WBC世界ミニマム級王者。ユース&アジア王者時代のアルマンド・デラ・クルス戦、ニノ・スエロ戦(初戦)ほかを紹介します。
オーレイドン・シスサマーチャイ(タイ)
身長161cm:サウスポー
①オーレイドン・シスサマーチャイ 10R 判定 アルマンド・デラ・クルス
(WBCユース&アジア・ミニマム級王座決定戦、2002年)
(ダウンシーン)
6R:左フックカウンターでデラ・クルスがダウン
(感想:オーレイドンがタイトル獲得。日本でもおなじみのオーレイドンはタイ・フワイヨート出身のサウスポー。連戦連勝で世界王者になったが、デラ・クルス戦はプロ三戦目で、まだ17歳。デラ・クルス(18歳)はフィリピン・ギンダルマン出身のサウスポー。身長は157cm。デビュー戦でつまずいたが、連勝。このところエリベルト・ゲホンに判定負け、直前の試合はドローで、勢いに乗れていない状況。バンコクでの一戦。えらく気合いが入っているデラ・クルス。勢いにまかせて左ストレート、大振りのフック。オーレイドンはアウトボクサー。右ジャブ、左カウンターで荒っぽく攻めてくるデラ・クルスを迎え撃つ。互いにディフェンス。5R、粗い攻めをするデラ・クルス、クリンチするオーレイドン。何度もそのパターンが続き、まるで相撲のような雰囲気も。6R、見事な左フックカウンターでデラ・クルスがダウン。その後も同じ。粗い攻めのデラ・クルス、カウンター&クリンチのオーレイドン。10R終了。判定は3-0。オーレイドンは他のタイ人とは違ってアウトボクシングの技巧派。デラ・クルスは一発狙いで粗すぎ。時折パンチを当てたが、継続的な流れるような攻めではなかった(それでは勝ちにくい)。その後のデラ・クルス。多くの試合。WBCユース王座、アジア王座(いずれもライトフライ級)、インター王座(ミニマム級)、IBFパンパシフィック王座(ライトフライ級)などを獲得。日本でKO勝ちしたり、南アフリカでヌコシナチ・ジョイとIBOミニマム級王座を争ってKO負けしたりするなどバラエティに富んだキャリアとなった。)
②オーレイドン・シスサマーチャイ 10R 判定 ニノ・スエロ
(WBCユース&アジア・ミニマム級タイトル戦、2003年)
(ダウンシーン)
2R:左カウンターでスエロがダウン
9R:ワンツーでスエロがダウン
(感想:オーレイドンがタイトル初防衛。デラ・クルス戦の次の試合。挑戦者スエロはフィリピン・トゥルナン出身。デビューから連勝だったが、フィリピン王座戦(ミニマム級)でロデル・マヨールに敗れるなど三連敗。再起二連勝でオーレイドンに挑戦。バンコクでの一戦。左を使いながら右ストレートを打ち込むスエロ。オーレイドンはやはりアウトボクシング。接近戦。フック連打で攻めるスエロだが、オーレイドンはそれに応じず。2R、左カウンターでスエロがダウン。「このままでは負ける」と考えたか、スエロは強引に接近して攻撃。しかし、オーレイドンは連打&ディフェンスで打ち合いを回避。8R、オーレイドンが斜め下からの右フック、左ストレートで攻めの姿勢(アウトボクサーのオーレイドンだが、結構、パワーはある。「非力なのをゴマかすアウトボクサー」ではない)。9R、ワンツーでスエロがダウン。その後も攻めるスエロをオーレイドンがさばいて10R終了。判定は3-0。オーレイドンがスピードで勝利。スエロは頑張って攻めたが、逃げられた。二人の再戦が2004年に6回戦で行われ、3-0でオーレイドン勝利。その後、スエロはPABA王座戦(ミニマム級、フライ級)に敗北、フィリピン王座(フライ級、スーパーフライ級)獲得、ワンディー・シンワンチャーに敗北。フィリピンの実力者にとどまった。)
③オーレイドン・シスサマーチャイ 5R TKO レイ・オライス
(WBCユース&アジア・ミニマム級タイトル戦、2003年)
(ダウンシーン)
3R:ワンツーでオーレイドンがダウン、左カウンター、左ストレートで2度、オライスがダウン
5R:左アッパーでオライスがダウン
(感想:オーレイドンがタイトル防衛。スエロ戦(初戦)の次の試合(2度目の防衛戦)。挑戦者オライスはフィリピン・マリットボッグ出身のサウスポー。WBCユース&アジア・ライトフライ級王座決定戦に出場したことがあるが、判定負け。そこから判定で三連敗。このところ二連勝。階級を下げて再びユース&アジア王座を狙う。タイ・ローイエットでの一戦。共に慎重な性格。右ジャブ、左ストレート。パンチのキレはオーレイドンで、1Rから左カウンターを当てる。オライスは動きの機敏さに欠け、攻撃が単発。3Rに波乱。ワンツーでオーレイドンがダウン。しかし、レフェリーはカウントせず(なぜ?)。今度は逆に左カウンターでオライスがダウン。今度もレフェリーはカウントせず。力強くラッシュするオーレイドン。左ストレートでオライスがダウン(これはカウントされた)。5Rも波乱。互いに左ストレート狙い。どうやらオライスはスロースターターらしく、このラウンドは動きに速さ、左ストレートに伸び&パワー。ところがバッティング、ドクターチェック。再開後、左フック、左アッパーでオライスがダウン、KO。何とも激しかった試合。オーレイドンの動きはいつものように速かったが、オライスにはパワー。先にダウンを食ったオーレイドンがパワーで逆転。できればオライスには1Rから速い動きを見せて欲しかったところ。その後のオライス。日本で試合したり、マイナー王座やローカル王座に挑戦して敗れたり。2005年にオーレイドンのユース&アジア王座に再挑戦したが、またしてもKOで敗れた。)
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