2025年8月22日金曜日

「強打のサウスポー」マルコム・ツニャカオ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界フライ級王者。日本との縁。王座戦のランディ・マングバット戦、木嶋安雄戦を紹介します。


マルコム・ツニャカオ(フィリピン)

身長167cm:サウスポー


ランディ・マングバット 4R 負傷引分 マルコム・ツニャカオ

(WBCインターナショナル・フライ級タイトル戦、2001年)

「強打のサウスポー」マルコム・ツニャカオ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マングバットがタイトル防衛。ツニャカオは「ボクシング兄弟」(井岡弘樹やイヴァン・カルデロンと対戦したノエル・ツニャカオの弟)。フィリピン・セブ島のマンダウー・シティ出身。これまで11勝(7KO)1敗1分。なかなかの天才で、デビューから連勝でフィリピン王座(フライ級)獲得。WBC世界フライ級王者メッグン・シンスラット(マニー・パッキャオを3RでKOして王者に)を7RでTKOして世界王座獲得(2000年)。セレス小林とドローで初防衛。二度目の防衛戦でポンサクレック・ウォンジョンカムに何と1RでKOされて世界王座陥落。再起戦でマングバットに挑戦。王者マングバットはフィリピン・マララッグ出身。ニックネームは「Destroyer」。勝ったり負けたりで、26勝(11KO)15敗10分。日本で徳山昌守に判定負け、フィリピン王座(ストロー級)に挑戦して判定負け、ポンサクレックにKO負け、タイでTKO勝ちしてPABA王座(ミニマム級)奪取、ポンサクレックとの再戦は判定負け、PABA王座(スーパーフライ級)挑戦はドロー。そこから連勝。1RでのTKOでWBCインター王座獲得。これが二度目の防衛戦。フィリピン・パラニャケでの一戦。KO負けの経験からなのか、ツニャカオは相手から距離を取って右ジャブ、左カウンターの消極的な動き。マングバットは左を使いながら前進し、右ストレートからの左フックなどで攻めの姿勢。そのパターンが続き、4R。バッティングでツニャカオが負傷。ドクターチェック後、引分の裁定。盛り上がらなかった試合。王者のコンビネーションが目立っていた印象。ツニャカオは慎重すぎた。その後のマングバット。さらに連勝後、日本で判定負け。その再起戦でポンサクレックのWBC世界フライ級王座に挑戦して判定負け。以後はサッパリ。インター王座を失ったり、ポンサクレックとの第四戦に敗れたり。)


マルコム・ツニャカオ 11R TKO 木嶋安雄

(東洋太平洋バンタム級タイトル戦、2006年)

「強打のサウスポー」マルコム・ツニャカオ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ツニャカオがタイトル初防衛。マングバット戦後、WBCインターナショナル・スーパーフライ級王者になったツニャカオ。拠点を日本に。東洋太平洋バンタム級王座獲得。これまで19勝(13KO)1敗3分。木嶋と二度目の防衛戦。19勝(5KO)8敗2分の木嶋(角海老宝石)は千葉県出身。アレクサンデル・バクティンの日本バンタム級王座に二度挑戦したが、いずれも判定負け。日本バンタム級5位。東洋太平洋王座奪取なるか、といったところ。後楽園ホールでの一戦(TV解説席に浜田剛史)。ジャブで前進する木嶋。右ストレート、フック、ボディ打ちでねちっこい接近戦を仕掛ける。ツニャカオは距離を取ったり、接近戦に応じたり。ディフェンス&パワーでツニャカオ。ワンツーからの右フック、右フックからの左ストレート。4Rにはガードの隙を突く左アッパー。10R、ツニャカオの強打が次々にヒット。11R、左ストレートを食って木嶋が後退。左フックを打たれたところでレフェリーストップ。ツニャカオがパワーで勝利。木嶋はよく攻めたが、元々のパワーに差があった。その後の二人。木嶋は1勝2敗1分で引退。ツニャカオは東洋太平洋王座を失ったが、奪回して防衛。王座返上。クリスチャン・エスキベル(メキシコ)をTKOして「WBC世界バンタム級王座挑戦権」獲得。2013年、両国国技館でWBC世界バンタム級王者山中慎介に挑戦したが、勝てず。その後、三連勝で引退。獲得した世界王座はWBC世界フライ級王座のみ。本来ならそのパワーで二階級制覇ぐらいしていてもおかしくないぐらいだが、ポンサクレックに敗れてから山中戦まで世界挑戦のチャンスが無かったのが惜しい。)

 

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