世界二階級制覇王者。世界王者になる前の試合&世界戦。ワンディー・シンワンチャー戦、ディオスダード・ガビ戦ほかを紹介します。
ビック・ダルチニアン(アルメニア)
身長166cm:サウスポー
①ビック・ダルチニアン 3R TKO ラン・ソンプラコン
(IBFパンパシフィック・フライ級タイトル戦、2002年)
(ダウンシーン)
3R:連打でランがスタンディングダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル初防衛。デビューから連勝のダルチニアン(26歳)が防衛戦。挑戦者ランはタイ人(タイ人との対戦が目立つダルチニアン。楽に勝てる相手ばかりでなければよいが)。イーグル・デン・ジュンラパン(後のWBC世界ミニマム級王者)に判定負けするなど多くの敗北。タイ王座(フライ級)を獲得したが、日本やインドネシアで連敗中。オーストラリア・ローズヒルでの一戦(ダルチニアンのセコンドにあのジェフ・フェネック)。ランは慎重な男。ブロックしながら左フック、右ストレート。ダルチニアンは右ジャブを使いながら相手のガードを崩そうと左ストレート、フックを打ち込み、時には連打。3R、連打を浴びたランがスタンディングカウント。ドクターが介入して試合終了。ダルチニアンが勢いで勝利。ランは特に弱い選手ではなく、鍛えた感じの身体。攻めの姿勢に欠けていたのが惜しい。その後、ランはタイ王座戦で勝利できたが、日本で連敗、PABAフライ級王座戦でKO負けするなどサッパリ。積極さに欠けているのが原因か?)
②ビック・ダルチニアン 4R TKO ワンディー・シンワンチャー
(IBFパンパシフィック・フライ級タイトル戦、2003年)
(ダウンシーン)
4R:左ストレート、左ボディ、左ボディで3度、ワンディーがダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル防衛。挑戦者ワンディーはタイ・ウドーンターニー出身で、これまで39勝(9KO)5敗。日本でロッキー・リンを破ってWBC世界ストロー級暫定王座を獲得したが、王座陥落後は階級アップ。直前の試合はWBFスーパーフライ級王座への挑戦で、3-0の敗北。オーストラリア・シドニーでの一戦。やはり体格差が。トリッキーな動きをしながらダルチニアンが右ジャブ、左ストレートでプレッシャーを掛け、モーション大きめの左フック(いわゆるテレフォンパンチ)。相手の圧力に押されるワンディーは右パンチで反撃するが、単発に終わる。4R、ワンディーが三度ダウンしてレフェリーストップ。ダルチニアンが楽勝。対戦相手がいないのだろうが、勝てる相手とばかりやっても仕方がない。その後のワンディー。再起戦はダルチニアンとのIBF世界フライ級王座挑戦者決定戦で、KO負け。階級を下げて成功。WBC世界ライトフライ級暫定王座を決定戦で獲得(2006年)。王座陥落後はまた階級を上げて勝ったり負けたりになったが、2013年までリングに上がった。)
③ビック・ダルチニアン 8R TKO ディオスダード・ガビ
(IBF世界フライ級タイトル戦、2006年)
(ダウンシーン)
8R:左ストレートでガビがダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル防衛。全勝のままイレーネ・パチェコをTKOしてIBF王者になったダルチニアン。30歳で、これまで24連勝(19KO)。ガビ戦は三度目の防衛戦(ダルチニアンはIBO王者でもある)。挑戦者ガビ(26歳)はフィリピン・ダバオ出身のサウスポーで26勝(19KO)2敗1分。ニックネームは「プリンス」(ナジーム・ハメドと同じ。かなり期待されているのだろう)。アマチュアの大会で優勝経験。プロでは連勝後、サムソン・ダッチボーイジムに判定負けでWBFスーパーフライ級王座奪取ならず、初黒星(初の海外試合(タイ)だった)。WBCアジア王座(スーパーフライ級)も獲得ならず(タイでの試合)。地元では強く、WBCインター王座(フライ級)獲得。直前の試合はアメリカで、負傷判定勝ち。カリフォルニア州サンタ・イネスでの一戦(ダルチニアンのセコンドにジェフ・フェネック。ガビには元ライト級のフレディ・ローチが付く)。共にサウスポー。右ジャブ、左ストレート、右フック、互いにディフェンス。ガビは速いパンチで手数。ダルチニアンは例によって左パンチにゴツいパワー。パンチ力でややダルチニアンが有利。しかし、ガビの左ストレート、右フックにも力強さ。8R、それまでのラウンドと同じような一進一退の中、ダルチニアンの強烈な左ストレート。一発で倒れたガビは立ったが、かなりのダメージ。レフェリーは試合を止めた。ダルチニアンがパワーで勝利。隙を突く、良いパンチだった。ガビは悪い選手ではないが、ダルチニアンのガードを突破するほどの攻めが少な目だった印象。その後のガビ。再起後は階級アップ。連勝だったが、NABOバンタム級王座戦でTKO負け。それが最後の試合となった。)
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