2025年8月15日金曜日

「地味な実力者」ポーリー・アヤラ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界バンタム級王者。リカルド・メディナ戦、サオヒン・シリタイコンドー戦、ウーゴ・ディアンソ戦を紹介します。


ポーリー・アヤラ(アメリカ)

身長166cm:サウスポー


ポーリー・アヤラ 10R 判定 リカルド・メディナ

(J・フェザー級戦、1997年)

「地味な実力者」ポーリー・アヤラ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:テキサス州フォートワース出身のアヤラ。これまで22連勝(9KO)。北米バンタム級王座を決定戦で獲得し、連続防衛(六度)。ターゲットは世界王座、ということで王座を返上(または剥奪)。メディナとノンタイトル戦。20勝(13KO)16敗4分のメディナはメキシコ・マサトラン出身。1988年のデビュー以来、勝ったり負けたり。オスカー・アルシニエガ(後、世界挑戦)に勝利、NABO王座戦(J・フェザー級)、メキシコ王座戦(バンタム級)で3-0の敗北、NABO王座、メキシコ王座(いずれもJ・バンタム級)獲得。直前の試合は日本で辰吉丈一郎に3-0の敗北。不安定なキャリアだが、しぶとさがある。ラスベガス「Thomas & Mack Center」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはトビー・ギブソン)。距離を取りながら右ジャブ連打、ワンツー、右フックのアヤラ。見た目が強そうなメディナ(坊主頭&ヒゲ)は接近してストレート、フック。斜め下からのアッパー気味左フックに迫力。接近戦。互いにディフェンスしながらの打ち合い。アヤラが左のテクニックで左ストレート、左ボディ打ち。メディナは攻めるが、ディフェンスされて当たりが浅め。アヤラが当てる巧さでリード。10R終了。判定は3-0。アヤラが離れても接近しても巧いところを見せて勝利。メディナはタフだったが洗練された攻めではなく、決め手に欠けた。その後のメディナ。グティ・エスパダス・ジュニアに2-1の敗北、WBC地域王座(バンタム級)、北米王座(J・フェザー級)獲得。相変わらず勝ったり負けたりだったが、2010年までリングに上がった。)


ポーリー・アヤラ 12R 判定 サオヒン・シリタイコンドー

(WBA世界バンタム級タイトル戦、1999年)

「地味な実力者」ポーリー・アヤラ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:アヤラがタイトル初防衛。メディナ戦後も連勝で辰吉丈一郎のWBC世界バンタム級王座に挑戦したアヤラだが、負傷判定負けで初黒星(1998年)。再起二連勝でジョニー・タピアのWBA世界バンタム級王座に挑戦。これに3-0で勝利して、世界王者に。初防衛戦の相手サオヒンはタイ・サコンナコーン出身。ローランド・パスクワに判定負けするなど勝ったり負けたりだったが、連勝。PABAバンタム級王者になり、連続防衛中。フォートワースでの一戦。慎重な構えからジャブ、右ストレート、フックを出すサオヒン。その戦いぶりはタイ人というより韓国人選手のよう。アヤラは前進してワンツーからの右フックなどで先手を取る。攻めるアヤラにサオヒンは打ち返し、時折パンチをヒット。しかし、ジャブが少ないためディフェンスされ、アヤラが当てる巧さで優勢。12R終了。判定は3-0(三人とも「117-111」)。アヤラが積極さで勝利。サオヒンはよく反撃していたが、ジャブが少なかったのが惜しい。その後、サオヒンはアヤラの負傷により設定されたWBA世界バンタム級暫定王座をエイディ・モヤと争ったが、3-0の敗北。PABAバンタム級王座防衛後、PABAフェザー級王座を獲得して連続防衛。世界王座は獲れなかったが、アジアの実力者として活躍。ただ、日本のリングとは相性が悪く、ホルヘ・リナレスに判定負けするなど勝ち星無しだった。)


ポーリー・アヤラ 12R 判定 ウーゴ・ディアンソ

(WBA世界バンタム級タイトル戦、2001年)

「地味な実力者」ポーリー・アヤラ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:ワンツーでアヤラがダウン

(感想:アヤラがタイトル防衛。29歳のアヤラが三度目の防衛戦。挑戦者ディアンソ(26歳)はメキシコシティ出身。デビュー当初はTKO負け、判定負けする不安定さがあったが、その後、連勝。クルス・カルバハル(マイケルの弟)に勝利、WBC米大陸王座、メキシコ王座(いずれもバンタム級)獲得、防衛。KO負けで米大陸王座陥落、北米王座(バンタム級)獲得・防衛。経験を積んで、初の世界挑戦。フォートワースでの一戦(アヤラと同じくフォートワース出身のドナルド・カリーが会場で観戦)。ディアンソは素直なボクシング。ジャブ、ストレート、フックを一発ずつ放ち、特に右ストレートを狙う。アヤラは前進し、左ストレート、フックで隙を狙ったり、コンビネーションをまとめたり。4Rにハプニング。ワンツーでアヤラがダウン。勢いで押される形のダウンだったがこれが意外に効いたらしく、アヤラの動きが鈍る。6R、レフェリーが両者にクリンチ、ホールドを警告。その後、右パンチを食うアヤラは攻めるが、連打が続かず。タフなディアンソは手数。12R終了。判定は小差の3-0。もう少しで負けるところだったアヤラ。元々それほどパワーがある方ではない。動きのキレに欠ける状況ではイマイチ。当てる巧さとディフェンスで何とか競り勝った。ディアンソはビクトル・ラバナレスばりのタフさで前に出たが、正直すぎるボクシングだった印象。その後のディアンソ。クルス・カルバハルに判定で雪辱されたが、WBC地域王座(バンタム級)獲得。ウィラポンのWBC世界バンタム級王座への挑戦は判定負け(2003年)。その後はスティーブ・モリターとのNABA王座戦(バンタム級)に敗れるなど苦戦。ブランク後の2007年、ファン・マヌエル・ロペスにTKO負けで引退。)


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