世界4階級制覇王者。ミニマム級時代のミゲル・テレス戦(再戦)、フランシスコ・ロサス戦(初戦)、高山勝成戦を紹介します。
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
身長160cm:オーソドックス(右構え)
①ローマン・ゴンサレス 3R KO ミゲル・テレス
(フライ級戦、2008年)
(感想:新井田豊を左のテクニックで翻弄してWBA世界ミニマム級王座を獲得したゴンサレス。その次の試合はノンタイトル戦。テレスはニカラグア・レオン出身。ニカラグア王座(ミニマム級)を獲得しているが、WBAの地域王座戦(ミニマム級)は敗北。イヴァン・カルデロンのWBO世界ミニマム級王座への挑戦はTKO負け。ゴンサレスとのニカラグア王座戦(ライトフライ級)でKO負け。それから連敗で、世界王者ゴンサレスと再戦。マナグアでの一戦。開始から接近戦。いつものようにゴンサレスがジャブで前進し、左フック、右ボディ打ち、ワンツー。テレスは距離を取って戦いたいところだが、攻められて応戦する形。思い切りの良い右ストレート、フックは悪くない。隙を突く巧さでゴンサレス。2Rに右ストレートをヒットさせる。3R開始のゴングに応じないテレス。レフェリーがカウントを取り、KO。ゴンサレスが流れるような攻撃で勝利。テレスは一発にパワーを込める打ち方で、ゴンサレスの流暢な動きに対応できなかった。その後のテレス。勝ったり負けたり後、ファン・カルロス・レベコに判定負け。以後、ガニガン・ロペスにKO負けするなど全敗でキャリア終了。)
②ローマン・ゴンサレス 12R 判定 フランシスコ・ロサス
(WBA世界ミニマム級タイトル戦、2009年)
(感想:ゴンサレスがタイトル初防衛。挑戦者ロサスはメキシコ・ネサワルコヨトル出身。身長は153cmで、小柄。メキシコ王座(ミニマム級)獲得に失敗したが、WBCの地域王座(ライトフライ級)獲得・防衛。来日して一勝一敗。WBCの地域王座(フライ級)獲得。WBA世界フライ級王座挑戦者決定戦はドロー。その次の試合でゴンサレスに挑戦。メキシコ・オアハカでの一戦。似たような体格、動きの二人。機敏な動きでディフェンスしながらジャブ、ストレート、フック、ボディ打ち。器用さもある。この試合のゴンサレスはパンチが軽め。左フックからの右ストレートといったコンビネーションで手数。ロサスは「連打」といった感じで手数。一進一退。ロサスは次第に疲れ。ゴンサレスは豊富なスタミナで手数を出し、12R終了。判定は2-0。パンチの正確さはあったが、パワーがあまり感じられなかったゴンサレス。試合前に体調を崩したらしい。ロサスは疲れるボクシング。最後はスタミナ切れで、攻撃が単発になったうえにディフェンスされた。3-0でも良かったのではないか? その後、両者は「WBA世界L・フライ級暫定王座決定戦」で再戦。2RでのKOでゴンサレス圧勝。ロサスはミラン・メリンドにも敗れ、世界王座を獲ることなくキャリアを終えた。)
③ローマン・ゴンサレス 12R 判定 高山勝成
(WBA世界ミニマム級タイトル戦、2009年)
(感想:ゴンサレスがタイトル防衛。これまで23連勝(20KO)のゴンサレス(22歳)が二度目の防衛戦。23勝(6KO)3敗でWBA2位の挑戦者の高山(27歳)は大阪市出身で、元WBC王者。WBA世界ミニマム級暫定王座を決定戦で獲得したが、新井田豊との統一戦に敗北。再起五連勝で、かつて取り損ねたWBA正規王座に挑戦。神戸での一戦(TV解説は飯田覚士)。先制攻撃の高山。リズムに乗って左ジャブ連打、右ストレート、左右フック。連打後、距離を取る(いつものパターン)。ゴンサレスは冷静。ディフェンスしてパワーを乗せた右ストレート、左フック、ボディ打ち。手数で勝負の高山は左フックに強さ。ゴンサレスは強打でコンビネーション。6R、バッティングで高山が左目を負傷(これも高山にはよくあるパターン)。8Rにドクターチェック。その後もショートパンチの高山、パワーのゴンサレス。11R、右ストレートで高山がダウンしたが、「スリップ」の裁定。12Rにもゴンサレスの強烈な右ストレート。12R終了。判定は3-0(三者とも「118-110」)。ゴンサレスが当てる巧さで勝利。高山はよく頑張って相手に的を絞らせないように動いたが、ゴンサレスのパンチは長く、正確だった。その後の高山。敗北を経験しながらIBF、次いでWBO王座も獲得し、「ミニマム級の顔」となった。)
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