WBC世界ミニマム級王者。ユース&アジア王者時代のイシドロ・ロロナ戦、カルロ・ベサレス戦ほかを紹介します。
オーレイドン・シスサマーチャイ(タイ)
身長161cm:サウスポー
①オーレイドン・シスサマーチャイ 10R 判定 イシドロ・ロロナ
(WBCユース&アジア・ミニマム級タイトル戦、2003年)
(感想:オーレイドンがタイトル防衛。二冠王のオーレイドンが3度目の防衛戦。挑戦者ロロナはフィリピン人(オーレイドンは結局、ユース王座を16度防衛するが、相手はほとんどフィリピン人だった)。デビューから連勝だったが、判定で初黒星。ロデル・マヨールのフィリピン・ミニマム級王座に挑戦して判定負け。その再起戦でオーレイドンに挑戦。バンコクでのサウスポー対決。速いジャブのオーレイドン。基本はアウトボクシングだが、連打するときは回転速く左ストレートからの右フックなどをまとめる。ロロナは残念なことに手数が少なく、単発な攻撃。左ストレート、右フックにそれなりにパワーがありそうだが、自分から攻めて試合の流れを作るタイプではない。オーレイドンがスピード&ディフェンスで10R終了。判定は大差の3-0。ロロナは何がしたかったのか? 攻めないのなら挑戦すべきではない。その後のロロナ。韓国やインドネシアでも試合したが、勝ったり負けたり。WBOアジア王座(スーパーフライ級)に挑戦したときは判定負け。王座とは縁がなかった。)
②オーレイドン・シスサマーチャイ 10R 判定 カルロ・ベサレス
(WBCユース&アジア・ミニマム級タイトル戦、2003年)
(感想:オーレイドンがタイトル防衛。4度目の防衛戦。挑戦者ベサレスはフィリピンのサウスポー。デビュー戦は判定負け。連勝後、タイで判定負け。その再起戦でオーレイドンに挑戦。タイ・チャイヤプームでの一戦。ジリジリと前に出るベサレス。右ジャブ、左ストレートからの右フックにパワーを込めるが、パワーを入れすぎて単発な攻撃。また、狙いすぎで手数少な目。オーレイドンは右ジャブ、左カウンター。接近戦では力強い左右フック、ボディ打ち。ベサレスの攻めをディフェンス&クリンチで対応。8R、オーレイドンが攻め、左ストレート、フックを当てる。残り9R、10Rにベサレスは強引に攻めるが、攻撃をかわされたり、クリンチされたり。10R終了。判定は3-0。オーレイドンが典型的な勝ち方。動きの速さ、当てるテクニックで勝ったが、できればKOを狙って欲しかったところ。ベサレスはもどかしいボクシング。全てのパンチにパワーを込めると動きが固くなる。強弱をコントロールできない欠点があった(フィリピンのファイターによくあるパターン)。その後のベサレス。ドニー・ニエテス相手にドローに持ち込んだこともあったが、勝ったり負けたり。フィリピン王座、PABA王座(いずれもミニマム級)への挑戦は判定負けに終わった。)
③オーレイドン・シスサマーチャイ 10R 判定 アレックス・アロイ
(WBCユース&アジア・ミニマム級タイトル戦、2005年)
(感想:オーレイドンがタイトル防衛。WBCアジア王座を返上したオーレイドン。ユース王座の13度目の防衛戦(具志堅みたいな記録)。挑戦者アロイはフィリピンのサウスポー。ニックネームは「爆撃機」(相当なパワーなのだろう)。デビューから連勝だったが、判定で初黒星。再起戦はドロー。その次の試合でオーレイドンに挑戦。タイトル戦はこれが初めて。タイ・ペッチャブーンでの一戦。カルロ・ベサレスとほぼ同じタイプのアロイ(なぜ似たようなタイプとばかり試合?)。一発一発にパワーを込める。確かにパワフルな「爆撃機」だが攻めが同じパターンであるためか、ディフェンスされたり、クリンチされたりでパンチが当たらない。オーレイドンは変わらない。相手の攻めをかわして右ジャブ、ワンツー、フック連打。10R終了。判定は大差の3-0(ジャッジ三人とも「99-91」)。オーレイドンが同じパターンで勝利。もうこの程度の相手と試合をしても仕方がない(上のステージに行くべき)。その後のアロイ。フィリピン・ライトフライ級王座獲得。ミラン・メリンドに敗北。南アフリカでWBCインター王座(ミニマム級)に挑戦したが、2-0で敗北。再起戦に3-0で敗れて引退(2008年)。メリンド戦後は勝ち星無しだった。)
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