い内容。ペットウェイのパワーをロッシは巧くさばいていた。バッティングがなかったらどんな結果になっていただろうか? ということで再戦が行われることに。)


ビンセント・ペットウェイ 4R KO ジャンフランコ・ロッシ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでロッシがダウン

4R:左フックでロッシがダウン

(感想:ペットウェイがタイトル獲得。ロッシ(37歳)の12度目の防衛戦はペットウェイとのダイレクト・リマッチ。試合地は前回と同じラスベガス「MGM Grand」。ジャブ、ストレートで積極的に攻めるペットウェイ。手打ち気味の打ち方をするロッシはペットウェイの勢いを止めることができず、押される。2Rにダウン。そして4R終了間際、左フックでロッシがダウン。立てず、KO。ロッシがついに落城。今回もブレイク中にパンチを出すなどのラフプレーがあったが、敗因はロッシの戦い方。連打は悪くはなかったがスタミナが続かず、しかもパワーが乗らないアップライトスタイルで勢いのある相手を止めることができなかった(アップライトはディフェンスを考慮したスタイルであり、戦闘的ではない)。ペットウェイはなかなかパワフルな勝利(その後、あのサイモン・ブラウンをKOして防衛にも成功)。その後のロッシ。再起戦でバーノン・フィリップスのWBO世界J・ミドル級王座に挑戦。3-0で勝利したが、ロッシから薬物反応で「無効試合」に。フィリップスとの再戦は判定負け。IBFの地域王座に出場するなどラストファイトは2006年。息の長い活躍。個人的にはロッシはそれほど良い選手とは思えない。ガチャガチャ打って、クリンチ。隙もあり、キレイなボクシングではない。ただ、左ボディ打ちが巧かったことと妙に勝ち続けたことで逆に印象に残る。)

ジャンフランコ・ロッシ①

ダーリン・バン・ホーン戦(初戦・再戦)、トロイ・ウォータース戦

ジャンフランコ・ロッシ②

ルネ・ジャコ戦、ロム・アムンゼン戦、グレン・ウルフ戦

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