世界二階級制覇王者。世界王者になる前のウィン・ネイションマン戦、パノムデット戦ほかを紹介します。
ビック・ダルチニアン(アルメニア)
身長166cm:サウスポー
①ビック・ダルチニアン 3R TKO ウィン・ネイションマン
(スーパーフライ級戦、2002年)
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでウィンがダウン
(感想:ダルチニアンはアルメニアのヴァナゾル出身。オーストラリア国籍でプロ活動。サウスポースタイルで左を荒っぽく振るうファイター(ファン・マルチン・コッジに似ている)。ニックネームは「Raging Bull(怒れる雄牛)」。2000年、アルメニア代表としてシドニーオリンピックに出場(フライ級。メダルは獲得ならず)。同年、オーストラリアに移住してプロデビュー。以来、オーストラリア・フライ級王座を決定戦で獲得するなど連勝中。年齢は25。ウィン(24歳)はタイ・ナコーンパノム出身。日本が主戦場で、内藤大助にTKO負けするなどこれまで勝ち星無し(結局、全敗でキャリア終了)。オーストラリア・シドニーでの一戦。1R、ウィンが単発の左ストレート。ダルチニアンが逆に左ストレートでダウンを奪う。その後、ダルチニアンは右を使いながら左ストレート、フック。斜め下からの左フックに威力。ウィンはショートフックなどで反撃するが、ストレートを打った後にバランスを崩すなどディフェンスに甘さ。3R、破れかぶれな打ち方のウィン。ダルチニアンが攻めたところでレフェリーストップ。ダルチニアンが基本ができていない相手に勝利。できればもっとスッキリとKOして欲しかったところ。)
②ビック・ダルチニアン 2R TKO パノムチャイ・デトリタ
(スーパーフライ級戦、2002年)
(ダウンシーン)
2R:左カウンターでパノムチャイがダウン
(感想:これまで9連勝(6KO)のダルチニアン。ウィン戦の次の試合は再戦。パノムチャイはタイ人で、13勝(5KO)4敗2分。タイ王座(J・フライ級)を獲得したことがある。来日したときは判定負け。ダルチニアンに6RでTKO負け。シドニーでの一戦(ディナーショー形式らしく、リングの周囲に丸いテーブル)。パノムチャイは平均的なタイ人。ジャブ、右ストレート。パンチにはそれなりに速さがあるが、真っ直ぐ動くクセがある。ダルチニアンはダッキングしながら接近し、得意の左パンチ。2R、強烈な左カウンターでパノムチャイがダウン。レフェリーはカウントを途中で止め、試合終了の合図。ダルチニアンが楽勝。「勝てる相手」だった。その後、パノムチャイはグレン・ドネア(ノニトの兄)と空位のWBOアジア王座(フライ級)を争って判定負けするなど全敗だった。)
③ビック・ダルチニアン 4R TKO パノムデット・オーユタナコーン
(IBFパンパシフィック・フライ級王座決定戦、2002年)
(ダウンシーン)
1R:右フック連打でパノムデットがダウン
2R:連打でパノムデットがダウン
4R:左ストレートでパノムデットがスタンディングダウン
(感想:ダルチニアンがタイトル獲得。連勝のダルチニアンがIBFの地域王座戦。パノムデットはタイ・スリン出身で、これまで14勝(4KO)3敗。1997年、マニー・パッキャオに1RでKOされた過去(東洋太平洋フライ級王座戦)。タイ王座(フライ級)を獲得。数度の来日は全て敗北。シドニーでの一戦。1R、のらりくらりとしたところがあるパノムデット。左ジャブ、右ストレートを出すが、打ち方やバランスがよろしくない。ダルチニアンはパターンを確立。右を使いながら左パンチにパワーを込める。右フック連打でパノムデットがダウン。フックで攻めるダルチニアン。パノムデットはサウスポーにチェンジして左ストレート、右フック。サウスポーの時の方が良いパンチ。しかし、ダルチニアンがディフェンス&パワーで優勢。2R、勢いのある連打でパノムデットがダウン。立ったパノムデット。なかなかのしぶとさ。ワンツー、左ストレートからの右フックなどで反撃。4R、左ストレートでパノムデットがスタンディングダウン。再開後、ダルチニアンのワンツーからの右ジャブが入ったところでレフェリーストップ。ディフェンスと手数でダルチニアン勝利。パノムデットはタイ人らしく一発一発にパワーを込めるため、連打の回転力で負けた。その後のパノムデット。タイ王座戦で勝ったり負けたり。日本でも試合したが、一度も日本では勝てなかった。)



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