2023年12月23日土曜日

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ミドル級王者。イタリア流アウトボクシング。IBF王座戦。ダーリン・バン・ホーン戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

ジャンフランコ・ロッシ(イタリア)

身長178cm:オーソドックス(右構え)

ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ダーリン・バン・ホーン

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1989年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでバン・ホーンがダウン

12R:左フックでバン・ホーンがダウン

(感想:ロッシがタイトル獲得。イタリアのロッシ。フットワークで距離を取りながら、アップライトスタイルでジャブ・連打を変則的にガチャガチャ打つ男。強さはあまり感じられないが、いいパンチも(たまに)打つため、相手からするとやりにくいタイプ。イタリア・ウェルター級王座、欧州王座(ウェルター級、J・ミドル級)を獲得後、ルペ・アキノ(メキシコ)を判定で破ってWBC世界J・ミドル級王座獲得(1987年)。元王者デュアン・トーマスを破って初防衛に成功したが、二度目の防衛戦でドナルド・カリーに何度もダウンを喫した末にTKO負け。その試合や欧州ウェルター級王座戦でロイド・ハニガンに3RでKOされたように「打たれ弱さ」もある。再起二連勝で今度はIBF王座を狙う。王者バン・ホーンはオハイオ州シンシナティ出身の若い白人選手。見た目が「大学生」といった感じ(実際、プロ活動と並行して大学にも通っていた)。ジャブ・ストレートを基本とする正統派でこれまで全勝。ロバート・ハインズから王座を奪取してこれが初防衛戦となる。アトランチックシティでの一戦。ロッシが得意パターンである「連打、当てさせないディフェンス&クリンチ」。変則的なロッシの連打を持て余すバン・ホーン。ロッシが二度のダウンを奪って、判定は3-0。自分のパンチを当てたらクリンチ、のパターンで勝利したロッシ。エキサイティングではないが、なかなか面白い勝ち方。その手口でどこまで勝ち続けることができるか? 初黒星のバン・ホーンは正直なボクシング。距離を詰められたりして得意の右ストレートを生かせなかった。後に両者は再戦。)


ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 トロイ・ウォータース

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1989年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロッシがタイトル初防衛。ロッシの初防衛戦はプロ50戦目でもある。挑戦者ウォータースは「ウォータース兄弟」として有名なボクシング兄弟。ロンドン出身でオーストラリア在住。オーストラリア王座、英連邦王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得した実績。唯一の敗北は韓国で白仁鉄と東洋太平洋王座(J・ミドル級)を争って2-1で敗れたときのもの。イタリア・サン=ヴァンサンでの一戦。トランクスがオシャレな二人(ロッシはグリーン、ウォータースはパープル)。ロッシが足を使って動き回り、ジャブ、ワンツーからの左フック、ボディ連打。ワンツーからの左ジャブで相手を突き放すテクニックも披露。そして、距離を取ったりクリンチしたり。一方、正統派すぎるウォータース。ジャブを中心とした攻めは良いが、単発でそれ以外の攻めが少ない。そのため相手の手数に劣勢。ジャブで先手を取るロッシが優勢。9R、クリンチにイラついたか、ウォータースがクリンチ中に手を出し、ロッシが怒り。12R、ついにウォータースの左フックがヒット。ピンチのロッシは何とか逃げ切ろうとする。12R終了。判定は3-0。ロッシが連打、クリンチ、スウェーバックで勝利。ウォータースは残念。最後に見せ場。もっと早い回から左フックを出して欲しかったところ。その後もウォータースはリングに上がり続け、テリー・ノリス、サイモン・ブラウンのWBC世界J・ミドル級王座に挑戦したが、勝てず(結局、ウォータース兄弟は誰も世界王者になれなかった)。2018年、白血病で死去。53歳の若さだった。)


ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ダーリン・バン・ホーン

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1990年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:左フックでロッシがダウン

(感想:ロッシがタイトル防衛。ケビン・ディグルに勝利して二度目の防衛に成功したロッシ(32歳)。三度目は再戦。前王者バン・ホーン(21歳)は前回のロッシ戦後、五連勝。敵地で王座奪回を目指す。イタリア・マリーノでの一戦(レフェリーはアメリカのランディ・ニューマン。バン・ホーンのセコンドにルー・デュバ)。ジャブ、右ストレートで積極的に攻めるバン・ホーン。しかしながら、ロッシがしつこいクリンチ。初回からバン・ホーンはクリンチにイラつく(レフェリーも)。足で距離を取りながら時折ジャブ、右ストレートを当てるロッシ。5R、ロッシがクリンチ中の加撃で減点。バン・ホーンは空転し、相手のガチャガチャした攻めに効果的な対抗ができない。7R、左フックでロッシがダウンしたが、ダメージは大したことなさそう。その後も同じような展開。両者のグローブのテーピングが何度もはがれて試合中断。12R終了。判定は小差の3-0。勝って(イタリア人らしいオーバーなゼスチャーで)大喜びのロッシ。ひたすらクリンチするみっともない試合ぶりだったが、勝てばいいらしい。バン・ホーンは無策。相手にいいように翻弄された。その後、バン・ホーンはリンデル・ホームズを破ってIBF世界S・ミドル級王座獲得。初防衛に成功したが、アイラン・バークレーに強烈なKO負けを喫して王座陥落。それが最後の世界戦となった。)

ジャンフランコ・ロッシ②

ルネ・ジャコ戦、ロム・アムンゼン戦、グレン・ウルフ戦

ジャンフランコ・ロッシ③

ギルバート・バプティスト戦、ジルベール・デレ戦、ビンセント・ペットウェイ戦 

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