2025年7月25日金曜日

「四階級制覇」ファン・マヌエル・マルケス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界四階級王者。世界王者になる前のウィルフレド・バルガス戦、ロケ・カシアニ戦ほかを紹介します。


ファン・マヌエル・マルケス(メキシコ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


ファン・マヌエル・マルケス 2R TKO ウィルフレド・バルガス

(スーパーフェザー級戦、1999年)

「四階級制覇」ファン・マヌエル・マルケス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フック、左フックで2度、バルガスがダウン

2R:右ストレート、左フックで2度、バルガスがダウン

(感想:NABOフェザー級王座を七度防衛したマルケス。どうやら王座を返上したらしく、バルガスとノンタイトル戦。これまで28勝(22KO)1敗、25歳。23勝(18KO)11敗のバルガス(29歳)はサウスポーのプエルトリカン(ポンセ出身)。後の世界王者ダニエル・ヒメネスをKOするなど連勝でWBO世界J・バンタム級王座に挑戦したが、TKO負け(1990年)。デューク・マッケンジー、ラファエル・デル・バーレのWBO世界バンタム級王座に挑戦して、いずれもTKO負け。ダニエル・サラゴサにもKO負け。すっかりベテランになったが、このところ二連続KO勝ち。カリフォルニア州イングルウッド「Great Western Forum」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア。マルケスのセコンドにナチョ・ベリスタイン)。1R、互いにジャブ。ワンツーのマルケス。バルガス(マルケスと比べると小柄)は相手から距離を取って左カウンターを狙うが、右フック、斜め下からの左フックで二度ダウン。ラウンド終了間際には右ストレートを食ってダウン寸前に。2R、オーソドックスにスイッチしたバルガスが右ストレートを当てる。しかし、パワーの差。右ストレート、左フックで二度ダウン。タオルが投入されて試合終了。セコンドの判断に怒りのバルガス。続行可能な様子だったが、マトモに打たれていたため棄権は致し方ないところ。マルケスが快勝。次の試合はいよいよ初の世界挑戦。バルガスはその後、プエルトリコ・フェザー級王座に挑戦して1RでTKO負けするなど勝ち星無しでキャリア終了。)


ファン・マヌエル・マルケス 8R TKO レミヒオ・モリナ

(フェザー級戦、1999年)

「四階級制覇」ファン・マヌエル・マルケス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左ボディでマルケスがダウン

8R:左フック、右ストレートで2度、モリナがダウン

(感想:NABOフェザー級王座を七度防衛したマルケス。WBO世界フェザー級王者ナジーム・ハメドへの挑戦権を持っていたが、ハメドは挑戦を受けず。ターゲットをWBA世界フェザー級王者フレディ・ノーウッドに変更。初の世界挑戦は判定負けに終わり、モリナと再起戦。これまで35勝(14KO)3敗1分のモリナはアルゼンチン・コリエンテス出身。1992年のバルセロナ・オリンピックにバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。プロでは地元で連戦連勝。初の海外試合(英国)は初の世界挑戦で、WBO王者ハメドに2RでTKO負け。メキシコでWBC世界J・フェザー級王者エリック・モラレスに挑戦したときは6RでTKO負け。地元では強いが、敵地では結果を出せていない。ラスベガス「Hard Rock Hotel and Casino」での一戦(レフェリーはケニー・ベイレス)。足でリズムを取りながらジャブ、ワンツーのマルケス。左腕を殊更高く上げるガードの仕方はリカルド・ロペスそっくり。サウスポーのモリナは残念。用心深い姿勢で左カウンターを狙うディフェンシブなスタイル。そんなモリナにマルケスが左フックカウンター、左フックからの右ストレート。2R終了間際にハプニング。左ボディがカウンターとなってマルケスがダウン。しかし、大したダメージはなく、その後もディフェンシブなモリナの隙を狙うパンチで攻めの姿勢。5Rには右フックをクリーンヒット。8R、左フックが効いたモリナ。左フックで二度ダウン。立ち上がり、抵抗するモリナ。しかし、最後は強烈な右ストレートで三度目のダウン。それと同時にレフェリーは試合を止めた。マルケスが安定感のある動きで勝利。モリナは狙い通りカウンターでダウンを奪うことができたが、最後にキツいパンチを食らった。もっと思い切りのいい攻めをして欲しかったところ。その後、モリナはアルゼンチン・フェザー級王座戦、WBFスーパーフェザー級王座戦に敗北するなど勝ったり負けたりだった。)


ファン・マヌエル・マルケス 12R 判定 ロケ・カシアニ

(NABOフェザー級王座決定戦、2000年)

「四階級制覇」ファン・マヌエル・マルケス③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マルケスが王座奪回。モリナ戦の次の試合。黒人カシアニ(30歳)はコロンビアのサン・バシリオ・デル・パレンケ出身。IBFインターコンティネンタル王座、コロンビア王座(いずれもフェザー級)に挑戦してKO負け。ウィルフレド・バスケスのWBA世界フェザー級王座への挑戦は判定負け。重要な試合を落としてきたキャリアで、直前の試合は判定負け。ネバダ州ステートライン「シーザース・タホ」での一戦。互いにジャブ、パワフルな左フック。マルケスが得意の左フックからの右ストレート。カシアニはワンツーからの左フックに力強さがあるが、真っ直ぐ攻めるクセ。互角の勝負。ディフェンスしながらジャブ、パワーを乗せたストレート、フック、ボディ打ち。6R、右パンチを決めたカシアニだが、マルケス全力の左ボディ打ちがローブローになって苦悶の表情。その後も一進一退。コンビネーションのマルケス、単発のカシアニ。互いにディフェンスし合うため、どちらかが大きくピンチになるシーンもなく12R終了。判定は大差の3-0。マルケスがパワー&手数で勝利。ただ、ポイント差ほど大きな実力差は無し。コンビネーションで攻める分、ジャッジからはマルケスの方が見栄えが良かったのだろう。その後のカシアニ。勝ったり負けたり連敗したり。実力に見合わないキャリアとなったが、2005年までリングに上がった。)


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