世界バンタム級王者。メキシカンとの防衛戦&王座陥落後の試合。フリオ・セサール・アビラ戦、セシリオ・サントス戦ほかを紹介します。
①ウィラポン 12R TKO フリオ・セサール・アビラ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、2004年)
(ダウンシーン)
3R:右ボディでアビラがダウン
(感想:ウィラポンがタイトル防衛。ウーゴ・ディアンソ戦後、日本で二試合続けて西岡利晃と防衛戦を行ったウィラポン。ドロー、判定勝ちで防衛。アビラと13度目の防衛戦。挑戦者アビラはメキシコ・アカプルコ出身。メキシコのローカル王座を獲得後、曹仁柱のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦して判定負け。それからは連敗したり、勝ったり負けたり。日本で辰吉丈一郎に判定負けした再起戦でなぜか世界挑戦。タイ・ノーンカーイでの一戦。ウィラポンはいつものように素直なボクシング。ジャブ連打、ワンツー。アビラは攻めの姿勢で、接近して左右フック。ディフェンスしながら強打の応酬。アビラは左フックからの右アッパーが迫力。3R、右ボディでアビラがダウン。悶絶して苦痛に顔を歪めたアビラだが、その後も攻めの姿勢(ひょっとしたらローブローだったのかもしれない)。ワンツーが冴えるウィラポン。10R、ワンツーでアビラをロープ外に落としたが、レフェリーはこれをダウン扱いせず。終盤はアビラに疲れ。何とか反撃するが、単発。ウィラポンは勢いが止まらず、ワンツー、左フック、ボディ打ち。12R、アビラがワンツーを打たれたところでセコンドが棄権を申し入れてリングインしたが、レフェリーはこれを認めず。しかし、アビラが戦意喪失でレフェリーストップ。ウィラポンがタフな相手をパワー&スタミナで一蹴。アビラは戦績は良くないが、なかなか強かった。世界挑戦ということで気合いが入っていたのだろう。その後、アビラは二連敗で引退。)
②ウィラポン 12R 判定 セシリオ・サントス
(WBC世界バンタム級タイトル戦、2004年)
(感想:ウィラポンがタイトル防衛。14度目の防衛戦。挑戦者サントスはメキシコシティ出身。身長は157cmで、小柄。WBCの地域王座(J・バンタム級、バンタム級)を獲得して、この挑戦。タイ・チャイナートでの一戦。足でリズムを取りながら踏み込んで左ジャブ、右ストレートのサントス。振りの大きいフックを意表を突くタイミングで放つスタイルはフィリピン人選手のよう。しかし、ワンツーからの左フック(または左ジャブ)、左フックからの右ストレートといったコンビネーションは正確でパワフル(振り回すだけの選手ではない)。ウィラポンはまるで「どの試合も同じ」といった感じで、ディフェンスしながらジャブ、ストレート。サントスがパンチで右マブタを負傷したことから激しい攻防に。ウィラポンがワンツーからの左フックにパワーを込め、サントスは左パンチ(左アッパー、左ボディなど)を交えた連打。しかしながら、共にKOを狙って相手を追い込む試合ぶりではない。12R、ウィラポンが押し気味の打ち合って試合終了。判定は3-0。ウィラポンがディフェンス&ワンツーで勝利。サントスは良いコンビネーションを持っていたが、少し積極さに欠けた。それだけウィラポンにはパワーの圧力があったのかも。その後のサントス。地域王座戦に出場したり、IBAバンタム級王者になったり。フェルナンド・モンティエルにTKO負けでWBO世界スーパーフライ級王座獲得ならず。ディミトリー・キリロフとドローでIBF世界スーパーフライ級王座も獲得ならず。その後も多くの試合を行ったが、負けが込むようになっていった(大阪で亀田興毅にKO負け)。)
③ウィラポン 4R KO ロジャー・ガリシア
(スーパーバンタム級戦、2005年)
(ダウンシーン)
4R:右ストレートでガリシアがダウン
(感想:15度目の防衛戦で長谷川穂積に王座を奪われたウィラポン。再起二連勝でガリシア戦。ガリシアはフィリピンのサウスポー。地元で中堅相手に試合。フィリピン王座(スーパーフライ級)、WBCインター王座(バンタム級)を獲得。初のアメリカでの試合(WBA世界スーパーフライ級王座挑戦者決定戦)は判定負け。日本、南アフリカでも敗北するなど、このところ不調。タイのシ・プラチャンでの一戦。スリムで長身のガリシア。アップライトなスタイルで右ジャブ連打、左ストレート、右フック。まるでアマチュア選手のような動き。ウィラポンはジリジリ相手との距離を詰めて左ジャブ、右ストレート、時には連打。4R、パワーの乗った左ストレート、右フックを打つガリシアだが、右ストレートでダウン。座ったまま10カウントを聞いた。ウィラポンが「殴り倒す」といったパンチで最後は圧勝。やはりパンチが強い。ガリシアはディフェンスに甘さ。「プロ vs. アマ」のような雰囲気もあった。その後、ガリシアはフィリピン王座戦(バンタム級)で二度KO負け。最後は連敗続きで引退。)
④ウィラポン 3R TKO 藤原康二
(バンタム級戦、2006年)
(ダウンシーン)
3R:フック連打で藤原がダウン
(感想:ガリシア戦後、王座奪回を目指して長谷川穂積のWBC世界バンタム級王座に挑戦したウィラポンだが、見事なパンチを食ってTKO負け。再起二連続TKO勝ち。藤原は大阪の「グリーンツダ」ジム所属。 後の世界王者戸高秀樹にKO負け、元世界王者ナパ・キャットワンチャイにTKO勝ち。これまで王座戦を経験したことがなく、直前の試合は判定負け。タイ・ノンタブリーでの一戦。坊主頭のサウスポー、藤原。アップライトスタイルから右ジャブ、左ストレート、右フック。ウィラポンはブロックしながら前進し、得意の右ストレート、左フック。3R、フック連打で藤原がダウン。タオルが投入されたらしく、試合終了。ウィラポンが楽勝。藤原にはウィラポンを止めるようなパワーはなかった。これが最後の試合に。その後のウィラポン。ブシ・マリンガとのWBC世界バンタム級王座挑戦者決定戦にTKO負け。その後もリングに上がり続けたが、結局、世界戦は長谷川との再戦が最後に。引退後はトレーナーとして活躍。店の経営もしているとのこと。)
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