WBC世界J・フェザー級王者。世界王座陥落後のダリル・シグペン戦、ジョー・ルエラス戦、ジェームズ・マニング戦を紹介します。
ハイメ・ガルサ(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ダリル・シグペン 6R TKO ハイメ・ガルサ
(フェザー級戦、1987年)
(ダウンシーン)
2R:左ストレートでガルサがダウン
3R:左フックでシグペンがダウン
4R:左フックでガルサがダウン
6R:連打、右フック(?)で2度、ガルサがダウン
(感想:世界王座陥落後、四連続KO勝ちのガルサ。シグペンはミズーリ州セントルイス出身の黒人サウスポー。KO負けがあるが、KO勝ちも多い(おそらく「パワーで勝負するが、打たれ弱さや隙がある」タイプなのだろう)。ローカルイベントで優勝経験(実力者ジミー・ナバロをKO)。直前の試合はTKO勝ち。カリフォルニア州アーバインでの一戦。シグペンは距離を取って戦うタイプ。右のガードを下げた構えから左カウンター、右フック。勇敢なガルサは誰とやっても前進。ワンツー、左フック、しゃくるような右フック。ディフェンシブなシグペンだが攻めるときは意外にパワーがあり、隙を突くパンチを入れる。2R、左ストレート、右フックを食ったガルサが左ストレートでダウン。3Rは右ストレートが効いたシグペンが左フックでダウン。互いにパンチを食って勢いが落ちた状況。打たれるクセがあるガルサはより不利。4R、左フックでガルサがダウン。6Rには二度ダウンを喫してヨロヨロになり、そのままレフェリーストップ。シグペンが隙を突く攻撃で勝利。ガルサは残念。勢いがあった頃は打たれる欠点をパワーでカバーできたが、この試合ではスピード感に欠けた動き。引退した方がよさそうな動きの重さが感じられた。その後のシグペン。後に辰吉戦で日本でも有名になるグレグ・リチャードソン(全米J・フェザー級王座戦)、ダニエル・サラゴサ(北米J・フェザー級王座戦)に判定で二連敗で引退。)
②ハイメ・ガルサ 10R 判定 ジョー・ルエラス
(フェザー級戦、1987年)
(ダウンシーン)
9R:左フックでルエラスがダウン
(感想:シグペン戦の次の試合でドワイト・プラチェットに判定勝ちして再起を飾ったガルサ(27歳)。次の相手ルエラス(24歳)はカリフォルニアの選手。フレディ・ローチにTKO負けした後、決定戦で北米フェザー級王者に。初防衛戦でバーナード・テーラーに判定負け。再起戦でフリアン・ソリス(元WBA世界バンタム級王者)をKOしてガルサ戦。カリフォルニア州イングルウッドでの一戦。似たタイプの二人。ジャブ、ワンツー、左フックの攻防。ルエラスは右の打ち方に特徴があり、打ち下ろすように打つ場合も(チョッピングライトでバーナード・テーラーをダウンさせたことがある)。ガルサは右でボディを叩くが、例によって打たれる。6R、打ち合い。左フック、右ストレートを食うガルサ。激しい攻防に観客は拍手喝采だが、ガルサはダメージ。9R、左フックを食って後退したルエラス。左フックでダウン。その後も打ち合って10R終了。判定は2-1。ガルサがディフェンスの甘さを手数&パワーでカバーして勝利。ルエラスはよく頑張ったが、パワーでやや押された。その後、ルエラスは中堅相手に二連勝で引退。)
③ハイメ・ガルサ 6R TKO ジェームズ・マニング
(フェザー級戦、1987年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでマニングがダウン
4R:ワンツーでマニングがダウン
6R:右フックでマニングがダウン
(感想:ルエラス戦の次の試合で判定負けのガルサが再起戦。マニングはオレゴン州の白人。ニックネームは「Sweet Baby」(幼い感じの顔立ちが由来と思われる)。中堅相手に戦ってきたキャリアで、ジェローム・コフィ戦、北米バンタム級王座戦、グレグ・リチャードソン戦に敗北。このところラウル・ペレス(後、世界二階級制覇)、アルフレド・ランヘル(後、世界挑戦)に判定で二連敗中。カリフォルニア州ロング・ビーチでの一戦。1R、フットワーク&速いジャブのマニング。タイミングのいい左フックを食って早くもダウン。ガルサがワンツー、フック、ボディ打ち。やはりパワーがあるようで、マニングは押され気味に。ジャブ、ワンツーで何とか抵抗。4R、パワフルなフックを見せたマニングだがやはり受け身の姿勢で、クリンチも使用。ワンツーでダウン。6R、ガルサの実に強烈な右フック。大の字に倒れたマニングを見て、レフェリーは直ちに試合を止めた。ガルサが快勝。動き、最後の右フックなどに良さがあり、いい勝ち方だった。マニングは良いフックを持っていたが、1Rのダウンが効いたか。これが最後の試合に。その後のガルサ。次の試合でメキシコの危険人物マルコス・ビジャサナにKO負け。再起戦に勝利して引退。1993年と1995年に二度カムバックしたが、いずれもTKO負け。世界王座陥落後は一度も世界挑戦無し。連続KOで全勝だった頃、このようなキャリアになると本人やファンは予想しただろうか?)



0 件のコメント:
コメントを投稿