2025年7月4日金曜日

「ピッツバーグのサウスポー」ポール・スパダフォーラ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界ライト級王者。世界王者になる前の試合&世界王者時代の試合。デニス・ホルバエク・ペーダーセン戦ほかを紹介します。


ポール・スパダフォーラ(アメリカ)

身長175cm:サウスポー


ポール・スパダフォーラ 4R TKO マイケル・ロペス

(J・ライト級戦、1996年)

「ピッツバーグのサウスポー」ポール・スパダフォーラ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右フックでロペスがダウン

(感想:ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の白人スパダフォーラ。貧困と薬物に苦しむ家庭の出。11歳でボクシングを始める。アマチュアで優秀な戦績。プロ入り後、これまで4連勝(2KO)。ロペスはフロリダ州マイアミの黒人だが、1勝(1KO)6敗の「かませ犬」的なキャリア。マイアミでの一戦(会場でビニー・パジェンザが美女(奥さん?)と観戦)。ゴング前、ちょっとしたダンスを披露するロペス(明るい人)。試合ではトリッキーな動きを入れながら勢いで連打(左右フックなど)。ただ、真っ直ぐ攻めるクセがあり、攻めているときのガードに甘さ。スパダフォーラはマジメなボクシング。「いかにもサウスポー」といった感じで、ダッキングしながら前進。右ジャブ、ワンツー、右フックを正確に入れようとする(パーネル・ウィテカーのようなタイプ)。2R、スパダフォーラの左ストレートがクリーンヒット。3R、左フックからの右フックでロペスがダウン。その後も左を打たれるロペスはこのラウンド終了後に棄権。スパダフォーラが正統派スタイルで勝利。当てるテクニックを見せた。ロペスは手数で頑張るタイプだが、ガードに問題。その後も若手時代のビビアン・ハリスにTKO負けするなど負け続けて引退。)


ポール・スパダフォーラ 10R 判定 チャールズ・チョニオウスキー

(J・ウェルター級戦、2001年)

「ピッツバーグのサウスポー」ポール・スパダフォーラ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

10R:左ストレートでチョニオウスキーがダウン

(感想:ロペス戦後のスパダフォーラ。さらに連勝後、王座決定戦で判定勝ちしてIBF世界ライト級王座を獲得。連続防衛。これまで33連勝(14KO)、25歳。チョニオウスキーとノンタイトル戦。チョニオウスキー(24歳)はペンシルベニア州フィラデルフィア出身の白人。デビューから概ね好調(「アリ・モハメド」なる選手に二連勝)で20勝(11KO)3敗1分。中堅どころに勝利してきたが、直前の試合は判定負け。ウェストバージニア州チェスターでの一戦。ゴツいパンチ&タフネスで勝負するチョニオウスキー。攻めの姿勢でジャブを連打し、右パンチ(ストレート、フック)を狙う。また、打つときはフックをまとめるなど手数も多い。スパダフォーラは左のテクニック。ジャブ、ワンツー、パワーを込めた右フック、コンビネーション(ワンツーからの右フック)。4R、スパダフォーラの左ストレートがヒット。チョニオウスキーは打たれても前進して逆にパンチを当てる勇ましさ。しかし、右目下を負傷。10R、スパダフォーラが右フックを決め、左ストレートでチョニオウスキーのマウスピースを落下させる。そしてラウンド終了間際、左ストレートでチョニオウスキーがダウン。立ち上がり、10R終了。判定は3-0。打たれるシーンもあったが、スパダフォーラがディフェンス&パンチの正確さで勝利。チョニオウスキーは最後まで前に出るなどよく頑張った。その後のチョニオウスキー。アイバン・ロビンソンに2-0で勝利できたが、マイケル・スチュワートとの全米スーパーライト級王座決定戦にTKO負け。以後は勝ったり負けたりでキャリア終了。)


ポール・スパダフォーラ 12R 判定 デニス・ホルバエク・ペーダーセン

(IBF世界ライト級タイトル戦、2002年)

「ピッツバーグのサウスポー」ポール・スパダフォーラ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:スパダフォーラがタイトル防衛。チョニオウスキー戦の次の試合でエンジェル・マンフレディ相手にIBF王座を防衛したスパダフォーラ。次の挑戦者ペーダーセンはデンマーク・コリング出身の白人で、IBCライト級王者でもある。ニックネームは「The Menace(脅威の男)」。これまでの試合は全てデンマーク。IBC王座(ライト級、スーパーフェザー級)、欧州王座(スーパーフェザー級)を獲得しているが、欧州王座戦でKO負け。その後は連勝で、IBFインターコンティネンタル王座(スーパーフェザー級)を獲得し、欧州王座を奪回している。ウェストバージニア州チェスターでの一戦(一応「IBF・IBCライト級王座統一戦」。「団体の格」が違いすぎるが)。細かい打ち合い。坊主頭のスパダフォーラはジャブが多く、ワンツー、右フック。ペーダーセンは細かい打ち方で左フックからの右ショートなどに当てる巧さ。4R、ペーダーセンの右フックで足に来たスパダフォーラだが、ジャブで体勢を立て直す。その後は互いにパンチを当てるが、スパダフォーラがジャブで試合をリード。ペーダーセンは単発のヒットに終わる。12R終了。判定は3-0。スパダフォーラがジャブ、左ストレート、ディフェンスで勝利。細かいパンチの応酬となったが、スパダフォーラは長いパンチ(左ストレート)も効果的だった。その後の二人。この試合後、ペーダーセンはブランク。カムバックしたが、リッキー・ハットンとWBU王座(スーパーライト級)を争ってTKO負けだった。スパダフォーラは次の試合でWBA王者レナード・ドーリンとIBF・WBA世界ライト級王座統一戦を行ったが、引き分け(2003年)。その後もリングに上がり続けたが、トラブル(刑務所に収監されたことも)などにより試合間隔が長めに。2013年、WBA世界スーパーライト級暫定王座戦で判定負け、プロ初黒星。ボクサーとして成功したが、数々のトラブル。キャリアを台無しにしてしまった。)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿