2023年12月24日日曜日

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ミドル級王者。IBF王座防衛戦。ルネ・ジャコ戦、ロム・アムンゼン戦、グレン・ウルフ戦を紹介します。

ジャンフランコ・ロッシ(イタリア)

身長178cm:オーソドックス(右構え)

ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ルネ・ジャコ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1990年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロッシがタイトル防衛。四度目の防衛戦。挑戦者ジャコはフランス人。あのドナルド・カリーを番狂わせで破ってWBC世界J・ミドル級王座を獲得したことがある。しかし、初防衛戦でジョン・ムガビに1Rであっけなく敗北(足首をひねって続行不能になるという、つまらない負け方だった)。王座奪回を目指してテリー・ノリスに挑戦し、判定負け。負けたが、意外な善戦で粘り強さを見せた。その再起戦でロッシに挑戦。イタリア・マルサラでの一戦。ジャブで前に出るジャコ。接近してフック連打。ロッシはパターンを確立。ディフェンス、攻撃(ワンツー、右カウンター、左フック)、クリンチ(ホールド)。相手に付き合わない「自己中」なスタイル。ロッシのクリンチ殺法にイライラするジャコ。接近戦でラフな攻撃。4R終了後、両者ニラみ合い。5R、ラフ行為でジャコが減点。6R、ロッシもラフ行為で減点(実に平等な扱い)。その後も同じパターン。攻めるがかわされるジャコ、時折右ストレート、左フックを当てるロッシ。12R終了。判定は3-0。ジャッジの一人は2ポイント差。クリンチ連発のロッシ。本来、クリンチは反則なのだが、クリンチして当て逃げするパターンで今回も勝利(かっこよくない勝ち方)。本人と会場のファンは勝って大喜び。地元で戦い続ける限り安泰だろう。ジャコは他のチャレンジャーと同じようにロッシのクリンチにイライラした末、判定負け。クリンチさせないぐらいのパワーがないとロッシには勝てない。これが最後の試合となった。)


ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 ロム・アムンゼン

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1991年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロッシがタイトル防衛。五度目の防衛戦。IBF6位の挑戦者アムンゼンはイリノイ州シカゴ出身の白人。デビューから連勝だったが、後の世界王者デイブ・ヒルトン、ロイ・ジョーンズ・ジュニア、ジェームス・トニーに敗北。WBAインターコンティネンタル王座、全米王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得してこの初の世界挑戦。イタリア・サン=ヴァンサンでの一戦。互いにディフェンスしながらジャブ、右ストレート。アムンゼンは前に出るが、攻めが単発。ロッシは例によってワンツーからの左フックといった連打、そしてクリンチ。3R、アムンゼンの右ストレートがヒットしてロッシは慌ててクリンチ。その後もロッシがフットワーク、ジャブでポイント狙い。アムンゼンには流れるような攻撃ができない欠点。9R、左フックがヒットしてロッシはダウン寸前に(しがみつくように慌ててクリンチ)。その後はロッシが左フックを「ちょこん」と当てるパターン。12R終了。判定は3-0。アムンゼンはよく頑張ったが、手数で負けた。その後、アムンゼンは再起戦でビニー・パジェンザに敗れ、さらに北米王座戦で敗れるなど負けが込むようになっていった。)


ジャンフランコ・ロッシ 12R 判定 グレン・ウォルフ

(IBF世界J・ミドル級タイトル戦、1991年)

「テクニックで連続防衛」ジャンフランコ・ロッシ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでロッシがダウン

(感想:ロッシがタイトル防衛。六度目の防衛戦。IBF1位の挑戦者ウォルフはフロリダの黒人。ニックネームは「Big Bad」(何が「悪」なのかは不明)。このところ連勝中であるが、王座戦の経験は無し。後の世界王者スティーブ・リトルに勝ったことがある。イタリア・アヴェッツァーノでの一戦。パワーを込めるタイプのウォルフ。ジャブを連打して右ストレート、左フック、接近してボディ打ち。パワフルであるが、やや狙いすぎか。ロッシはいつものようにジャブ、ワンツー、連打。対照的な二人。手数は多いがパンチが軽いロッシ。パワーはあるが単発なウォルフ。3R、左フックでロッシがダウン。5Rにも左フックでロッシがヨロヨロと後退するピンチ。しかし6R、ロッシが相手をロープ際に追い込んで力強いフック連打。7Rにはワンツーからの左フックをクリーンヒット。9Rにも6Rのようなフック連打。その後、ロッシは右でカウンターを取る。12R終了。判定は3-0。ロッシはダウンを喫したが、激しい連打で挽回。さすが世界王者、といったところ。ウォルフは残念。力を入れすぎて後手に回る欠点。その後、再起戦でジェームス・トニーのIBF世界ミドル級王座に挑戦して判定負け。その次の試合ではロイ・ジョーンズ・ジュニアに1RでTKO負け。三連敗でキャリアを終えた。) 

ジャンフランコ・ロッシ①

ダーリン・バン・ホーン戦(初戦・再戦)、トロイ・ウォータース戦

ジャンフランコ・ロッシ③

ギルバート・バプティスト戦、ジルベール・デレ戦、ビンセント・ペットウェイ戦 

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