WBA世界バンタム級暫定王者、世界スーパーバンタム級王者。PABA戦のサイモン・ラモニ戦ほかを紹介します。
プーンサワット・クラティンデーンジム(タイ)
身長164cm:オーソドックス(右構え)
①プーンサワット・クラティンデーンジム 10R TKO サイモン・ラモニ
(PABAバンタム級タイトル戦、2002年)
(ダウンシーン)
10R:左フックでラモニがダウン
(感想:プーンサワットがタイトル防衛。タイのプーンサワット(顔はポンサクレックのようなタイプ)。デビュー四戦目でPABAバンタム級暫定王座を獲得。正規王者に昇格し、防衛。ラモニ戦はプロ10戦目で、6度目の防衛戦。挑戦者ラモニは南アフリカ・ベスレヘム出身の黒人で、ニックネームは「チーター」。アフリカ・バンタム級王座、英連邦スーパーバンタム級王座の獲得に失敗後、IBOスーパーバンタム級王者に。IBO王座を連続防衛。どうやら王座を返上したらしく、タイでプーンサワットに挑戦。バンコクでの一戦。プーンサワットはタイのオーソドックス・ファイターの典型。ガードしながら前進し、ジャブ、ワンツー、接近して左右フック攻撃。ラモニはフットワークを使うなど距離を取って戦いたいようだが、相手に迫られて左右フックで迎え撃つ形。接近戦が続く。互いにストレート、フックの応酬。勢いでプーンサワット優勢か? 10R、攻められ続けたラモニが左フックでついにダウン。立ったが、ダメージ。連打されてレフェリーストップ。プーンサワットが異常なスタミナで相手を圧倒して勝利。ラモニは連打の回転が速い良い選手だったが、プーンサワットを止めるにはパワー不足だったか。その後のラモニ。南アフリカ・スーパーフライ級王座を獲得、連続防衛。しかし、キャリア終盤は連敗。メジャー団体の世界王座に挑戦することはなかった。)
②プーンサワット・クラティンデーンジム 6R TKO ドーセル・トビング
(PABAバンタム級タイトル戦、2003年)
(感想:プーンサワットがタイトル防衛。7度目の防衛戦。挑戦者トビングはインドネシア人。記録によると勝利は直前の試合の判定勝ちのみ。どんな選手なのか? タイ・パユハキーリーでの一戦。トビングは速いジャブ、大振りのフックを使う男。プーンサワットはその大きなパンチをディフェンスし、ジャブ、ワンツーからの左フック。接近戦では両者とも強いフックを出すが、プーンサワットはディフェンス&コンビネーション(左ボディからの左フック、右アッパー、など)。プーンサワットがディフェンスで優勢。6R、プーンサワットが左右フックでコンビネーション&強烈なボディ打ち。トビングは大きなパンチで反撃するが、単発。右フックが入ったところでレフェリーストップ。プーンサワットが攻めの姿勢で勝利。トビングは負けたが、なかなかタフ。ただ、体格的にやや小柄で不利だった。その後のトビング。次の試合でインドネシア王座(スーパーバンタム級)獲得。しかし、ビック・ダルチニアンに1RでKOされるなど、その後は勝ち星無しだった。)
③プーンサワット・クラティンデーンジム 10R KO タキア・イブラギモス
(PABAバンタム級タイトル戦、2004年)
(ダウンシーン)
10R:フック連打でイブラギモスがダウン
(感想:プーンサワットがタイトル防衛。13度目の防衛戦。挑戦者イブラギモスはカザフスタン・シムケント出身だが、よくわからない選手。「BOXREC」の記録によると全キャリア、全敗。PABAスーパーバンタム級王座に挑戦してTKO負けしたことがあり、これが二度目のPABA王座挑戦。「謎のチャレンジャー」といったところ。タイ・カノムでの一戦。リズムを取りながらワンツー、ディフェンスのイブラギモス。動きは悪くないが、自分から攻めるようなタイプではない。プーンサワットは同じパターン。ひたすら前進してワンツーからの左フック。左フックが時折ヒットする。10R、激しく連打するプーンサワット。フック連打でイブラギモスがダウン。片ヒザをキャンバスに着いたまま10カウント。プーンサワットが受け身の相手を攻めまくって勝利。イブラギモスは右カウンターを当てるなど「全敗」とは思えない良いところもあったが、プーンサワットをアウトボクシングでさばくことはできなかった。)
④プーンサワット・クラティンデーンジム 12R 判定 ジョエル・バウヤ
(PABAバンタム級タイトル戦、2005年)
(ダウンシーン)
7R:右フックでバウヤがダウン
(感想:プーンサワットがタイトル防衛。17度目の防衛戦。挑戦者バウヤはフィリピン・バヤワン出身のサウスポー。決定戦でフィリピン・バンタム級王者になったが、ブシ・マリンガとのWBCインター王座戦(バンタム級)で1RでTKO負け。このところパッとせず、直前の試合はフィリピン王座戦でドロー。バンコクでの一戦。共に機敏な動きで手数。バウヤが右ジャブ連打、左ストレート、右フック。プーンサワットはサウスポーの左ストレートを警戒しながら攻めの姿勢。接近戦での打ち合い。ボディを攻めるプーンサワット。バウヤはキツくなってきたのか、頭を相手にぶつけようとする。7R、右のショートフックでバウヤがダウン。その後も打ち合い。9R、バウヤがバッティングで減点。その後、バウヤは「ヘディング作戦」が使えなくなり、攻められて追い込まれる。12R終了。判定はフルマークの3-0。プーンサワットは大した選手。反則もなく、ひたすら攻撃。スタミナ、隙を突く攻撃で勝利。バウヤは真っ直ぐ攻めるクセ。良いパンチを持っていたが、バッティングが残念だった。その後のバウヤ。再起戦でマイケル・ドミンゴに敗北。続くウィラポン戦に敗北するなどプーンサワット戦後は全敗だった。)
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