2023年12月26日火曜日

「テクニックのサウスポー」レジー・ジョンソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ミドル、L・ヘビー級王者。WBA戦&IBF戦。ウェイン・ハリス戦、オレ・クレメトセン戦、アントニオ・ターバー戦を紹介します。

レジー・ジョンソン(アメリカ)

身長178cm:サウスポー

レジー・ジョンソン 12R 判定 ウェイン・ハリス

(WBA世界ミドル級タイトル戦、1993年)

「テクニックのサウスポー」レジー・ジョンソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジョンソンがタイトル防衛。テキサス州ヒューストン出身のジョンソン。12歳でボクシングを始め、アマチュアではトップクラス。しかしながら、ロス五輪(1984年)出場ならず。それをきっかけにプロへ。全米ミドル級王座を獲得するなど好調。しかし、初の世界挑戦ではIBF世界ミドル級王者ジェームス・トニーからダウンを奪いながら2-1の判定負け。二度目の世界挑戦はスティーブ・コリンズとのWBA世界ミドル級王座決定戦(1992年)。これに判定勝ちして王座奪取。ラマー・パークス、宋基淵を相手に防衛成功。これまで33勝(21KO)2敗1分、26歳。ハリス戦は三度目の防衛戦となる。19勝(9KO)5敗でWBA8位の挑戦者ハリス(29歳)はガイアナ出身の黒人。「兄弟ボクサー」で弟ビビアンは後に世界王者に。ガイアナ王座、WBAやWBCの地域王座(ミドル級)を獲得しているが、地元での試合が多く、クリス・ピアット(後、WBO世界ミドル級王座獲得)には3RでTKO負けしている。コロラド州デンバーでの一戦。スラリとして背が高いハリス。長いジャブ、右ストレート、ロングの左フック。パンチに伸びがあり、当てる器用さもある。ジョンソンは距離を取ってディフェンスしながら右フック、左カウンターで応戦。接近戦。ジョンソンがボディ連打。ハリスは右アッパー、ボディ打ちを使うが、パンチが全体的に軽め。パワーと隙を突くパンチでジョンソンがポイント上、優勢。5R、ハリスが右フックを食ってグラり。振りの大きいパンチを使うハリスはその分、隙がある。その後、クリンチ、もみ合い。10R、ジョンソンが右フック、左ボディ打ち。11R、足が長いハリスが滑って片足がリング外にはみ出るハプニング。12R終了。判定は3-0(フルマーク)。ジョンソンが得意の右フックで勝利。できればKOでフィニッシュして欲しかったが、マービン・ハグラーのような「倒し屋」ではないので仕方がない。個人的にはハリスは好みのタイプ。もっとパワーがあればよかった、といったところ。しかしながらその後はどうしたことか、ハリスは負けてばかり。ジョンソン戦の敗北で自信を失ってしまったようだ。)


その後のジョンソン

四度目の防衛戦でジョン・D・ジャクソンに判定負けで王座陥落。新王者ホルヘ・カストロに二度挑戦したが、勝てず。階級を上げてウィリアム・ガスリーのIBF世界L・ヘビー級王座に挑戦。右フック一発でKO勝ち、王座奪取。初防衛戦の相手はオレ・クレメトセン。


レジー・ジョンソン 12R 判定 オレ・クレメトセン

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1998年)

「テクニックのサウスポー」レジー・ジョンソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左ストレートでクレメトセンがダウン

11R:ボディでクレメトセンがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル初防衛。これまで37勝(24KO)5敗1分のジョンソン。挑戦者クレメトセンはノルウェーの選手で33勝(27KO)2敗。プロデビューはアメリカ・ラスベガス(KO勝ち)。中国・北京でも試合。地元や英国で好調。WBCインター王座(L・ヘビー級)を獲得したが、初防衛に失敗。その後、連勝して欧州L・ヘビー級王座獲得。初の世界挑戦のチャンス到来。イタリア・ペーザロでの一戦。体格差のある二人。1R、大きいクレメトセンがアップライトスタイルからジャブ、右ストレート。フックは手打ち気味。距離を取りたいジョンソンはブロックしながら左ストレート、右フック、接近戦ではボディ打ち。真っ直ぐ攻めるクレメトセン。右ストレートをかわされてしまい、左ストレートでダウン。あせったか、ヘッドバットをジョンソンにかます。3Rにはヒジを使う反則で減点(ヨーロッパの選手にしては結構ダーティ)。その後もディフェンスしながらジョンソンが隙を突くパンチ。クレメトセンはホールドされてイラついた態度。11R、ローブローでジョンソンが減点。さらにローブロー。それを訴えるクレメトセンだが、ダウン扱い(レフェリーの位置からは「正当な攻撃」に見えたらしい)。12R終了。判定は3-0。ジョンソンがホールド、ローブローなどを使いながら何とか勝利。それにしてもクレメトセン。直線的に攻めては右ストレートをかわされるパターン。接近戦では不器用な動き。フックを使わずにジャブ&ワンツーに徹するか、右ストレートに左フックをフォローするかにして欲しかったところ。その後、クレメトセンはIBA王座、ノルウェー王座戦で活躍。ヨーロッパの実力者にとどまった。) 


アントニオ・ターバー 12R 判定 レジー・ジョンソン

(北米&全米L・ヘビー級タイトル戦、2002年)

「テクニックのサウスポー」レジー・ジョンソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

9R:左フックでターバーがダウン

(感想:ターバーがタイトル獲得。ロイ・ジョーンズ・ジュニアとの世界L・ヘビー級王座統一戦に敗れたジョンソン。その後、試合間隔は長くなってしまったが、北米L・ヘビー級王座、全米L・ヘビー級王座獲得。ターバーと二つの王座を懸けて防衛戦。プロ50戦目であり、IBF世界L・ヘビー級王座挑戦者決定戦でもある。世界ランク上位のターバーはフロリダ出身の長身選手(188cm)。デビューから連勝だったが、世界王座挑戦権を懸けた重要な試合で判定負け、初黒星。その後、また連勝し、ジョンソンの王座に挑戦。イリノイ州ローズモントでのサウスポー対決。身長差はあるが、似たタイプ。ジャブ、ワンツー、接近してフックのターバー(セコンドに二階級王者のバディ・マクガート)。連打の回転が速く、左ストレートに威力を感じるが、全体的に「軽いボクシング」。ジョンソンは体格差をカバーするためか、パワーを込めて左ストレート、右フック。共にディフェンス。長いパンチである分、ターバーがやや有利か?  6Rに見せ場。ジョンソンが左ストレートを決め、左右フックでボディ連打。ターバーはフックで力強い反撃。9R、キレイな左フックでターバーがダウン。その後も一進一退。12R終了。判定は僅差の2-1。ジョンソンは相手の懐の深さに僅かに及ばず。ターバーは勝ったが微妙。強いパンチを打つときもあれば、妙に受け身でパンチが軽いときも。この頃はまだ強さを巧く生かせていなかったようだ。その後の二人。ターバーはロイ・ジョーンズをKOして世界L・ヘビー級王座を獲得するなど長年に渡って「L・ヘビー級の顔」に。2006年の映画『ロッキー・ザ・ファイナル』では世界ヘビー級王者役を好演。ジョンソンはターバー戦が事実上のラストファイト。その後、二試合。2005年にKO勝ち、2008年には判定勝ちでIBA王座(L・ヘビー級)獲得。テクニックだけではなく、コンディション作りも上手かったようだ。)    

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