世界四階級王者。NABO王座戦のカタリーノ・ベセラ戦、フランシスコ・アレオラ戦ほかを紹介します。
ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①ファン・マヌエル・マルケス 7R TKO カタリーノ・ベセラ
(NABOフェザー級タイトル戦、1997年)
(ダウンシーン)
1R:連打でベセラがダウン
7R:右ストレートでベセラがダウン
(感想:マルケスがタイトル防衛。決定戦でNABO王者になったマルケスが二度目の防衛戦。これまで20勝(14KO)1敗、23歳。挑戦者ベセラ(26歳)はパナマシティ出身のサウスポーで、18勝(8KO)2敗3分。試合は全てパナマ。パナマ王座、IBFラティノ王座(いずれもJ・フェザー級)を獲得してきた。初のアメリカでの試合でどんな動きを見せるか? カリフォルニア州イングルウッド「Great Western Forum」での一戦(マルケスのセコンドにナチョ・ベリスタイン)。1R、左右の構えは違うが、共にガードを上げてジャブ。ベセラは長いパンチを使う男で、左ストレート、振りが大きめのフック。左ボディ打ちに強さがある。マルケスも長いパンチを使うが、パンチに鋭さ(ワンツーからの左フックなど)。斜め下から突き上げる左フックには迫力がある。ワンツーからの連打でベセラがダウン。3Rにバッティングで右目付近を負傷したマルケスだが、ワンツーなど隙を突くパンチで優勢。ベセラは連打で反撃するが、ディフェンスされてしまう。それにイラついたか、ベセラは6Rにローブローを放って減点。7R、左フックからの右ストレートでベセラがダウン。立ったがダメージがあり、レフェリーストップ。マルケスが快勝。相手がサウスポーでも特に問題なく、長いパンチを正確に当てた。ベセラは気の毒。悪い選手ではないが、攻撃をディフェンスされて最後は強打に沈んだ。その後、KO負けが続いて引退。)
②ファン・マヌエル・マルケス 9R TKO ルイス・サムディオ
(フェザー級戦、1998年)
(ダウンシーン)
9R:ワンツーでサムディオがダウン
(感想:NABO王者マルケスがノンタイトル戦。サムディオ(25歳)はパナマ・ダビッド出身。身長が180cmもある。これまで9勝(4KO)3敗1分。二連続KO負けしたこともあったが、パナマ王座&WBC地域王座(フェザー級)のダブルタイトル戦に勝利して王座獲得。その次の試合でマルケスと勝負。「Great Western Forum」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはルー・フィリポ。会場ではWBC世界ウェルター級王者オスカー・デラ・ホーヤが観戦)。似たタイプの二人。ガードを固めてジャブ、長いパンチ(右ストレートからの左フック、ボディ打ち、など)。相変わらずワンツーからの左ボディ打ちにパワーがあるマルケスだが、時折ローブロー。サムディオは振りは大きいが左フックにキレがあり、斜め下からの右フックにも良さ。2R、マウスピースを落とすサムディオ。上下逆に入れられて、また落下。入れ直すのにやや手間取るレフェリー。互いにディフェンスしながら中間距離での攻防。6R、マルケスがローブローで減点。7R、8R、サムディオが打たれてマウスピース落下。9R、ワンツーでサムディオがダウン。立ったが、戦意喪失でレフェリーストップ。マルケスがディフェンスしながら勝利。似たタイプでリーチのある相手はさぞかしやりにくかっただろう。サムディオは全体的に大振り。攻撃の緻密さに欠けた。その後、サムディオはNABOスーパーフェザー級王座戦、パナマ・ライト級王座戦に敗れるなど勝ったり負けたりだった。)
③ファン・マヌエル・マルケス 3R TKO フランシスコ・アレオラ
(NABOフェザー級タイトル戦、1998年)
(ダウンシーン)
3R:右カウンターでアレオラがダウン
(感想:マルケスがタイトル防衛。七度目の防衛戦。挑戦者アレオラ(30歳)はメキシコ・グアダラハラ出身のサウスポー。1986年にデビュー。主戦場はアメリカだが、イタリア、フランスでも試合経験。ロリス・ステッカとドロー、その弟マウリシオ・ステッカに判定負け、ローカル王座(フェザー級)、WBC米大陸王座(J・フェザー級)などを獲得。中堅どころと戦ってきたが、このところ試合間隔が長い。直前の試合は約一年前でTKO負け(WBCラテンアメリカ・スーパーフェザー級王座戦)。ラスベガス「Tropicana Hotel & Casino」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはミッチ・ハルパーン)。動きとトランクスがヘクター・カマチョ風のアレオラ(カマチョと関係があるのだろうか?)。右ジャブ、そして踏み込んで左フック。なかなか思い切った攻めだが、攻めるときのモーションが大きい。2R、相手の隙を狙うマルケス。右フックをカウンターでヒットさせる。3R、右カウンターでアレオラがダウン。ダメージ深く、そのままストップされた。マルケスが隙のある相手を一蹴。アレオラはブランクがちであるうえに大味なボクシング。それでは登り調子のマルケスには勝てない。これが最後の試合に。)
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