世界バンタム、フェザー級王者。世界王者になる前のアレハンドロ・モンティエル戦、ガブリエル・エリゾンド戦ほかを紹介します。
ジョニー・ゴンザレス(メキシコ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①ジョニー・ゴンザレス 6R TKO アレハンドロ・モンティエル
(NABOバンタム級王座決定戦、2004年)
(ダウンシーン)
4R:左フック、左ボディで2度、モンティエルがダウン
5R:左ボディでモンティエルがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル獲得。メキシコのゴンザレス。ゴツい強打の持ち主で、ニックネームは「Bombardero(爆撃機)」(日本では怪獣の名前みたいに「ジョニゴン」などと呼ばれることがあるが、個人的には短縮形は「軽い」感じがするため良いとは思えない)。アマチュアで好戦績。しかし、プロデビュー戦、二戦目に判定負け。そこから連勝し、北米バンタム級王座を獲得したが、二連敗、王座陥落。そこからまた連勝し、WBC米大陸王座などを獲得。これまで22勝(20KO)4敗。49勝(28KO)6敗のモンティエルはメキシコのロス・モチス出身(弟フェルナンドは世界王座獲得の強豪)。1989年デビューのベテラン。キャリア末期のヘルマン・トーレスにKO勝ち、メキシコ王座(J・フライ、フライ級)、WBC米大陸王座(フライ級)獲得。メキシコ・フライ級王座戦でTKO負け、初黒星。ノンタイトル戦でもTKO負け。米大陸王座を連続防衛後、マーク・ジョンソンのIBF世界フライ級王座に挑戦したが、3-0で敗北。その後もイサイアス・サムディオらを相手に米大陸王座を連続防衛。IBAフライ級王者に。しかし、イレーネ・パチェコに3-0で敗れて再びIBF世界フライ級王座獲得ならず。その再起戦でビック・ダルチニアンに3-0で敗北。その次の試合に勝利してゴンサレス戦。その実力にふさわしくないポジションに甘んじてきたキャリア。階級を上げてどんな試合を見せるか? カリフォルニア州サンディエゴ「スポーツ・アリーナ」での一戦(モンティエルのセコンドに父シニアら。「一家総出」といった感じでアレハンドロをサポート)。身長165cmのモンティエル。169cmのゴンザレスとそれほど差はないが、体格差。ガードを上げてワンツー。ゴンザレスもまたガードを上げて意表を突くタイミングで左フック(主武器)。1Rから左フックでモンティエルをたじろがせる。その後、圧力を感じているのか、モンティエルは慎重かつ受け身。伸びる右ストレート、力強い左フックに良さがあるが、ややテクニック指向な試合ぶり。ゴンザレスは豪快。リズミカルな動きから右ストレートからの左フック、斜め下からの右フック。ブロックもしっかり。4R、ローブローでゴンザレスが減点。再開後、左フックでモンティエルがダウン。立ったが、今度は左ボディで二度目。5R、ゴンザレスが左フックからの右ストレートなど連打で猛攻撃。フックで反撃するモンティエルだがジャブを食い、左ボディでダウン。6R、劣勢にもかかわらず勇敢に攻めるモンティエル。しかし、左ボディを打たれたところでレフェリーストップ。ゴンザレスが重いパンチ&ブロックで勝利。モンティエルは頑張ったが、体格的に不利だった。これが事実上の最後の試合に。後、リングに復帰したが、TKO負けするなど意味のない(と思われる)カムバックだった。)
②ジョニー・ゴンザレス 2R TKO ガブリエル・エリゾンド
(NABO&WBC米大陸バンタム級タイトル戦、2004年)
(ダウンシーン)
1R:右フックカウンターでゴンザレスがダウン
2R:左アッパー、右フック、左フックで3度、エリゾンドがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル防衛。モンティエル戦の次の試合で元世界王者フランシスコ・テヘドールを1RでTKOしたゴンザレス(ノンタイトル戦)。そして、保持する二つの王座の防衛戦。挑戦者エリゾンドはテキサス州サン・アントニオ出身。アマチュアで経験を積み、プロ入り後は連勝。元世界王者マニー・メルチョルにTKO勝ち、判定でテキサス州王座(スーパーフライ級)獲得、といった実績。勢いがある状況。テキサス州コーパスクリスティでの一戦。忙しくヘッドスリップしながら前進するエリゾンド。ジャブ連打、フックなどで勢い良く攻撃。ただ、左フックの打ち方がやや微妙。ゴンザレスはいつものように相手から距離を取って右ストレート、左フックで応戦。接近戦での右フックカウンターでゴンザレスがダウン。2R、フックで攻めるエリゾンド、左のテクニックで体勢を整えるゴンザレス。左アッパーでエリゾンドがダウン。立ったエリゾンドにゴンザレスが猛ラッシュ。右フック、左フックで二度のダウンを追加。最後は右ストレートをヒットさせたところでレフェリーストップ。ゴンザレスが逆転勝利。「ゴツン」といった感じのパンチを次々にヒットさせた。エリゾンドは勢いがあったが、大きくパンチを振るため隙があったようだ。その後のエリゾンド。NABA王座(スーパーフライ級)を獲得したが、2-1の敗北で初防衛ならず。北米スーパーフライ級王座への挑戦はTKO負け。世界挑戦はできなかった。)
③ジョニー・ゴンザレス 3R KO ウィリアム・ゴンザレス
(NABOバンタム級タイトル戦、2005年)
(ダウンシーン)
1R:左フックカウンターでウィリアムがダウン
2R:左フックでジョニーがダウン
3R:右ストレートでウィリアムがダウン、右フックでジョニーがダウン、右ストレートでウィリアムがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル防衛。エリゾンド戦後、連勝のジョニー。挑戦者ウィリアム・ゴンザレスはニカラグア・マナグア出身のサウスポー。後の世界王者リカルド・コルドバにパナマでTKO負けしたが、敗北はそれのみ。直前の試合でWBCの地域王座(スーパーフライ級)を獲得している。アリゾナ州ツーソンでの「ゴンザレス」同士の一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。共に24歳。シャープな右ジャブ、左ストレートのウィリアム。ただ、左フックは大振り。ジョニーは右フックが大振りだが、左フックをカウンターで入れて早くもウィリアムをダウンさせる。2Rにハプニング。ウィリアムの大振りパンチがヒットしてジョニーがダウン。これは大したダウンではなかったが、倒れたジョニーをウィリアムが攻撃して減点。3R、左フックからの右ストレートでウィリアムがダウン。しかし、またしてもウィリアムの大振りパンチでジョニーがダウン。これも大したパンチではなく、最後はジョニーお得意の「左フックからの右ストレート」でウィリアムがダウンし、カウントアウト。ダウン応酬の試合となったが、ダメージの大きいダウンはウィリアムの方。ウィリアムのパンチは速さはあったが、「ゴツさ」は断然ジョニーだった。その後、ウィリアムは地域王座を獲得したり、日本で連勝したり。しかし、IBF世界バンタム級王座への挑戦は2-0の敗北に終わった。)
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