2025年8月20日水曜日

「スリムな黒人三冠王」デューク・マッケンジー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界フライ級、バンタム級、J・フェザー級王者。王座戦のチャーリー・マグリ戦、トニー・デルーカ戦を紹介します。


デューク・マッケンジー(イギリス)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


デューク・マッケンジー 5R TKO チャーリー・マグリ

(英国・欧州フライ級王座統一戦、1986年)

「スリムな黒人三冠王」デューク・マッケンジー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フック連打でマグリがダウン

(感想:マッケンジーがタイトル統一。ロンドン出身のスレンダーな黒人マッケンジーはボクサーファイター(兄もボクサーで、欧州王座を獲得したことがあるという)。スリムな身体から繰り出す左のテクニック(ジャブ、フック)が武器。これまで全勝。アメリカでも試合。決定戦で英国王者に。欧州王者マグリと統一戦。マグリはチュニジア・チュニス出身で、英国籍(同じ「英国籍」でもマッケンジーとはルーツが違う。英国は多人種の複雑な地域)。エレオンシオ・メルセデスをTKOしてWBC世界フライ級王者になったが、初防衛戦でフランク・セデニョにTKO負け。新WBC王者ソット・チタラダに挑戦したが、TKOで王座奪回ならず。保持する欧州王座を懸けて英国王者マッケンジーと対戦。ロンドン「ウェンブリー・アリーナ」での一戦。開始から積極的なマグリ。ジャブを使いながら右ストレート、左フック、ボディ打ちなどで攻めの姿勢。マッケンジーは距離を取ってディフェンスしながらジャブ連打、フックで応戦。フックの打ち方が良く、特に左フックを時折ヒットさせる。5R、その左フックがクリーンヒットしてマグリが後退。右フック連打でダウン。立ったが足に来ており、セコンドからタオルが投入された。マッケンジーが正確な左フックで勝利。ジャブは軽めだったが、フックにはパワーがあった。マグリはよくやった。これがラストファイトに。)


デューク・マッケンジー 4R TKO トニー・デルーカ

(IBF世界フライ級タイトル戦、1989年)

「スリムな黒人三冠王」デューク・マッケンジー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マッケンジーがタイトル初防衛。マグリ戦後も連勝のマッケンジー。元WBA世界フライ級王者ファン・エレラを判定で下した後、ローランド・ボホールをTKOして全勝のままIBF世界フライ級王者に(1988年)。ノンタイトル戦を一試合消化して初防衛戦。これまで22連勝(11KO)、25歳。14勝(5KO)1敗3分の挑戦者デルーカ(26歳)はニューハンプシャー州グリーンランド出身のサウスポー。中堅どころを相手にリング。小見山勝巳とカリフォルニア州サンディエゴで戦ったときは2Rで負傷ドロー。タイトル戦はこれが初めてのようだ。英国ケンジントン「ロイヤル・アルバート・ホール」での一戦。ダッキングしながら左ストレート、右フックのデルーカ。粗い攻め方で、攻撃の正確さに欠ける。マッケンジーは軽いジャブ連打。2R、デルーカの左フックがヒットしたが、当たりは浅め。4R、攻めるデルーカ。映像ではよく見えなかったが、右目付近を負傷(バッティングではないか? パンチで切れたのかもしれないが)。再開。左ストレート、フックで攻めるデルーカだが、再びドクターチェック。キズによりストップ。TKOでマッケンジー勝利。消化不良だった試合。マッケンジーは軽くジャブを出す程度。デルーカは前に出たが、雑な攻め。負傷がなかったら、どんな結果になっていただろう? デルーカが攻勢点で勝っていたかもしれない。その後のデルーカ。北米J・フライ級王者になったが、あのマイケル・カルバハルに判定負けで王座陥落。さらにホセ・キリノ、イサイアス・サムディオらに連敗して引退。)


その後のマッケンジー 

次の防衛戦で同じ英国のデーブ・マコーリーに判定負けで王座陥落。階級を上げてシェリー・ジャコブと空位の欧州バンタム級王座を争ったが、判定負け。ところが危険な強打者ガビー・カニザレスに判定勝ちでWBO世界バンタム級王者に(1991年)。二度の防衛に成功後、ラファエル・デル・バーレに何と1RでKOされて三度目の防衛ならず。ところが、またしても番狂わせ。ジェシー・ベナビデスに判定勝ちでWBO世界J・フェザー級王座獲得、三階級制覇。しかし、ダニエル・ヒメネスに判定負けで初防衛ならず。その後もリング。スティーブ・ロビンソン(英国)のWBO世界フェザー級王座への挑戦はKO負けで四階級制覇ならず。パンチは軽いが、しっかりした基本(特に左フック)。世界王者としてはマイナーで不安定だったが、実力者に勝てるだけのものを持っていた。 

 

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