世界ライトフライ級王者。世界王者になる前&王座陥落後の試合。ウィルフリド・バルデス戦、エルナン・マルケス戦を紹介します。
ジョバンニ・セグラ(メキシコ)
身長163cm:サウスポー
①ジョバンニ・セグラ 1R KO ウィルフリド・バルデス
(フライ級戦、2007年)
(ダウンシーン)
1R:左ボディでバルデスがダウン
(感想:メキシコ・ゲレーロ州出身のセグラ。15歳でボクシングを始める。アマチュアを経験。プロではアメリカを主戦場にIBA王座、北米王座(いずれもライトフライ級)を獲得。これまで18勝(14KO)1分で、無敗。年齢は25。バルデスとノンタイトル戦。バルデス(29歳)はコロンビア・カルタヘナ出身の黒人。コロンビア王座(ミニマム級、ライトフライ級)を獲得するなど国内では強く、WBCラティノ王座(ミニマム級)も獲得。しかし、ウーゴ・フィデル・カサレスのWBO世界ライトフライ級王座に挑戦して2RでTKO負け。その再起戦でセグラと勝負。イリノイ州シセロでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。長いパンチを使うセグラ。ジャブ、ストレート、ロングフック。オーソドックスでスタート後、サウスポーにスイッチ。バルデスは左のガードを下げた構えからパワーを込めて右ストレート、フック。斜め下から左フックを当てるなど腕力だけの選手ではない。ところが左ボディ一撃でダウン。立とうとするが、カウントアウト。セグラがカウンターのボディ打ち一発で勝利。振りの大きいフックは雑な印象もあったが、当てる巧さがあった。バルデスは鍛えられた身体でパンチ力を感じる試合ぶりだったが、一発で敗北。意外な打たれ弱さがあるのかもしれないが、最後のパンチはなかなか強烈だったため「打たれ弱い」とまでは言えない。その後のバルデス。自信を無くしたのか、さらに連敗して絶不調。ラストファイトはルイス・コンセプシオンにパナマシティで1RでKO負けだった。)
その後のセグラ
バルデス戦の次の試合でセサール・カンチラとWBA世界ライトフライ級暫定王座を争ったが、判定負けで初黒星。メキシコでダイレクト・リマッチを行い、暫定王座獲得。正規王者に格上げされてソニー・ボーイ・ハロを1RでKO防衛するなど好調。WBO世界ライトフライ級王者イヴァン・カルデロンと王座統一戦を行い、KO勝ち(王座統一)。WBO王座を懸けたカルデロンとの再戦もセグラがKO勝利。しかし、ここまで。ブライアン・ビロリアのWBO世界フライ級王座に挑戦してTKO負け、二階級制覇ならず。エドガル・ソーサに敗北、ジョナサン・ゴンザレスをKOしてWBOラテンアメリカ・フライ級暫定王座獲得。元WBA世界フライ級王者エルナン・マルケスとWBO世界フライ級王座挑戦者決定戦。
②ジョバンニ・セグラ 12R KO エルナン・マルケス
(WBO世界フライ級王座挑戦者決定戦、2013年)
(ダウンシーン)
4R:右フックでマルケスがダウン
11R:右フックでマルケスがダウン
12R:左フックでマルケスがダウン
(感想:セグラが挑戦権獲得。31歳のセグラが挑戦者決定戦に出場。マルケス(25歳)はメキシコ・ソノラ出身のサウスポー。ニックネームは「タイソン」(パンチ力&タフネスの男)。これまで36勝(26KO)3敗。WBCアメリカ王座(フライ級)を獲得するなどデビューから連勝だったが、ノニト・ドネアらに二連敗。ルイス・コンセプシオン(パナマ)をTKOしてWBA世界フライ級王者に。防衛にも成功。WBO王者ブライアン・ビロリアとの王座統一戦にTKO負け。再起二連勝でセグラと勝負。元世界王者同士のサバイバル。メキシコ・エルモシージョでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。共にサウスポー。ガッチリした身体のマルケス。スリムな体型で、ヒラヒラしたトランクスのセグラ。互いに右ジャブ、左ストレート、フック、ボディ打ち。1Rからセグラは右フックを当てるなど積極的に攻める。マルケスはパワーで応戦。時折強打を食うセグラだが、ひるまず前進(タフな戦いぶり)。4R、右フックでマルケスがヒザを着くダウン。5R、マルケスが左ストレートで逆襲。11R、セグラの勢いに押されるマルケス。ロープにもたれたところに右フックを打ち込まれてダウン。12R、このまま判定かと思われたが、左フックでマルケスがダウン。立てず、KO。セグラがタフなマルケスを完全に粉砕。強打を食う危ないシーンがあったが、この試合ではタフネスを感じる攻めっぷりだった。マルケスは根負け。セグラのタフさに押し切られた。その後の二人。セグラはファン・フランシスコ・エストラーダのWBA・WBO世界フライ級王座に挑戦したが、TKO負けで王座獲得ならず(2014年9月)。フライ級では通用しなかった。マルケスもまたエストラーダに挑戦したが、KO負け(2015年9月)。セグラは2016年に引退したが、マルケスは2023年までリングに上がった。)
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