2023年3月2日木曜日

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界バンタム級、J・フェザー級二冠王。カルロス・サラテ戦、ポール・バンキ戦(初戦)、朴讃栄戦を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ダニエル・サラゴサ(メキシコ)

身長170cm:サウスポー

ダニエル・サラゴサ 10R TKO カルロス・サラテ

(WBC世界J・フェザー級王座決定戦、1988年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サラゴサが二階級制覇。メキシコシティ出身のサラゴサ。WBC世界J・フェザー級タイトルを通算三度獲得し、日本のファンにもおなじみ。メキシコ代表としてモスクワオリンピック(1980年)にバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ転向。ハロルド・ペティ(アメリカ。当時の実力者。取りこぼしもあり、世界挑戦はできなかった)とは相性が悪く二連敗してしまったが、それ以外は負け無しの状態でWBC世界バンタム級王座決定戦に出場。反則勝ちで王座獲得。その王座を初防衛戦でミゲル・ロラに奪われ(1985年)、この王座決定戦。これまで32勝(15KO)4敗。サラテは説明不要の名選手で59勝(57KO)3敗。正確無比な強打が自慢で、元WBC世界バンタム級王者。サラゴサと同じメキシカンで「先輩王者」にあたる。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。フットワークを使ってリズミカルな動きから右ジャブを連打するサラゴサ。そして左ストレート、右フック(このスタイルは現役時代、一貫していた)。サラテはブロック、ダッキングしながらジャブ、右ストレート、左ボディ打ち。時折右ストレートをヒットさせるなどサラテはパンチの正確さを見せるが、動きとパンチにキレを欠き、打たれる。手数、攻める勢いでサラゴサが少しずつ上回る。6R、サラゴサの左ストレートカウンターがヒット。9Rには右フックでサラテがピンチ。10R終了間際、サラゴサの強烈な左ストレートが入ったところでレフェリーストップ。サラゴサがかつての名選手を下し、新旧交代。全盛を過ぎた相手に勝っても自慢にはならないかもしれないが、サラゴサにとってはその後の自信につながった試合だったのではないかと思われる。サラテはこれが最後の試合となった。) 


ダニエル・サラゴサ 12R 判定 ポール・バンキ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1989年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

9R:左ストレートでサラゴサがダウン

(感想:サラゴサがタイトル防衛。サラテに引導を渡したサラゴサ。李承勲(韓国)との初防衛戦は引分。二度目はイタリアのバレリオ・ナチにKO勝ち。三度目の相手は「突貫小僧」のバンキ(アメリカ)。打たれても前に出る「勇敢すぎる男」で、このところ連勝中(16勝(5KO)3敗)。セコンドにはマック・クリハラ。両者が主戦場としている「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。共にサウスポー。使う武器も同じ。バンキが攻める姿勢で前進し、左ストレート、左右フック。サラゴサは距離を取りながら右ジャブ、左ストレート、左フックをリズミカルに打ち込む。一進一退。互いにディフェンス&タフネス。当てる巧さでサラゴサ。バンキはパンチにキレがある。9R、右フックからの左ストレートでサラゴサがダウン。立ったが、左ストレートを食ってピンチ。その後はさすがに疲れたか、バンキの攻めが控えめになり、サラゴサが丁寧に連打。12R終了。激しい試合内容に観客はスタンディングオベーション。判定は2-1。映像ではどちらが勝ったかわかりにくい接戦。「互角の場合は王者がポイントを取るルール」でバンキが敗北。実力的に大きな差は無かったように感じられた。)


ダニエル・サラゴサ 12R 判定 朴讃栄

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1989年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サラゴサがタイトル防衛。ベテランのフランキー・デュアルテ(アメリカ)を下して四度目の防衛に成功したサラゴサ。五度目は韓国の仁川で元WBA世界バンタム級王者の朴が相手。サラゴサがいつものように右ジャブからの左ストレート、そして右フック。朴はオープンブローの構えで左手でサラゴサのジャブをブロック、そしてワンツー、左フック。攻めが単発な朴。サラゴサはコンビネーション。次第に朴のストレート、左フックが当たるようになっていく。パワーに欠けるサラゴサは相手の攻めを持て余す。終盤はサラゴサが反撃するが、一進一退の印象。判定は2-1。強いパンチは朴の方が多かったように映像では見えたが、ジャッジには攻撃がとぎれがちな朴の攻めよりも連打するサラゴサの方が見栄えが良かったようだ。惜しい負け方をした朴。序盤が受け身的な姿勢だったのが残念。最初から攻めていれば勝っていたのではないか? その後、朴は日本のジムに移籍したが、世界挑戦のチャンスは無かった。)

ダニエル・サラゴサ②

許濬戦、ポール・バンキ戦(三戦目)、シェリー・ジャコブ戦

ダニエル・サラゴサ③

トレーシー・パターソン戦(再戦)、エクトール・サンチェス戦(初戦)、エリック・モラレス戦(ラストファイト)

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