2025年9月6日土曜日

「ハワイの強打者」ブライアン・ビロリア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ライトフライ、フライ級王者。世界王者になる前のレオナルド・グチェレス戦、ファン・アルフォンソ・ケブ・バース戦を紹介します。


ブライアン・ビロリア(アメリカ、ハワイ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)


ブライアン・ビロリア 4R TKO レオナルド・グチェレス

(スーパーフライ級戦、2002年)

「ハワイの強打者」ブライアン・ビロリア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右カウンターでグチェレスがダウン

4R:ワンツー、左ボディで2度、グチェレスがダウン

(感想:ハワイ・ホノルル出身のビロリア。ニックネームはその強打から「The Hawaiian Punch」。9歳でボクシングを始め、シドニーオリンピック(2000年)にはライトフライ級で出場(メダル獲得はならず)。プロ入り後はこれまで5連勝(3KO)。グチェレスはメキシカン。勝ったり負けたりのベテラン。ローカル王座(フライ級)獲得、ホルヘ・アルセに判定負け、アレハンドロ・モンティエルに判定負け(WBC米大陸フライ級王座戦)、ダニー・ロメロにKO負け、ジョニー・ブレダルにデンマークで判定負け。このところ負けが込んでいるが、経験は充分。ニューヨークでの一戦。背は低いが、よく鍛えられたガッチリした身体のビロリア。1R開始早々、「グローブを合わせる挨拶」を無視してフック攻撃。足でリズムを取ってディフェンスしながら左のテクニック、右ストレートからの左ジャブ、ワンツー、ボディ打ち。力んでいるが、コンビネーション主体の攻め。グチェレス(コチラも背は低いが、ガッチリした身体)はワンツー、左フックを出すが、残念ながら動きのスピードとパンチのキレに欠ける。2R、左パンチで目を痛めるグチェレス。ビロリアは右パンチを被弾。3R、右カウンターでグチェレスがダウン。4R、右ストレート連打からのワンツーでグチェレスがダウン。立ったが、左ボディで二度目のダウン。ダメージ深いと見て、レフェリーは試合を止めた。なかなかの馬力のビロリア。多少打たれたが、タフネスでカバー。グチェレスはスピードの無さで敗北。これが事実上のラストファイトに。数年後にカムバックして1RでTKO負けだった。)


ブライアン・ビロリア 12R 判定 ファン・アルフォンソ・ケブ・バース

(北米フライ級タイトル戦、2004年)

「ハワイの強打者」ブライアン・ビロリア「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:左フック、右ストレートで2度、バースがダウン

(感想:ビロリアがタイトル防衛。グチェレス戦後も好調のビロリア(23歳)。一つノーコンテスト試合があったが、WBCユース王座、北米王座(いずれもフライ級)を獲得、防衛してきた。挑戦者バース(33歳)はメキシコ・メリダ出身で、これまで30勝(20KO)9敗2分。メキシコのローカル王座(ライトフライ級)を獲得できたが、メキシコ王座、WBC米大陸王座(いずれもライトフライ級)は獲得ならず。WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得後、ケルミン・グアルディアのWBO世界ミニマム級王座に挑戦して判定負け。ホセ・アントニオ・アギーレのWBC世界ミニマム級王座への挑戦はTKO負け。以来、ウリセス・ソリスにTKO負けするなど勝ち星無し。コネチカット州アンカスビルでの一戦。開始から攻めるビロリア。早いジャブ、ワンツー、フック連打。バースはビロリアよりも小さいが、ガッチリした身体。ガードを上げて応戦。左フックからの右ストレート、ボディ連打に強さがあるが、相手の勢いに受け身の姿勢。ビロリアがコンビネーションで先手を取る展開。また、ビロリアはインサイドから右フックを当てるなど腕力だけの選手ではないところも披露。8R、強烈な左フックでバースがダウン。立ったが、追い込まれて右ストレートで二度目。KOを狙って攻めるビロリアだが、終盤はジャブ中心の受け身な試合ぶり(コブシを痛めたか?)。バースは攻めるが、ブロックされてしまう。12R終了。判定は3-0(三者とも「119-107」)。8Rまで勢いがあったビロリア。その後、失速したが、全体的に力強い攻め&正確な強打。バースはタフでパンチもあったが、8Rに強烈なダウンを食った。KOされなかったのを讃えるべきか。しかしその後、バースはエリック・モレル、グレン・ドネアらを相手に多くの敗北。)


その後のビロリア

エリック・オルティスを何と1RでKOしてWBC世界ライトフライ級王座奪取(2005年)。しかし、二度目の防衛戦で判定負け、王座陥落&初黒星。ウリセス・ソリスを11RでKOしてIBF世界ライトフライ級王座奪取(2009年)。しかし、またしても二度目の防衛戦で王座陥落。フリオ・セサール・ミランダに3-0でWBO世界フライ級王座奪取(2011年)。WBA王者エルナン・マルケスとの統一戦でTKO勝ちし、WBO・WBA王座統一(2012年)。しかし次の防衛戦でファン・フランシスコ・エストラーダに敗北。その後はローマン・ゴンザレスに敗北し、王座返り咲きならず。パワフルでエキサイティングな選手だったが、当時は実力者が競い合うハードな時代だった。

 

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