世界4階級制覇王者。世界王者になる前のホセ・ルイス・バレラ戦、エリベルト・ゲホン戦ほかを紹介します。
ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
身長160cm:オーソドックス(右構え)
①ローマン・ゴンサレス 1R KO ホセ・ルイス・バレラ
(WBAラテンアメリカ・ミニマム級王座決定戦、2007年)
(ダウンシーン)
1R:連打、右ストレートで2度、バレラがダウン
(感想:ゴンサレスがタイトル獲得。「ニカラグアのボクサー」と言えば長らく三冠王アレクシス・アルゲリョだったが、新しいニカラグアのスターが登場。ゴンサレスはアルゲリョと同郷で、マナグア出身。ニックネームは「Chocolatito」(スペイン語で「小さいチョコレート」の意)。10歳でボクシングを始める。アルゲリョから指導を受けたこともあるとか。アマチュアでは全勝(大会で優勝経験も)。ニカラグアでプロデビュー(18歳)。ニカラグア王座&WBA地域王座(ライトフライ級)を決定戦で獲得するなどこれまで全勝。バレラはベネズエラのエル・ビギア出身。2000年シドニー・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではデビューから連勝後、WBA地域王座(ミニマム級)戦で負傷判定負け、初黒星。連勝後、イヴァン・カルデロンのWBO世界ミニマム級王座に挑戦して判定負け。再起戦に勝利してゴンサレスと勝負。マナグアでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。小柄なバレラ。足で距離を取ってジャブを打つが、右ストレートを食って早くもピンチ。ゴンサレスは豪快かつ正確。斜め下からの迫力の左フックをダブル、トリプルで打ち込み、右ストレート、ボディ打ち。連打でバレラがダウン。立ち上がって打ち合いに応じるが、右ストレートで二度目のダウン。セコンドからタオル投入で試合終了。ゴンサレスが軽量級離れした攻めっぷりで勝利。パワーと左のテクニックがあった。バレラは「実験台」といった感じで強打のえじきになっただけだった。その後のバレラ。新井田豊のWBA世界ミニマム級王座に挑戦するチャンスを得たが、KO負け。以後、ラウル・ガルシアとのIBF世界ミニマム級王座戦で二連敗するなど全敗。負けても世界戦のチャンスがもらえるミニマム級は選手層が薄い。)
②ローマン・ゴンサレス 1R KO エリベルト・ゲホン
(ライトフライ級戦、2007年)
(ダウンシーン)
1R:左ボディでゲホンがダウン
(感想:デビューから14連続KO勝ちのゴンサレス(WBA世界ミニマム級1位)が初来日。ゲホン(同4位)はフィリピンのマンダウー・シティ出身。ニックネームは「ナイスガイ」(良い性格なのだろう)。これまで23勝(14KO)2敗1分。デビューから無敗でフィリピン王座、WBAの地域王座(いずれもミニマム級)を獲得したが、新井田豊のWBA世界ミニマム級王座への二度の挑戦で二敗。新井田との再戦に敗れた再起戦でゴンサレスと勝負。後楽園ホールでの一戦。左のガードを下げた構えからジャブを出すゲホン。ゴンサレスはガードを固めて前進し、左フック連打、ボディ打ち。ロープ際での左ボディでゲホンがダウン、10カウント。ゴンサレスが圧勝。コブシの頑丈さを感じる打ち方で、パンチにはキレ。左を連続して打ち込むバランスの良さ。1Rで終わったが、ゴンサレスの特徴がよく出ていた。ゲホンはスリムな身体。強打を細いボディにマトモに食ってしまった。その後のゲホン。次の試合を大阪で行い、判定負けで三連敗。再起二勝後、ソニー・ボーイ・ハロに1RでKOされて引退。ハロは後、ポンサクレックをKOしてWBC世界フライ級王者に。)
③ローマン・ゴンサレス 10R 判定 ハビエル・ムリーリョ
(ライトフライ級戦、2008年)
(ダウンシーン)
3R:左フックで2度、ムリーリョがダウン
4R:右フックでムリーリョがダウン
6R:左フックでムリーリョがダウン
7R:左フックでムリーリョがダウン
9R:左フック、右ストレートで2度、ムリーリョがダウン
(感想:ゲホン戦後、再来日したゴンサレスだが、横浜で松本博志に判定勝ち。連続KO記録が途絶えてしまった。その次の相手ムリーリョは中堅メキシカン(サポパン出身)。ガニガン・ロペスとの再戦にTKO負けするなどこのところ四連続KO負け。マナグアでの一戦。右ストレート、振りが大きめのフックを使うムリーリョ。残念ながらパワーが無い。ゴンサレスは好調。前進し、パワフルなボディ打ち、ワンツー。主に左フックで何度もダウンするムリーリョ。しかし、強打で追われてもディフェンス&手数でしぶとく抵抗。10R、KOを狙って激しく攻めるゴンサレスだが、倒せず。判定は3-0(採点結果がわからないのが残念だが、記録的な大差だったろう)。これで二連続判定勝ちとなったゴンサレス。しかし、パンチと動きは良かった。ムリーリョはタフさと意外な防衛力があったが、パワーが乗らない打ち方だったのが惜しい。次の試合を大阪で行い、高山勝成に判定負け。さらに二連敗で引退。)
④ローマン・ゴンサレス 3R KO ファン・フランシスコ・センテノ
(ライトフライ級戦、2008年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでセンテノがダウン
3R:左ボディでセンテノがダウン
(感想:WBAの地域王座(ミニマム級)を返上したゴンサレス。センテノはニカラグア・マタガルパ出身。コチラも決定戦でニカラグア王座(ライトフライ級)を獲得しており、国内王者としてはゴンサレスの先輩にあたる。しかし、WBC米大陸王座、WBCラティノ王座(いずれもフライ級)、WBC世界ライトフライ級王座(王者ホルヘ・アルセ)に挑戦して全敗。ファン・カルロス・レベコにKO負け。ゴンサレスとは再戦で、初戦は7RでのTKOでゴンサレス勝利。マナグアでの一戦。ジャブで前進するゴンサレス。多彩な左パンチでコンビネーション(左フックダブルからの右ストレート、ほか)。センテノは相手から距離を取りたいタイプらしく、ストレート、フックで応戦。正確なパンチ&ディフェンスでゴンサレス優勢。2R、左フックからの右ストレートでセンテノがダウン。3R、接近戦。手数を出すセンテノだが、左ボディでダウン。カウントアウト。ゴンサレスが快勝。センテノの隙を巧く突いた。その後、センテノは再起二連勝後、TKO負けで引退。)
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