WBA世界J・ウェルター級王者。奪回した世界王座の防衛戦。ジョー・リベラ戦、吉野弘幸戦、メモ・クルス戦ほかを紹介します。
ファン・マルチン・コッジ(アルゼンチン)
身長171cm:サウスポー
①ファン・マルチン・コッジ 7R TKO ジョー・リベラ
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
(感想:コッジがタイトル防衛。モーリス・イーストをTKOで下してWBA世界J・ウェルター級王座を奪回したコッジ。地元で初防衛戦。WBA10位の挑戦者リベラはプエルトリコの選手。勝ったり負けたりで戦績はあまりよろしくない。ブライアン・ミッチェルのWBA世界J・ライト級王座に二度挑戦して引き分けと判定負け。ロジャー・メイウェザー、ジョン・ミーキンス、ドナルド・ストークスに三連敗。勢いがあるとは言えない状況で世界挑戦のチャンス。アルゼンチンでの一戦。積極的なリベラ。前進し、右ストレート、左フック。ワンツー、左ボディ打ちに巧さがある。コッジは相手に接近されて粗い左右フックで応戦。1Rから右を食うコッジ。焦っているのか、右手で相手を押さえて左パンチを打つ反則。その後、バッティングによるリベラのキズが悪化。6Rにキズのチェック。7R、キズによるストップ。勝って大喜びのコッジ。打たれたうえに反則、相手の負傷。あまり良い勝ち方ではなかった。一方、惜しかったリベラ。世界挑戦できるだけの実力はあった。その後、再起戦でプエルトリコ王座(ライト級)獲得、引退。復帰してWBAの地域王座(ウェルター級)を獲得して完全に引退した。)
②ファン・マルチン・コッジ 5R KO 吉野弘幸
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
5R:左ストレート、右フック、左ストレートで3度、吉野がダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。これまで61勝(36KO)2敗2分のコッジが二度目の防衛戦。WBA7位の挑戦者、吉野は24勝(18KO)4敗1分。得意の左フックで日本ウェルター級王座を防衛してきたが、その特徴のある攻め方には隙もある。後楽園ホールで行われた「左フック対決」。共にパンチのある選手。しかし「パンチの質」に違いが。コッジは頑丈そうなコブシで硬そうなパンチ。しかも、独特の打ち方。サウスポーが得意とする左ボディアッパーなどで吉野はボロボロに。5R、強烈なパンチの連続で試合終了。王者が圧勝。最初のダウンを奪った狙いすましたような左ストレートは本当に残酷な一撃。吉野は打った後のバランスがよくなかった。その後の吉野。多くの試合。東洋太平洋ウェルター級王座、日本J・ミドル級王座獲得。ただ、敗北もあり、世界戦はコッジ戦のみに終わった。)
③ファン・マルチン・コッジ 12R 判定 ホセ・バルボサ
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:右ジャブでバルボサがダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。三度目の防衛戦。WBA9位の挑戦者バルボサはベネズエラの黒人。連敗したこともあったが、ベネズエラ王座(ライト級)を獲得してからは連勝中。そしてこの初の世界挑戦。アルゼンチンでの一戦。髪のサイドに白い刈り込みを入れているバルボサ。アップライトスタイルからガードを上げてジャブ(テリー・ノリスに似ている。髪型もおそらくノリスのマネ)。コッジの攻撃をバックステップでかわす。しかし、タイミングのいい右ジャブでダウン。その後、コッジがサウスポーのテクニックでポイントを取る。左アッパーからの右フックが印象的。バルボサはストレート、フックに良いものがあるが、ブロックされてしまう。12R終了。判定は3-0。1Rにダウンしてしまったが、バルボサは悪い選手ではなかった。いつもは荒っぽいコッジ。この試合では慎重さとパワーで上手く戦った。 その後、バルボサはフランキー・ランドールの世界王座に挑戦したが2-1で敗北。WBAの地域王座(J・ウェルター級)を獲得したが、敗北もあって三度目の世界挑戦は無かった。)
④ファン・マルチン・コッジ 10R KO ギレルモ・クルス
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
10R:左ボディでクルスがダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。四度目の防衛戦。WBA12位の挑戦者クルスはメキシカン。グレグ・ホーゲン、デビッド・カマウに敗れるなど勝ったり負けたりだったが、WBC米大陸王座(J・ウェルター級)獲得、防衛。ただし、カルロス・ゴンザレス(後、WBO世界J・ウェルター級王者に)に1RでTKO負けするなどトップクラスの選手ではない。アルゼンチンでの一戦。ガードを上げてジャブ、右ストレートのクルス。接近してフック連打。コッジはディフェンス。左パンチの荒っぽさは相変わらずだが、当てるテクニックでポイントを取る。2R、攻めが強引なクルスがローブローで減点。その後もコッジがサウスポーのテクニック。クルスは攻めるが、当たらない。10R、ホールドを放さないクルスに左ボディ。ダウンしたクルスは立てず、KO。コッジが最後は荒っぽいパンチで勝利。フィニッシングブローはタイミング的に微妙だったが、反則ではない。クルスは攻撃の正確さに欠いた。再起戦もKO負けで引退。)
パトリツィオ・オリバ戦、李相縞戦、ハロルド・ブレージャー戦、平仲伸章戦
エデル・ゴンザレス戦(初戦・再戦)、フランキー・ランドール戦(初戦)、坂本博之戦、サンティアゴ・アウマダ戦
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