世界バンタム、フェザー級王者。WBO王座戦&フェザー級転向。マーク・ジョンソン戦、イレーネ・パチェコ戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
ジョニー・ゴンザレス(メキシコ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①ジョニー・ゴンザレス 8R KO マーク・ジョンソン
(バンタム級戦、2006年)
(ダウンシーン)
4R:左フックでジョンソンがダウン
8R:左フックでジョンソンがダウン
(感想:ラタナチャイ・ソーウォラポン(タイ)をTKOしてWBO世界バンタム級王座を獲得したゴンザレス。ジョンソンと初防衛戦を行う予定だったが、ジョンソンがウェイトオーバーでノンタイトル戦に変更。これまで31勝(27KO)4敗、25歳。44勝(28KO)4敗1NCのジョンソン(34歳)はワシントンD.C.出身の黒人サウスポーで、ニックネームは「Too Sharp(あまりにも鋭い)」。切れるパンチでフライ級、スーパーフライ級で世界二階級制覇。フェルナンド・モンティエルからWBO世界スーパーフライ級王座を奪ったが、KO負けで王座陥落。その再起戦でゴンザレスに挑戦して三階級制覇を目指すはずだったが、計量失敗。「勝っても王座は無し」の条件でリングへ。ラスベガスでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはケニー・ベイレス。会場ではバーナード・ホプキンス、オスカー・デラ・ホーヤが隣同士で観戦)。スキンヘッド&アゴヒゲのジョンソン(マービン・ハグラーに似ている)。ディフェンスしながら右ジャブ、左ストレート。さすがにフライ級時代のような鋭さはないが、テクニックは健在。動きも悪くない。ゴンザレスは強打者ではあるが、慎重にディフェンスしながら長いジャブ、得意の左ロングフック、右ストレート。4R、左フック三連打でジョンソンがダウン。その後もディフェンスしながら両者、中間距離での打ち合い。ジョンソンがゴンザレスの隙を突くシーンもあるが、全体的にはゴンザレスがゴツいコンビネーション(ワンツーからの左フック、右アッパーからの左フック、ほか)で優勢。8R、左ボディからの左フックでジョンソンがダウン。ヒザをキャンバスに着いたまま10カウントを聞いた。ゴンザレスがパワーで勝利。ジョンソンはテクニックはあったが、ゴンザレスを仕留めるほどのパワーは無し。ただ、全盛期の鋭さがあれば違う結果になっていたかもしれない。これが最後の試合に。)
②ジョニー・ゴンザレス 9R TKO イレーネ・パチェコ
(WBO世界バンタム級タイトル戦、2007年)
(ダウンシーン)
9R:連打でパチェコがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル防衛。ジョンソン戦の次の試合でフェルナンド・モンティエルに判定勝ちして初防衛成功のゴンザレス(フェルナンドの兄アレハンドロにTKO勝ちしているゴンザレス。モンティエル兄弟は揃って討ち死、といった結果に)。しかし、イスラエル・バスケスのWBC世界S・バンタム級王座への挑戦はTKO負け。再起戦はパチェコとの二度目の防衛戦。挑戦者パチェコはコロンビアのサン・ファン・デ・ウラバ出身の黒人サウスポー。これまで32勝(23KO)1敗で戦績はとても良いが、年齢は35。デビューから連勝。決定戦でIBF世界フライ級王座獲得。アレハンドロ・モンティエルらを相手に連続防衛。ビック・ダルチニアンにTKO負けで王座陥落(2004年)。ブランク後、カムバック。IBF王座挑戦者決定戦、WBOインターコンティネンタル王座戦(いずれもバンタム級)に勝利して、この挑戦。アリゾナ州ツーソンでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。粗い動きのパチェコ。スピードはそこそこで、長いパンチを大きく振るう攻め方。攻めるときのバランスに問題アリ。ゴンザレスは相手がサウスポーでも変わらない。長いジャブ、右ストレート、大きく振るう必殺の左フック。1Rから両者、ロングパンチで打ち合い。時折左フックを当てるゴンサレス。7Rには左フックをキッカケに猛烈な連打。8Rにも激しい連打。9R、ロープ際での連打でパチェコがロープ外に落ちるダウン。セコンドがリングインして試合終了。ゴンザレスが圧巻の連打で勝利。パチェコはディフェンスに隙があった。これが最後の試合に。)
③ジョニー・ゴンザレス 4R KO レイナルド・ロペス
(フェザー級戦、2008年)
(ダウンシーン)
3R:連打でロペスがダウン
4R:左フックでロペスがダウン
(感想:パチェコ戦の次の試合でジェリー・ペニャロサにKOされてWBO世界バンタム級王座を失ったゴンサレス。再起し、連勝。これまで39勝(33KO)6敗。ロペスはコロンビア・カルタヘナ出身の黒人サウスポー。29勝(21KO)6敗2分、35歳。コロンビア・スーパーフライ級王座獲得、ディミトリー・キリロフとのIBF王座挑戦者決定戦に2-0の敗北、クリスチャン・ミハレスとのWBC世界スーパーフライ級暫定王座戦に3-0の敗北、ダニエル・ポンセ・デ・レオンにKO負け。このところ二連続TKO勝ちだが、トップには立てない状況。カリフォルニア州カバゾンでの一戦。速く、力強いパンチを打つロペス。右フックからの左ストレートに良さ。しかし、3Rにゴンザレスが一気に連打してダウン。4R、攻めようとするロペスだが、ゴンザレスはディフェンス。右フックからの左フックでロペスがダウン、10カウント。ゴンザレスが嵐のような(決して大袈裟な表現ではない)連打で圧勝。ロペスは良いパンチの持ち主でバランスも良かったが、豪打に飲み込まれた。その後のロペス。ニューヨーク州スーパーバンタム級王座を獲得できたが、その次の試合に敗れて引退。(2010年)。2013年、39歳で死去。死因は不明。)
その後のゴンザレス
ロペス戦の次の試合は日本のボクシングファンにとって伝説の試合。西岡利晃のWBC世界S・バンタム級王座に挑戦したゴンザレスだが、3RでTKO負け。再起。アントニオ・デービスを2Rで始末して「WBC世界フェザー級王座挑戦権」獲得。ジャン・ハビエル・ソテロも2Rで始末してWBCラテンアメリカ・フェザー級王座獲得。アリスティデス・ペレスと初防衛戦。
④ジョニー・ゴンザレス 2R TKO アリスティデス・ペレス
(WBCラテンアメリカ・フェザー級タイトル戦、2010年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでペレスがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル初防衛。挑戦者ペレスはコロンビア・カルタヘナ出身の黒人。2006年のデビューから連勝でコロンビア・フェザー級王座獲得。ウンベルト・ソトのWBC世界スーパーフェザー級王座に挑戦して2RでTKO負け、初黒星。WBCシルバー王座(スーパーフェザー級)決定戦に出場して5RでTKO負け。その再起戦でゴンサレスに挑戦。メキシコ・カンペチェでの一戦(ゴンサレスのセコンドにナチョ・ベリスタイン)。ジャブを連打して右フックでボディを狙うペレス。左フックからの右ストレートも使う。ゴンザレスはガードを上げてリカルド・ロペス(またはファン・マヌエル・マルケス)ばりに上体を動かすディフェンス。そして豪快なフック(斜め下から突き上げるように打つ場合も)、左ボディ打ち。単に強打を振るうだけではなく、左フックからの左アッパーなど器用さもある。2R、ゴンザレスが右フックからの左フック。ペレスは焦ったか、ラフ行為で減点。そして右フックでペレスがダウン。立ったが、連打を浴びてレフェリーストップ。ゴンザレスが豪快な勝利。大振りのフックを正確にヒットさせるところはダニエル・サラゴサのような雰囲気も(サラゴサはベリスタインの指導を受けたメキシカン)。ペレスは悪い選手ではないが、 ゴンサレスの豪快さに及ばず。その後、ペレスは多くの試合。しかし、IBFのインター王座戦(ライト級)、WBCの地域王座戦(スーパーフェザー級)に敗れるなど勝ったり負けたり、連敗したり。2024年までリングに上がった。)
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