2025年8月14日木曜日

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界バンタム級暫定王者、世界スーパーバンタム級王者。PABA戦のジョナサン・バート戦ほかを紹介します。


プーンサワット・クラティンデーンジム(タイ)

身長164cm:オーソドックス(右構え)


プーンサワット・クラティンデーンジム 2R KO ジョナサン・バート

(PABAスーパーバンタム級王座決定戦、2006年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:フック連打でバートがダウン

(感想:プーンサワットがタイトル獲得。PABAバンタム級王座を17度も防衛したプーンサワット。その次の試合は待望の世界戦(と言っても「暫定」だが)。リカルド・コルドバ(パナマ)との決定戦に判定勝ちでWBA世界バンタム級暫定王座獲得。あのレオ・ガメスに判定で初防衛。しかし、正規王者ウラジミール・シドレンコとの団体内統一戦に判定負けで、初黒星&王座陥落(暫定王者が正規王者に敗れた場合は「暫定王者としての実績」は消滅するが、記録は残る)。バートと再起戦。バートはフィリピン・ダバオ出身のサウスポーで、これまで無敗。フィリピン・バンタム級王座を獲得・防衛して、この挑戦。バンコクでの一戦。バートは右パンチが武器。ガードを上げて右ジャブ、右フックを連打し、ワンツー。プーンサワットはファイターだが、無闇に突っ込む男ではない。慎重な構えから踏み込んでワンツーを打ち込む。2R、激しい接近戦。共にパワフルだが、屈したのはバート。右ボディからのフック連打でダウン。座ったまま10カウントを聞いた。プーンサワットが快勝。王座陥落の影響は感じられず(この選手は相当マジメなのだろう。12Rフルに攻め続けてもパンチのキレ・パワーが落ちないスタミナがある)。バートは強いパンチを打っていたが、プーンサワットの激しさに付いていけず。その後のバート。再起戦を日本で行い、敗北。フィリピンで連勝後、日本を主戦場に。概ね好調だったが、中国とメキシコでWBC関連の王座に挑戦して敗北。その後も日本で試合し、おなじみの顔となった。)


プーンサワット・クラティンデーンジム 4R KO ジャック・アシス

(PABAスーパーバンタム級タイトル戦、2007年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右アッパーでアシスがダウン

(感想:プーンサワットがタイトル防衛。シドレンコ戦後、連勝のプーンサワットが5度目の防衛戦。挑戦者アシスはフィリピン・ダバオ出身。ニックネームは「The Assassin」。IBF太平洋王座(フェザー級)、WBCアジア王座(スーパーバンタム級)は獲得ならず。フィリピン王座(フェザー級)を獲得、防衛。「フィリピン代表」としてPABA王者プーンサワットに挑戦。バンコクでの一戦。ガードを上げる二人。アシスは動きは速くないが、ジャブ、ワンツー、大きく振るう左フック。1Rに右を当てるなど巧さがある。2R、接近戦。力強い連打のプーンサワット。アシスは斜め下からの右フック。4R、それまでのような雰囲気の中、プーンサワットが右フックからの右アッパー。ダウンしたアシスは立ったがダメージ深く、レフェリーはカウントアウト。プーンサワットが強打で勝利。アシスはパンチを長く使う選手で器用さがあったが、動きのキレでプーンサワットには敵わなかった。その後のアシス。地元やタイでの地域王座戦で苦戦。オーストラリアを主戦場に移したが、ビリー・ディブにKOされるなど連敗。ところがオーストラリア王座(スーパーライト級)獲得。そのあたりから快進撃。連戦連勝でWBCの地域王座、IBO王座(いずれもスーパーフェザー級)獲得。IBO王座陥落後もリングに上がり続けた。)


プーンサワット・クラティンデーンジム 4R KO アリエル・オーストリア

(PABAスーパーバンタム級タイトル戦、2007年)

「驚異的なスタミナ」プーンサワット・クラティンデーンジム②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右ストレートでオーストリアがダウン

(感想:プーンサワットがタイトル防衛。6度目の防衛戦。挑戦者オーストリアはフィリピン人で、本名は「ロミエル・フローラン」(なぜオーストリア?)。勝ったり負けたり連敗したりの男。フィリピン・バンタム級王座獲得、WBFスーパーフライ級王座に挑戦してTKO負け、ホルヘ・リナレスに日本で判定負け。このところ二連続KO勝ちだが、どんな動きを見せるか? タイ・パユハキーリーでの一戦。打ち方が微妙なオーストリア。ジャブ、ストレート、フックを出すが、ディフェンスされる。プーンサワットは常に前進。4R、左フックが効いたオーストリア。左フックからの右ストレートでダウン。座ったまま10カウントを聞いた。パワーの差があった試合。オーストリアは思い切った打ち方は良かったが、プーンサワットと戦うには小粒な選手だった印象。その後、三連敗で引退。)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿