2025年8月27日水曜日

「タイのヒットマン」デンカオセーン・カオウィチット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界フライ級王者。ルイス・コンセプシオン戦(暫定王座戦)、パンカ・シラバン戦(PABA王座戦)を紹介します。


デンカオセーン・カオウィチット(タイ)

身長161cm:オーソドックス(右構え)


ルイス・コンセプシオン 1R KO デンカオセーン・カオウィチット

(WBA世界フライ級暫定タイトル戦、2010年)

「タイのヒットマン」デンカオセーン・カオウィチット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フック、右フック、左フックで3度、デンカオセーンがダウン

(感想:コンセプシオンがタイトル防衛。タイ・サムイ島出身のデンカオ。身長は161cmで大きくないが、伸びのあるストレートを打つスタイルはトーマス・ヒットマン・ハーンズの雰囲気。デビュー戦がPABAフライ級王座決定戦で、王座獲得(大変な天才ぶり。結局、この王座は返上するまで18度も防衛)。しかし、全勝のままWBA世界フライ級王者エリック・モレルに挑戦したが、11RでKO負け(2002年)。タイ人特有の「真っ直ぐ攻めるクセ」があり、動きが多彩でパンチの回転が速い柔軟なモレルにやられてしまった。その後もPABA王座戦。日本で坂田健史のWBA世界フライ級王座に挑戦するチャンスを得たが。引き分け(2007年)。二度目の坂田への挑戦はおそらくベストファイト。2RでのKO でようやく世界王者に(2008年)。久高寛之、亀田大毅を相手に防衛。亀田との再戦で判定負け、王座陥落。再起二連勝(PABA王座戦)。これまで50勝(20KO)2敗1分で、34歳。暫定王座に挑戦するチャンス。王者コンセプシオン(パナマシティ出身)は21勝(16KO)1敗で、24歳。決定戦でWBA世界フライ級暫定王者に。これが三度目の防衛戦。パナマシティでの一戦。ワンツーにキレがあるコンセプシオン。デンカオセーンはジャブ、左フックを出すが、残念なことにスピード感に欠ける動き。左フックで早くもダウン(滑ったようなダウン)。立ったが、右フックで二度目(これも滑ったようなダウン)。三度目のダウンは強烈。右アッパーからの左フックで文句無しのダウンで、スリーノックダウン。コンセプシオンが圧勝。デンカオセーンは動きが重かった。かつて坂田を2Rで仕留めたときは「強い王者が誕生した」と思ったものだが、この人は波がありすぎる。その後のコンセプシオン。正規王者に昇格したが、エルナン・マルケスに敗れて王座陥落。WBA世界スーパーフライ級暫定王座を獲得。正規王者の河野公平に勝利して正規王者に昇格。)


デンカオセーン・カオウィチット 2R KO パンカ・シラバン

(PABAスーパーフライ級タイトル戦、2011年)

「タイのヒットマン」デンカオセーン・カオウィチット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでシラバンがダウン

(感想:デンカオセーンがタイトル初防衛。コンセプシオンに敗れた再起戦でPABAスーパーフライ級暫定王座決定戦に出場したデンカオセーン。TKOで王座獲得。シラバンと初防衛戦。シラバンはインドネシア人。デビューから連勝だったが、初の海外試合でTKO負け。インドネシア・フライ級王者になったが、日本でKO負け。以来、WBCアジア王座戦でKO負けするなど敗北が増えていっている状況。タイ・パユハキーリーでの一戦。共に同じぐらいのスピード(あまり速くない)。そうなるとデンカオセーン有利。ジャブ、右ストレート、左フックダブル、左ボディ打ちで優勢。シラバンは振り大きめの左フックを空振りしたり、手が出なくなったり。2R、左ボディからの右ストレートでシラバンがダウン。立てず、KO。デンカオセーンがパワーで圧勝。どうやら動きの速い相手にはついていけないが、パワーを活かせる相手には勝てるようだ。シラバンは攻めも守りもイマイチ。その後、数試合。ラストファイトは日本でKO負けだった。)


その後のデンカオセーン

PABA王座を連続防衛。タイで名城信男を2-1で下してWBA世界スーパーフライ級暫定王座獲得。その次の試合は日本で。河野公平とWBA世界スーパーフライ級王座決定戦を行い、KO負け。それが最後の世界戦に。パンカ・シラバンと同様、ラストファイトは日本でKO負け。世界戦よりPABA王座戦がメインのキャリアだった。 

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