世界二階級制覇王者。世界王座戦のグレン・ドネア戦、ホセ・ビクトル・ブルゴス戦を紹介します。
ビック・ダルチニアン(アルメニア)
身長166cm:サウスポー
①ビック・ダルチニアン 6R 負傷判定 グレン・ドネア
(IBF世界フライ級タイトル戦、2006年)
(ダウンシーン)
4R:右ショートでドネアがダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル防衛。これまで26連勝(21KO)のダルチニアン。IBF王座の五度目の防衛戦。挑戦者ドネアはあのノニト・ドネアの兄。フィリピンのヘネラル・サントス出身。2000年のシドニー・オリンピックを目指したが、ブライアン・ビロリアに敗れて出場ならず。アメリカでプロデビュー。連勝だったが、判定負けを喫してフィリピンに帰国。WBOアジア王座(フライ級)を獲得後、アメリカに乗り込んだがZ・ゴレスに1RでTKO負け。NABA、NABO王座(フライ級)を同時に獲得した次の試合でダルチニアンに挑戦。16勝(9KO)2敗1分、IBF15位。ランクは低いが、あのノニトの兄。パワーで勝負。ラスベガス「Mandalay Bay Resort & Casino」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはトニー・ウィークス)。右を使いながら左パンチのダルチニアン。ドネアは接近して右ストレート、フックを出すがパワーを込めすぎで、手数が少な目。共にパワーがあり、フライ級とは思えない緊張感。しかし、ダルチニアン がワンツー、左フックを当てて優勢。4R、斜め下からの大きな左フック後の右ショートでドネアがダウン。その後も右のリードブロー&左パンチでダルチニアン。6R、突然相手に背を向けるドネア。口の中を負傷したらしく、ドクターチェック。試合ストップ。「TKO」と思われたが、負傷判定(3-0)でダルチニアン。残念だったドネア。狙いすぎでせっかくのパワーを活かせない戦い方。共にパワーファイターだが、ダルチニアンがリードパンチを使いながら得意の左強打を当てていったのとは対照的だった。その後のドネア。ブランク。カムバックしてウリセス・ソリスのIBF世界ライトフライ級王座に挑戦して3-0の敗北。世界王者にはなれなかった。)
②ビック・ダルチニアン 12R TKO ホセ・ビクトル・ブルゴス
(IBF世界フライ級タイトル戦、2007年)
(ダウンシーン)
2R:左ボディでブルゴスがダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル防衛。六度目の防衛戦。IBF3位の挑戦者ブルゴスはメキシコ・コパラ出身で、これまで39勝(23KO)14敗3分。身長は156cmで小柄。デビューから連敗。経験を積んでメキシコのローカル王座(フライ級)、メキシコ王座(ライトフライ級)獲得。WBO世界ミニマム級王座に挑戦して3-0の敗北。決定戦でIBF世界ライトフライ級王座獲得。防衛にも成功。ウィル・グリッグスビーに3-0で王座陥落。そこから試合間隔が長くなったが、ダルチニアンに挑戦するチャンス。カリフォルニア州カーソンでの一戦。軽快なフットワークのブルゴス。しかし、パンチは速いが軽めで、フックは大振り。攻撃の正確さに欠ける印象。攻めるダルチニアンも大振りパンチで、大味な試合ぶり。2R、左ボディでブルゴスが片ヒザを着くダウン。その後、ブルゴスはサウスポーにこまめにスイッチしたり、クリンチしたりでしぶとく応戦。7R、滑ってバランスを崩したダルチニアンが連打されてちょっとしたピンチ。その後もパワーでダルチニアンが押す。12R、ブルゴスが攻められたところでレフェリーストップ。思ったよりダメージ深く、ブルゴスは担架で運ばれていった。ダルチニアンが雑な攻めで勝利。ブルゴスはパワー不足(これが最後の試合に)。「勝負」という点では物足りない試合だった。その後のダルチニアン。ブルゴス戦の次の防衛戦でノニト・ドネアに豪快にKOされて王座陥落。ディミトリー・キリロフをKOしてIBF世界スーパフライ級王座奪取、二階級制覇(2008年)。WBA・WBC王者クリスチャン・ミハレスをKOして王座統一。ホルヘ・アルセに勝利で王座防衛。IBF世界バンタム級王座挑戦は判定負けで三階級制覇ならず。アンセルモ・モレノ、山中慎介の世界バンタム級王座への挑戦も失敗。WBA世界フェザー級王座も獲得ならず。パワーはあったが、粗さがあった。)


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