2025年8月21日木曜日

「軽量級の帝王」ノニト・ドネア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界5階級制覇王者。強打&テクニック。フライ級・スーパーフライ級時代のラウル・マルティネス戦ほかを紹介します。


ノニト・ドネア(フィリピン)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


ノニト・ドネア 8R TKO ラウル・マルティネス

(IBF世界フライ級タイトル戦、2009年)

「軽量級の帝王」ノニト・ドネア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フック、右ストレートで2度、マルティネスがダウン

2R:左フックでマルティネスがダウン

4R:左フックでマルティネスがダウン

(感想:ドネアがタイトル防衛。2007年12月にルイス・マルドナドをTKOして初防衛に成功したドネアだが、プライベートな出来事やマネージに関する問題から2008年はモルティ・ムザラネとの二度目の防衛戦の一試合のみ。三度目の防衛戦(IBO王者でもある)は今年初めての試合(4月)。これまで20勝(13KO)1敗、年齢は26。挑戦者マルティネス(27歳)はテキサス州サン・アントニオ出身で、ニックネームは「コブラ」。アマチュアの全米フライ級王者からプロへ。これまで24戦全勝(14KO)。IBAスーパーフライ級王座などを獲得してきた。フィリピンのケソン・シティでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア。会場ではドネアをプロモートする「トップランク」のボブ・アラムが観戦)。1R、ディフェンスしながらジャブを出すドネア。マルティネスは慎重な男で、ジャブ、左フックを単発で使用。ドネアが右をフェイントで使い、左フック。マルティネスが早くもダウン。立ったが、今度は左フックからの右ストレートで二度目のダウン。2R、サウスポーにスイッチして左フックを連打するドネア。左フックでマルティネスがダウン。その後、ブロックしながら右ストレート、右フックで何とか抵抗するマルティネス。ドネアはワンツーを連発したり、豪打でコンビネーションしたり。4R、右ストレートからの左フックでマルティネスがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。ドネアが反則で勝利。フライ級とは思えない異常なパンチ力でパワーの差のある相手を打ちのめすのは最早「反則」と言ってもいいだろう。マルティネスは何度も倒されたが、結構タフだった。その後、マルティネスはIBF世界スーパーフライ級王座に挑戦したが、敗北。メジャー団体の世界王座は獲れなかった。)


ノニト・ドネア 8R TKO エルナン・マルケス

(WBA世界スーパーフライ級暫定タイトル戦、2010年)

「軽量級の帝王」ノニト・ドネア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:フック連打でマルケスがダウン

8R:左フックでマルケスがダウン

(感想:ドネアがタイトル初防衛。ラウル・マルティネスに圧勝したドネア。IBF世界フライ級王座を返上。その次の試合はラファエル・コンセプシオン(パナマ)とのWBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦。これに3-0で勝利。マルケスと暫定王座の初防衛戦。WBA9位の挑戦者マルケス(21歳)はメキシコ・ソノラ出身のサウスポー。ニックネームは「タイソン」(凄いパンチ力なのだろう)。これまで25勝(18KO)1敗。デビューから連勝でWBCアメリカ王座(フライ級)獲得。リッチー・メプラナム(フィリピン)に3-0で初黒星。その再起戦でドネアに挑戦。プエルトリコ・サンフアンでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはロベルト・ラミレス。会場ではドネアの妻レイチェルさん(カワイイ系の人)が観戦)。相手がサウスポーということでサウスポースタイルでスタートのドネア。互いに右ジャブ。マルケス(まだ少年のような顔立ち。トランクスには「TYSON」の文字)は右フックからの左ストレートが武器(あまりタイソンという感じがしない。マイク・タイソンではなく、別の「タイソン」か?)。この試合のドネアはテクニシャンタイプの戦いぶり。右ジャブ、左ストレートを細かく当てようとし、相手の攻撃をかわす。ただ、時折、左ストレートを食う。5R、ドネアがフック連打。マルケスは「倒れまい」とクリンチするが、ダウン。再開後もしがみつくようなクリンチ(みっともないが、それだけ効いていたのだろう)。7Rからオーソドックスになったドネアだが、慎重な試合ぶり(サウスポーはあまり得意ではないのかも)。8R、ガードの隙を突く斜め下からの左フックでマルケスがダウン。立ったが、セコンドが棄権を申し入れて試合終了。ドネアがいつもより慎重な試合ぶりで勝利。器用さがあった。マルケスはディフェンスされて通用せず。パワーに大きな差があった。その後のマルケス。ルイス・コンセプシオン(パナマ)をTKOしてWBA世界フライ級王者に。防衛にも成功。その後もブライアン・ビロリア、ファン・フランシスコ・エストラーダといった軽量級の実力者と対戦した。)


その後のドネア

軽量級を代表する選手と数多くの激闘。 フェルナンド・モンティエルを2Rで仕留めてWBC・WBO世界バンタム級王座獲得。オマール・ナルバエス、ウィルフレド・バスケス・ジュニアに判定勝ち、西岡利晃を9RでTKO、ホルヘ・アルセを3RでKO。ギレルモ・リゴンドウに判定負け。世界戦を多く戦い、井上尚弥との二試合。井上との再戦でKO負けして引退かと思われたが、カムバック。WBA世界バンタム級暫定王者になり、まだまだ戦うようだ(2025年、現在)。


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