2023年2月7日火曜日

「タイの正統派」ソット・チタラダ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界フライ級王者。実力者との世界王座戦。リック・シオドラ戦、リチャード・クラーク戦、張正九戦(再戦)を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ソット・チタラダ(タイ)

身長161cm:オーソドックス(右構え)

ソット・チタラダ 12R 判定 リック・シオドラ

(WBC世界フライ級タイトル戦、1990年)

「タイの正統派」ソット・チタラダ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ソットがタイトル防衛。金容江から王座を奪回したソット。地元タイ・バンコクでフィリピンのシオドラと防衛戦。シオドラはフィリピン王座(フライ級)を獲得している選手で、このところ無敗。ダッキングしながら接近して左フックを振るうシオドラ。左フックからの右ストレートにも威力がある。ソットは慎重に距離を取りながらジャブ、そして左ボディ打ち、右アッパー。しかし、左フックは力んで空振りするシーンが多い。ソットがシャープなジャブでポイントを取っている印象ではあるが、シオドラはタフネス&左フックで攻める姿勢。9R、ソットが余計な動きをしてジャブを食う。しかし、シオドラがバッティングで減点。10R、ソットが右ストレートをクリーンヒット。判定は3-0。ソットがジャブで勝利。シオドラは最後まで前に出たが、得意のフックはディフェンスされてしまった。後、シオドラは張正九、チャッチャイ・サーサクンらに敗北したが、WBFのフェザー級王座を獲得している。)


ソット・チタラダ 11R KO リチャード・クラーク

(WBC世界フライ級タイトル戦、1990年)

「タイの正統派」ソット・チタラダ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

11R:右アッパー連打でクラークがダウン

(感想:ソットがタイトル防衛。カルロス・サラサール(アルゼンチン)を判定で下して二度目の防衛に成功したソット(21勝(13KO)2敗)。三度目の相手はジャマイカのクラーク。WBCの米大陸王座、インター王座(いずれもフライ級)を獲得するなど、これまで22勝(7KO)2敗。プロデビューは1981年であり、ベテランの域にある。挑戦者の地元ジャマイカ・キングストンでの一戦。軽快な動きから速いジャブを連打するクラーク。右ストレート、左フックには伸びとパワーがある。ソットはパワーを込めたジャブ。左フックは力んだ感じで的中率が良くない印象。2R、左フックでクラークがダウンしたが、ダウン扱いされず(オープンブロー気味だった?)。互いに良いパンチを打ち、接近戦ではソットがボディ攻め。これが効いてきたか、クラークは打ち合いを避け、クリンチするようになっていく。11R、右アッパー連打でクラークがダウン。座ったまま10カウントを聞いた。ソットが攻める姿勢で勝利。パンチにはパワーが乗っていた。クラークは素晴らしいパンチを持っていたが「倒しに行くタイプ」ではなかった。その後は負けが増え、世界を獲得することなくキャリアを終えた。)

 

ソット・チタラダ 12R 判定 張正九

(WBC世界フライ級タイトル戦、1990年)

「タイの正統派」ソット・チタラダ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
凡戦を象徴するシーン

(感想:ソットがタイトル防衛。四度目の防衛戦の相手は因縁の張正九(韓国:WBC1位)。ソットはかつてプロ五戦目で張のWBC世界J・フライ級王座に挑戦したことがあるが、その時は手数、試合運びでわずかに及ばず判定負け。「雪辱なるか?」といったところ。ソウルでの一戦。いつものようにソットはジャブ。左フックは力んで不正確。張は体を預けるような攻めでガチャガチャ連打。右を当てようとするが、打った後のバランスが悪い。距離を取りたいソット、闇雲に前進する張。接近戦ではクリンチ、もみ合い。時折、張の連打がヒットして12R終了。会場のファンは地元のヒーロー張が勝ったと思ったか、大歓声。判定は2-0。映像ではどっちが勝ったかわかりにくい試合だった。たぶん、ソットのジャブが評価されたのだろう。正直、イマイチな内容だった。)

その後のソット

因縁の張正九を下したソット。しかし、その次の防衛戦の相手は同国人の若きチャレンジャー、ムアンチャイ・キティカセム。シャープでパワフルなパンチに打ちのめされ、王座陥落。再戦にも敗北し、それが最後の試合に。スピードとキレで勝負するタイプだったため、より若くスピードのある相手に敵わなかった。最初に王座を獲得し、六度の防衛に成功した時期が彼のベストだろう。 

チャーリー・マグリ戦、フレディ・カスティーヨ戦、安来基戦

神代英明戦、金容江戦(初戦、再戦)

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