2023年3月6日月曜日

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界二冠王。トレーシー・パターソン戦(再戦)、エクトール・サンチェス戦(初戦)、エリック・モラレス戦(ラストファイト)を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ダニエル・サラゴサ(メキシコ)

身長170cm:サウスポー

トレーシー・ハリス・パターソン 7R TKO ダニエル・サラゴサ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1993年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:パターソンがタイトル防衛。35歳のサラゴサ。WBC1位でこれまで44勝(21KO)6敗2分。王座奪回を目指す状況。これは再戦。初戦もサラゴサがパターソンの王座に挑戦する形で行われ、ダウンを奪ったが一進一退の試合展開の末、引き分け。28歳のパターソンは47勝(34KO)2敗1分。セコンドには養父のフロイド・パターソン。サラゴサにはいつものようにイグナシオ・ベリスタインが付く。ニューヨークでの一戦。ガードを上げるパターソン。ジャブ、右ストレート、左右フック。パンチにはキレがあり、右でボディを叩くなど器用さもある。サラゴサは距離を取りながら右ジャブ、左ストレート、そして右フック。動きのスピードには欠けるが、ディフェンス&タフネス、そして当てる巧さ。3R、サラゴサがコンビネーション。4R、パターソンがフック連打。右フックに意外なキレとパワーがあるところを見せるサラゴサだが、左マブタをカット。7R、サラゴサのキズにより試合終了。勝って大喜びのパターソン。中途半端なところで終わりにされてしまったサラゴサはいかにも「面白くない」といった表情。パターソンがスピードで勝利。フックが多く、もう少しジャブを多く使えば良かったような気もする試合運び。負傷で負けてしまったサラゴサ。古傷があるとこういう負け方をするリスクがある。)


エクトール・アセロ・サンチェス 12R 引分 ダニエル・サラゴサ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1995年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右フックでサンチェスがダウン

(感想:サンチェスがタイトル防衛。パターソンに敗れたサラゴサ。その後、連勝してWBC2位として三度目の王座獲得を目指す。王者サンチェスはドミニカの選手でパターソンを2-1で下して王座に。これまで32勝(20KO)2敗2分。これが二度目の防衛戦。レフェリーは有名なアーサー・マーカンテ。サンチェスはボクサータイプ。足のスタンスを広く取り、左のガードを下げた構えからワンツー、接近戦では左フック。サラゴサは右を使いながら左を当てようとする。当てる巧さはサラゴサ。サンチェスは速い連打。4R、右フックでサンチェスが派手にダウン。立ったが、さらに右フックでピンチ。5R、ラフプレーでサンチェスが減点。7Rにも右フックでサラゴサ優勢。その後は互いにディフェンス。一進一退。12R終了。サラゴサは「自分が勝った」といった表情だったが、引き分け。テクニックはサラゴサの方が良かった印象。手数でサンチェスは何とか引き分けに持ち込んだ。そしてダイレクト・リマッチ。またしても一進一退。左ストレートを当てたサラゴサが2-1で勝利。三度目のWBC世界J・フェザー級王座獲得。サンチェスはその後、エリック・モラレス、ケネディ・マッキニー、ナナ・コナドゥらに敗北。WBCの地域王座(フェザー級)は獲得できたが、世界王座に返り咲くことはなかった。)


エリック・モラレス 11R KO ダニエル・サラゴサ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1997年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

10R:右ボディフックでサラゴサがダウン

11R:右ボディストレートでサラゴサがダウン

(感想:モラレスがタイトル獲得。偉大なサラゴサ。三度目の王座の初防衛戦を辰吉丈一郎と行いTKO勝ち。二度目の原田剛志にもTKO勝ち。三度目は日本でもおなじみのウェイン・マッカラーに判定勝ち。四度目は再び辰吉と行い判定勝ち。五度目の相手は同じメキシコのモラレス(後に大物になる男。マニー・パッキャオを下したり、四階級制覇を達成したり)。これまで全勝。前王者エクトール・アセロ・サンチェスを判定で破るなど北米J・フェザー級王座を連続防衛。エルパソでの一戦。左右の構えは違うが、共に足でリズムを刻み、ガードを上げてジャブ、ワンツー。サラゴサは意表を突くようなタイミングで大振りの左フック、右ボディ打ち。互いにディフェンスし、慎重。そして接近戦へ。サラゴサが右フックからの左ストレート。アップライトスタイルのモラレスは接近戦はあまり得意ではないようで、ガチャガチャした連打。8R、サラゴサの右フックがヒット。しかし、逆にモラレスが左フックからの右ストレートでチャンス。サラゴサは連打されてピンチ。10R、接近戦を仕掛けるサラゴサだが、右ボディでダウン。11Rにもサラゴサは打って出るが、ラウンド終了近くに右ストレートをボディに食ってダウン。カウントアウト。サラゴサはパンチを当てる巧さは相変わらずだったが相手の勢いに屈し、これが最後の試合に。最後の最後まで強さを見せたサラゴサ。WBC世界J・フェザー級タイトルをまるで「自分のもの」と思っているかのように何度も挑戦して獲得した面白い男(クルーザー級のカルロス・デ・レオンが「WBC世界クルーザー級タイトル戦」、デニス・アンドリュースが「WBC世界L・ヘビー級タイトル戦」の常連だったのに似ている)。引退後はトレーナーに転身。あのラファエル・マルケスの指導を担当した。)

ダニエル・サラゴサ①

カルロス・サラテ戦、ポール・バンキ戦(初戦)、朴讃栄戦

ダニエル・サラゴサ②

許濬戦、ポール・バンキ戦(三戦目)、シェリー・ジャコブ戦

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