2023年3月5日日曜日

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界バンタム級、J・フェザー級二冠王。許濬戦、ポール・バンキ戦(三戦目)、シェリー・ジャコブ戦を紹介します。

ダニエル・サラゴサ(メキシコ)

身長170cm:サウスポー

ダニエル・サラゴサ 12R 判定 許濬

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サラゴサがタイトル防衛。ポール・バンキとの再戦(王座防衛戦)でKOされてボロボロになったサラゴサ。「精も根も尽き果てた」ような敗北だっただけに「サラゴサもこれで終わりか」と思われた。しかも、それ以前の防衛戦でも綱渡り的な微妙な試合が多かった。ところが再起し、新王者となっていた畑中清詞を判定で下してWBC世界J・フェザー級王座奪回。ソウルで許濬を相手に初防衛戦。許は韓国王座(J・バンタム級)、東洋太平洋王座(バンタム級)を獲得した実績があるが、東洋王座を1RでのKO負けで失っている。その後、四連勝。しぶといサラゴサ相手にどんな試合を見せるか?  スリムな体型の許。ガードを上げてジャブ、右ストレート。サラゴサはいつものように右ジャブからの左ストレート、そして右フック。1Rから右フックをヒットさせ、左フックでのボディ打ち。良いストレートを持っている許だが、受け身の姿勢で、攻められると下がってしまったり、クリンチしたり。4R終了後、両者ニラみ合い。6R、許のヘディングでサラゴサが出血。減点される許。しかし、サラゴサもバッティング(?)で減点。連打でサラゴサが優勢のまま12R終了。判定は3-0。サラゴサが攻めの姿勢で勝利。テクニシャンタイプのサラゴサだが、左ストレート、右フックにパワーがあった。許は攻防が分離しているうえに積極さに欠けていたのが残念。この試合の後ブランクを作り、カムバック二連勝してキャリア終了。二度目の世界挑戦は無かった。)


ダニエル・サラゴサ 12R 判定 ポール・バンキ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1991年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サラゴサがタイトル防衛。奪回した王座の二度目の防衛戦はバンキ(WBC8位)とのラバーマッチ(三戦目)。バンキはサラゴサをKOして王座を獲得したが、アルゼンチンの豪打者ペドロ・デシマに痛烈なKO負け。ボロボロにされただけにダメージが気になるところ。「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。共にジャブ。フットワークを使いながらテンポ良く連打するサラゴサ。バンキはワンツーで前進するが、攻めながらも慎重姿勢。サラゴサが左ストレートからの右フックなどで優勢。バンキはやはりダメージ。打たれると動きが止まったり、後退したり、マウスピースを落としたり(8Rほか)。12R、打って出るバンキだが、サラゴサの左ストレートがヒット。判定は3-0。サラゴサが攻める姿勢とディフェンスで勝利。乱打戦を避けるクレバーな試合運びだった。その後のバンキ。再起戦でケネディ・マッキニーに敗れ、さらに二連敗で引退。ダメージが心配される状況。)


シェリー・ジャコブ 12R 判定 ダニエル・サラゴサ

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1992年)

「タフネス&サウスポーのテクニック」ダニエル・サラゴサ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

10R:左ボディフックでサラゴサがダウン

(感想:ジャコブがタイトル獲得。34歳のサラゴサ。三度目の防衛戦はフランス(レフェリーは有名なトニー・ペレス)。挑戦者ジャコブ(フランス)は27歳。ケルビン・シーブルックスのIBF世界バンタム級王座に挑戦してTKO負け。さらにホセ・サナブリアのIBF世界J・フェザー級王座に挑戦してTKO負けしたが、デューク・マッケンジーとの決定戦に勝利して欧州バンタム級王座獲得。これが三度目の世界挑戦となる。共にサウスポー。右ジャブ、左ストレート、そして右フック。正確にパンチを当てようとするサラゴサ。ジャコブは速い連打で勝負。互いにディフェンスするがパンチにスピードがある分、ジャコブがジャブ、ストレートをヒットさせる。9R、ジャコブが精力的に連打。そして10R、左ボディでサラゴサがダウン。12R、勝利を確信しているジャコブは打ち合いを避けて足を使う。攻めるサラゴサだが、逆にジャブを打たれる。判定は3-0。ハンドスピードでジャコブが勝利。できれば最終ラウンドも攻めて欲しかったが確実に勝ちたかったのだろう。実力差はそれほど無かったが、やはりサラゴサは年齢的に不利だった。その後のジャコブ。初防衛戦でトレーシー・ハリス・パターソンに2RでKO負け、王座陥落。その再起戦でウィルフレド・バスケスのWBA王座に挑んでTKO負け。バスケスとの再戦にもKO負けで三連敗。王座に返り咲くことなく引退。)

ダニエル・サラゴサ①

カルロス・サラテ戦、ポール・バンキ戦(初戦)、朴讃栄戦

ダニエル・サラゴサ③

トレーシー・パターソン戦(再戦)、エクトール・サンチェス戦(初戦)、エリック・モラレス戦(ラストファイト) 

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