世界バンタム、フェザー級王者。WBC王座戦&再起戦。エリオ・ロハス戦、エウセビオ・オセホ戦、片桐秋彦戦を紹介します。
ジョニー・ゴンザレス(メキシコ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①ジョニー・ゴンザレス 12R 判定 エリオ・ロハス
(WBC世界フェザー級王座統一戦、2012年)
(ダウンシーン)
10R:左ボディでロハスがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル防衛。フェザー級に転向して好調のゴンサレス。WBCの地域王座、IBO王座(いずれもフェザー級)を獲得後、日本で長谷川穂積をTKOしてWBC世界フェザー級王座奪取(2011年)。王座を三連続防衛。これまで51勝(45KO)7敗。23勝(14KO)1敗のロハスはドミニカのサン・フランシスコ・デ・マコリス出身。アマチュアで優秀な成績。プロでは連勝だったが、WBC世界フェザー級王座挑戦者決定戦で判定負け、初黒星。改めて同王座挑戦者決定戦に出場して判定勝ち。日本でWBC世界フェザー級王者粟生隆寛を3-0で下して王者に。グティ・エスパダス・ジュニアに判定勝ちで初防衛成功。しかし、肩を痛めて「休養王者」に。再起戦にTKO勝ちして正規王者ゴンザレスと団体内の統一戦。メキシコ・カンクンでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。似たタイプの二人。ガードを上げてジャブ、長いストレート、フック。ロハスは素直なボクシングでワンツーを思い切りよく打つが、攻めが単発で受け身。ゴンザレスは大きなパンチ、斜め下からのフックなどで意表を突く攻撃。コンビネーションで手数を出し、パワーで優勢。10R、左ボディ打ちがカウンターで入り、ロハスが間を置いてダウン。その後もパワーでゴンザレス。ロハスは攻められてクリンチに逃げるシーンも。12R終了。判定は中差の3-0。共にワンツーに力強さが見られた試合。ゴンザレスがコンビネーションで攻める分、見栄えが良かった印象。敗れたロハスはこれが事実上のラストファイト。後、カムバックしたが、一勝一敗だった。)
②ジョニー・ゴンザレス 12R 判定 エウセビオ・オセホ
(WBCアメリカ・シルバー王座フェザー級決定戦、2013年)
(ダウンシーン)
4R:左ストレートでゴンサレスがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル獲得。ロハスを下して王座を統一したゴンサレスだが、その次の試合でダニエル・ポンセ・デ・レオンに負傷判定負けで王座陥落(フェザー級は競争が厳しい。ゴンサレスのような恐るべき強打者を負かす者がいる)。再起戦は「WBCアメリカ・シルバー王座」なるタイトルの決定戦。これまで27勝(10KO)10敗のオセホ(27歳)はニカラグア・チナンデガ出身。クリスチャン・ミハレスに敗れるなど勝ったり連敗したりで戦績は良くないが、ニカラグア王座、WBCの地域王座(いずれもスーパーバンタム級)、WBCユーズ王座(フェザー級)を獲得するなど多くの試合を経験してきた。メキシコのイスタパ・シワタネホでの一戦。なかなか動きが良いオセホ。サウスポースタイルから速いワンツー。しかし、2R開始に手間取る(耳のピアスをセコンドが手で外そうとして悪戦苦闘。最後はハサミを使用)。そして右フックからの左ストレート。ディフェンスもしっかり。ゴンザレスは少し残念。いつものように長いストレート、フックを振るうが、ガードされて不発気味。4R、見事な左ストレートでゴンサレスがダウン。立ったが、マウスピースを故意に落として減点。その後も当てる巧さを見せるオセホ。ゴンザレスは距離を取りながら応戦。12R終了。両手を上げて自身の勝利をアピールするオセホだが、判定は中差の3-0でゴンサレス。ゴンサレスが辛勝。映像では劣勢に見えたが、パワーが評価されたか。映像ではパンチ力がわからないため判定については何とも言えないが、ダウンを奪ったオセホは悔しかったろう。その後のオセホ。地元で試合したり、ヨーロッパに遠征したり。負けが込むようになっていったが、毎月リングに上がるなど精力的に多くの試合を行った。)
③ジョニー・ゴンザレス 4R TKO 片桐秋彦
(フェザー級戦、2013年)
(ダウンシーン)
4R:左フック、左アッパーで2度、片桐がダウン
(感想:オセホ戦の次の試合は日本選手とのノンタイトル戦。片桐はゴンサレスと比べると大きく見劣りするキャリア。王座戦の経験はまだ無い。メキシコシティでの一戦。似た体格、動きの二人。ダッキングしながらジャブ。ゴンザレスが多彩な攻め。フックを斜め下から突き刺すように打ち込んだり、右フックを野球のオーバースローのようにねじ込んだり。左ボディからの右ストレートといったコンビネーションも。ただ、相手に手加減をしているのか、全体的に軽い打ち方をしているように見える。片桐はジャブをよく出すが、右パンチをディフェンスされてしまう。4R、強烈な左フックで片桐がダウン。立ったが、右ストレートからの左アッパーで二度目のダウン、レフェリーストップ。全体的にパワーの差があった試合。片桐には厳しい相手だった。その後の二人。片桐は中堅選手としてキャリアを終えた。ゴンザレスはWBC世界フェザー級王座にKOで返り咲き。その王座を失った後もWBC関連の王座を獲得、防衛するなど多くの試合。2022年まで戦った。)
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