WBO世界ミニマム、ライトフライ級王者。若手時代のホセ・マヌエル・ラミレス戦、アルベルト・ロセル戦ほかを紹介します。
イヴァン・カルデロン(プエルトリコ)
身長152cm:サウスポー
①イヴァン・カルデロン 6R 判定 ホセ・マヌエル・ラミレス
(ライトフライ級戦、2001年)
(感想:プエルトリコ・グアイナボ出身のカルデロン。身長152cmながらニックネームは「Iron Boy」。アマチュアで実績。シドニーオリンピック(2000年)にライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り後、これまで4連勝(2KO)。ラミレスはメキシコ・モレロス出身。1995年にファーラン・ルークミンクワンとWBF王座(フライ級)を争って判定負け。以来、試合数が減り、グレン・ドネアにKO負けするなど敗北が増えていっている状況。プエルトリコ・サンフアンでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。童顔のカルデロン(フロイド・メイウェザー・ジュニアに似ている)。攻めの姿勢で右ジャブ、左ストレート、フック(斜め下から打つ場合も)、アッパー。口ヒゲのラミレスは身長で上回るが、攻められて応戦する形。3R、右フックをクリーンヒットさせたカルデロンだが、ボディ打ちがローブローに。4R、ラミレスが右フックを決め、カルデロンが後退するピンチ。その後も互いにディフェンス、攻めるカルデロン。6R終了。判定は3-0。カルデロンが攻勢点で勝利。ただ、あまり打たれ強くはなさそう。ラミレスは相手の手数に押され気味だったが、ディフェンス&打ち返す気の強さがあった。しかし、次の試合にKO負けで引退。)
②イヴァン・カルデロン 6R 判定 アルベルト・ロッセル
(ライトフライ級戦、2001年)
(ダウンシーン)
1R:左ストレートでロッセルがダウン
2R:右ストレートでカルデロンがダウン
(感想:ラミレス戦の次の試合。ロッセルはペルー・ウアラル出身。身長は155cmで、カルデロンと同じくらい。 後の世界ミニマム級王者ダニエル・レイジェスにTKOで初黒星。アメリカでの再起戦に勝利してカルデロン戦。プエルトリコ・カロリーナでの一戦。1R、相手から距離を取りながら左ストレートを伸ばすカルデロン。接近戦では連打。ロッセルは小さいが、ガッチリした身体。思い切りのいい打ち方で右ストレート、左フック。器用さではカルデロンが上。左ストレートでロッセルがダウン。2R終了間際にハプニング。左フックからの強烈な右ストレートでカルデロンがダウン。3R、ロッセルが左目下をカット(バッティング?)、ドクターチェック。その後、カルデロンが先手を取る展開で6R終了。判定は3-0。ディフェンス&当てるテクニックでカルデロン勝利。ダウンを食ったが、いいパンチ。むしろ打ち返して挽回したため、評価が下がることはあるまい。ロッセルは攻めのバリエーションに乏しかったのが惜しい。その後、ロッセルは多くの試合。地元では強かったが、敵地で苦戦。2012年にWBA世界ライトフライ級暫定王座を獲得。正規王者に格上げ。5度目の防衛戦で初来日。田口良一に3-0で王座を明け渡した。)
③イヴァン・カルデロン 8R 判定 マイク・トーマス
(ライトフライ級戦、2002年)
(感想:連勝を続けるカルデロン(24歳)。トーマスはアメリカの黒人。判定で初黒星以来、試合間隔が長め。ブライアン・ビロリアと四回戦を行い、判定負け。その再起戦でカルデロンと勝負。プエルトリコ・カグアスでの一戦(レフェリーはロベルト・ラミレス。カルデロンのセコンドにあのウィルフレド・バスケス)。口ヒゲ&スキンヘッドのトーマス(マービン・ハグラーに似た雰囲気)。スリムな身体で前進し、力強い左ジャブ、右ストレートを打つ。カルデロンはなかなか器用。トーマスの強い攻撃をディフェンス&クリンチで阻止し、左カウンター、右フック、ボディ打ち。頑張って攻めるトーマスだが、当てさせてもらえない。8R終了。判定はフルマークの3-0(80-72)。カルデロンは実に巧い。力強く攻めて空転するトーマスが気の毒に思えたほどだった。トーマスは次の試合でTKO負けして引退。もっと活躍できるだけの強さがあったが・・・。)
④イヴァン・カルデロン 10R 判定 アレハンドロ・モレノ
(ライトフライ級戦、2002年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでモレノがダウン
(感想:連勝のカルデロン。モレノはメキシコ・シウダードファレス出身の中堅どころ。1997年デビュー。6回戦、8回戦を戦ってきた。王座戦の経験はないようだ。オクラホマ州コンチョでの一戦。スキンヘッドのモレノ。力強いワンツー、左フック。しかし、1R早々、右フックでダウン。その後、慎重姿勢でワンツーを主に出すモレノ。カルデロンはディフェンスしながら踏み込んで左ストレート、接近戦でフックを時折ヒットさせる。そのパターンで10R終了。判定は大差の3-0。柔軟な動きで勝利したカルデロン。小さい身体ながら強いパンチを持っているが、「KOするパワー」に欠けるのが残念。モレノは攻めが単調。また、真っ直ぐ攻めるクセもあり、攻撃をかわされて隙を突くパンチを打たれた。その後のモレノ。再起戦でブライアン・ビロリアと北米王座戦(フライ級)を行い、判定負け。ウーゴ・フィデル・カサレス戦、NABA王座戦(フライ級)に判定負け。負けの方が多いキャリアとなったが、2024年までリングに上がった。)
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