2025年7月21日月曜日

「英国フェザー級」パット・カウデル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

英国・欧州王者。ジャブ連打が武器。サントス・モレノ戦、カルロス・エルナンデス戦ほかを紹介します。


パット・カウデル(イギリス)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


パット・カウデル 7R TKO サントス・モレノ

(ライト級戦、1985年)

「英国フェザー級」パット・カウデル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:英国ウェスト・ミッドランズ州スメスウィック出身の白人カウデル。1976年のモントリオール・オリンピックでバンタム級銅メダル。プロ入り後は二敗してしまったが、英国フェザー級王座を獲得・防衛。連勝の勢いでサルバドル・サンチェスのWBC世界フェザー級王座に挑戦したが、ダウンを食って2-1の敗北(1981年)。再起戦で獲得した欧州王座(フェザー級)を防衛。欧州J・ライト級王座も獲得、防衛(ロベルト・カスタノンをTKOして初防衛)。後の世界王者ケルビン・シーブルックスにTKO勝ち。サンチェス戦以来、連勝。これまで27勝(13KO)3敗。残すターゲットは世界王座のみ、といった状況。モレノは42勝8敗のメキシカン(ミゲル・アウサ出身)。北米王座(フェザー級、J・ライト級)に三度挑戦して判定負け。後の世界王者マルコス・ビジャサナにTKO負け(メキシコ・フェザー級王座戦)、カルビン・グローブに判定負け。直前の試合はKO勝ち。一定の強さを持つ選手のようだ。英国バーミンガムでの一戦(レフェリーはジョン・コイル)。慎重に相手を警戒しながらジャブを多く出すカウデル(いつものパターン)。モレノは長いパンチを使う男で、ワンツー、左右ロングフック。踏み込んで打つ左フックに威力が感じられる。とにかくジャブ中心のカウデル。モレノは次第に受け身になり、右ストレートを食う(4Rほか)。7R、攻めるカウデル。左フックからの右ストレートを決めたところでレフェリーストップ。カウデルが地道にジャブを使って勝利。非常に用心深い試合ぶりだった。モレノは大きく振るため疲れたか。消極的になったのを「戦意喪失」と見なされたようだ。その後のモレノ。メキシコ・フェザー級王座戦で判定負け、ラファエル・リモンにKO負けするなど負けが増えていったが、キャリア終盤には世界を目指すヘクター・ロペス、ビンス・フィリップス、トッド・フォスター、ロジャー・メイウェザーと対戦した。)


パット・カウデル 12R 判定 カルロス・エルナンデス

(欧州J・ライト級タイトル戦、1985年)

「英国フェザー級」パット・カウデル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カウデルがタイトル防衛。モレノ戦の次の試合は欧州王座の二度目の防衛戦。挑戦者エルナンデスは元王者。スペイン・タバラ出身で、これまで36勝(12KO)8敗5分。ロベルト・カスタノン(スペイン)に敗北、スペイン王座戦(J・ライト級)でKO負け。欧州J・ライト級王座を獲得できたが、初防衛ならず。王座を奪回してから好調で、連続防衛(カスタノンとドローで防衛)。しかし、世界は広い。コーネリアス・ボサ・エドワーズにTKOで王座陥落。再起戦の相手は後のWBO王者ダニエル・ロンダで、判定負け。スペイン王座(J・ライト級)獲得、初防衛に失敗、奪回。カウデルからかつて保持していた欧州王座を奪回できるかどうか、といったところ。バーミンガムでの一戦。いつものように猫背な姿勢からジャブ連打のカウデル。実に手数が多く、ワンツー、フック、ボディ打ちで隙を狙う。エルナンデスは一発一発にパワーを込めるタイプで、時折サウスポーにスイッチする器用さ。ジャブで先手を取るカウデル。次第に手数を増していくエルナンデス。8R、エルナンデスが左ボディ連打、ワンツー。9Rにはコンビネーション(右ストレートからの左フック、右アッパーからの左フック)。しかし、ジャブが少ないため攻撃をかわされるシーンが多いように見える。手数のカウデル、パワーのエルナンデス。最後まで一進一退のまま12R終了。判定は中差の3-0。カウデルが手数で勝利。危険なパンチをかわし、時にはクリンチで試合を優位に進めた。エルナンデスはパワフルで良かったが、ジャブが少なかったのが惜しい。これが最後の試合に。)


パット・カウデル 6R TKO スティーブ・グリフィス

(ライト級戦、1986年)

「英国フェザー級」パット・カウデル①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:エルナンデス戦後、ノンタイトル戦に勝利してアズマー・ネルソンのWBC世界フェザー級王座に挑戦したカウデルだが、何と1RでKO負け(1985年)。グリフィスと再起戦。中堅選手グリフィスはロンドン出身の黒人サウスポー。これまで12勝(4KO)4敗。ダニエル・ロンダにTKO負け、英国のローカル王座(ライト級)に挑戦してKO負け。英国ドンカスターでの一戦。1R、共に速いパンチで手数。カウデルのテンポの速い攻めにグリフィスは右ジャブ、左ストレート、右フックで応戦。カウデルの右カウンターがヒット。攻めるときのガードに甘さがあるグリフィスは2R以降、慎重に距離を取ってカウンター作戦。カウデルはネルソンにKOされた後遺症は無さそうな動きで、ワンツー、フック連打、コンビネーション(左フックからの右ストレート、右アッパーからの左フック)。4R、互いにカウンター。6R、相手の勢いに押されるグリフィス。右ストレート、左フックを食ってクリンチで対応するが、さらに連打されたところでレフェリーストップ。カウデルが積極的に攻めて勝利。パンチにはキレがあった。グリフィスは悪くなかったが、ガードの隙を突かれた。その後、グリフィスは中堅相手に勝ったり負けたりでキャリアを終えた。)

 

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