2025年8月14日木曜日

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界バンタム級暫定王者、世界スーパーバンタム級王者。PABA戦のエドガー・ガビジャン戦ほかを紹介します。


プーンサワット・クラティンデーンジム(タイ)

身長164cm:オーソドックス(右構え)


プーンサワット・クラティンデーンジム 11R 判定 エドガー・ガビジャン

(PABAスーパーバンタム級タイトル戦、2008年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:プーンサワットがタイトル防衛。元WBA世界バンタム級暫定王者プーンサワット。PABA王座を連続防衛中で、ガビジャンと7度目の防衛戦。挑戦者ガビジャンはフィリピン・パラナス出身で、勝ったり負けたりの男。フィリピン・スーパーフライ級王座を獲得しているが、フィリピン・バンタム級王座戦、IBFパンパシフィック・スーパーバンタム級王座戦に敗北。不安定なキャリアだが、試合経験は積んできた。タイ・ノンタブリーでの一戦(なぜか「11R制」で行われた。TV放送時間の関係か?)。いつもコンディションが良いプーンサワット。1Rからワンツーをヒットさせる。ガビジャンは一発にパワーを込めるタイプで、右ストレート、フックを強打。しかし、一発を狙う選手は単発になりがちで、打ち終わった後に隙ができる欠点。巧く隙を突くプーンサワット。5Rにやや攻められて受けに回るシーンもあったが、タフな打ち合いをしながらも正確に強打を当てる。11R終了。判定は3-0。共に強打でタフ。スタミナも充分。ディフェンスの差でプーンサワットが上回った。その後もガビジャンは多くの試合。減量がキツかったのか、階級を上げて本領発揮。フィリピン王座(フェザー級、スーパーフェザー級、ライト級)を獲得。日本やアメリカのリングにも上がった。)


プーンサワット・クラティンデーンジム 4R KO カルロス・ロペス

(PABAスーパーバンタム級タイトル戦、2009年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右ボディでロペスがダウン

(感想:プーンサワットがタイトル防衛。ガビジャン戦の次の試合で同じタイのソムサック・シンチャチャワンをKOして「WBA世界S・バンタム級王座挑戦権」を獲得したプーンサワット。その後も引き続きPABA王座の防衛戦。11度目の相手ロペスは東ティモール出身で、国籍はインドネシア。地元で連勝後、タイでPABAバンタム級王座に挑戦したが、KO負け。直前の試合はインドネシア・スーパーバンタム級王座挑戦で、2-1の敗北。王座に挑戦するのはこれが三度目。タイ・チェンライでの一戦。両選手、ゾウに乗ってリング入場。ゴング。ボクサータイプのロペス。ガードを上げてジャブ連打、右ストレート。動きのスピードはそこそこ。プーンサワットは踏み込んでワンツー、左ボディ打ち。4R、右ボディでロペスがダウン。立てず、KO。プーンサワットが勝てる相手に楽勝。ロペスはスピード感に欠けていた。その後のロペス。オーストラリアでビリー・ディブにKO負け、WBOユース王座(フェザー級)に挑戦してKO負けするなど四連続KO負け。インドネシア・スーパーバンタム級王座獲得、防衛。勝ち続けて2013年に引退。2019年にカムバックしたが、三連敗で完全引退。)


その後のプーンサワット

ロペス戦の次の試合でラファエル・エルナンデスをTKOして空位のWBA世界S・バンタム級暫定王座を獲得。正規王者バーナード・ダンを3R で始末してWBA世界S・バンタム級正規王者に。日本で細野悟、タイで木村章司を相手に防衛。後楽園ホールで李冽理に判定負けで王座陥落。再起してPABAスーパーバンタム級王座を獲得(よくわからないが、この王座は「スーパー・チャンピオンシップ」なるモノらしい)。モハメド・メトウォリーと初防衛戦。


プーンサワット・クラティンデーンジム 4R TKO モハメド・メトウォリー

(PABAスーパーバンタム級タイトル戦、2011年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでメトウォリーがダウン

4R:右アッパーでメトウォリーがダウン

(感想:プーンサワットがタイトル初防衛。挑戦者メトウォリーはエジプト・アシュート出身。エジプトのボクシング界のレベルがどのくらいなのかはよくわからないが、地元で連勝後、エジプト・フェザー級王座獲得。バンコクでIBFパンパシフィック・スーパーフェザー級王座に挑戦して初黒星。再起戦に勝利して再びタイに乗り込む。タイ・チャイナートでの一戦。身長で上回るメトウォリーはブロックを固めてジャブ、コンビネーション(右フックからの左フック、ワンツーからの左ジャブ)。しかし、ディフェンスされて受け身の姿勢に。攻めるプーンサワット。3Rに右ストレートでダウンを奪い、4Rには右アッパー。立ったメトウォリーだが、ファイティングポーズを見せず。それをレフェリーは「戦意喪失」と見なしてカウントアウト。プーンサワットがパワーで勝利。余程のスタミナ、パワー、スピードがない限り、ディフェンスもできるプーンサワットには勝てない。その後の二人。メトウォリーは地元を中心に試合。エジプト王座戦に勝利したり、アフリカ王座(バンタム級)を獲得したり。「エジプトの実力者」としてキャリアを全う。プーンサワットは意外なことに世界挑戦は無しでPABA王座を守り続けて引退。世界王座戦よりPABA王座戦が多かった実力者プーンサワット。タイの興行では「保持する王座が世界王座か地域王座なのか」は関係が無いのかもしれない。)

 

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