2025年7月3日木曜日

「金メダル&世界王座」ホエール・カサマヨール「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界S・フェザー級王者。ノンタイトル戦のヨニ・バルガス戦、ラモント・ピアーソン戦、ジェイソン・デービス戦を紹介します。


ホエール・カサマヨール(キューバ)

身長170cm:サウスポー


ホエール・カサマヨール 5R TKO ヨニ・バルガス

(ライト級戦、2002年)

「金メダル&世界王座」ホエール・カサマヨール「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:左ストレートで2度、バルガスがダウン

(感想:キューバ・グアンタナモ州出身の黒人サウスポー、カサマヨール。ニックネームは「El Cepillo」(英語で言うところの「The Brush(摩擦力)」。由来は?)。バルセロナ・オリンピック(1992年)でバンタム級金メダル。プロ入り後は快調で北米S・フェザー級王座、WBA世界S・フェザー級暫定王座を獲得し、正規王者の白鐘権(韓国)との王座統一戦で勝利。しかし、WBO王者アセリノ・フレイタスと王座統一戦を行い、初黒星。これまで27勝(17KO)1敗、31歳。バルガス戦は再起二戦目。23勝(12KO)3敗のバルガス(28歳)はメキシコ・メヒカリ出身で、デビューから主戦場はアメリカ。カリフォルニア州王座(ライト級)、NABO王座(スーパーフェザー級)を獲得するなどの実績。フロリダ州マイアミでの一戦。キューバの国旗をデザインしたコスチューム&トランクスのカサマヨールは「典型的なサウスポー」。相手から距離を取ってディフェンスしながら右ジャブ、左カウンター。ワンツーからの右ジャブといったテクニック。受け身な試合ぶりだが、左にパワーがある(キューバの強豪にありがちな強さ)。バルガスは攻めの姿勢でジャブ、ワンツー、メキシカンらしい左右フックボディ打ち。しかし、ディフェンスされるため接近してボディ攻めに集中。5R、左パンチを食うバルガス。右目下のキズが悪化。左ストレートでダウン。立ったが、左ストレートで二度目のダウン。今度も立ったが、キズもあってレフェリーストップ。カサマヨールがキューバ人らしいディフェンス&強打で勝利。バルガスは悪くはなかったが、攻めても逆に打たれた。自分のパンチが効かないうえに強く打たれるのはさぞかし恐怖だったろう。その後、バルガスはフィリップ・ヌドゥにTKO負けしたり、地域王座戦に敗れたりでキャリア終了。)


その後のカサマヨール 

バルガス戦後、ネート・キャンベル、ディエゴ・コラレスに連勝して好調だったが、WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦でコラレス(再戦)に敗北。WBC世界ライト級王者ホセ・ルイス・カスティージョへの挑戦は判定負け。続くWBC世界ライト級挑戦者決定戦はドロー。


ホエール・カサマヨール 9R TKO ラモント・ピアーソン

(スーパーライト級戦、2006年)

「金メダル&世界王座」ホエール・カサマヨール「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ピアーソンはメリーランド州の黒人。アマチュア王者(ライト級)からプロ入り。デビューから連勝でNABA王座、全米王座(いずれもスーパーフェザー級)獲得。しかし、判定で初黒星。タイ・バンコクでヨーサナン・3KバッテリーにTKO負け(WBA世界スーパーフェザー級王座挑戦)。全米王座奪回に失敗。ブランク後、全米王座奪回。ピークは過ぎているが、どんな動きを見せるか? アリゾナ州フェニックスでの一戦(会場では元WBO世界ヘビー級王者トミー・モリソンが観戦)。カサマヨールはいつものように右ジャブ、左ストレート。ピアーソンは意外にパンチにキレがあり、右ストレート、力を入れた左フック。しかしながら、慎重姿勢で受け身。いいパンチを打っているが、カサマヨールに攻められてブロック。攻勢点でカサマヨール優勢。9R、左ストレートでピアーソンがダウンしたが、「スリップ」の裁定。そのままピアーソンが右目付近のキズのドクターチェック。試合終了。カサマヨールが終始攻めの姿勢で勝利。残念だったピアーソン。バランスが良く、筋のいい打ち方をしていたが、手数が少なかった。これが最後の試合に。)


その後のカサマヨール 

ピアーソン戦の次の試合はコラレスとの三度目の対戦。コラレスのWBC世界ライト級王座に挑戦して2-1の勝利。ところがややこしい話。コラレスがウェイトオーバーで王座剥奪。それにより暫定王者デビッド・ディアスが正規王者に昇格。カサマヨールがコラレスとの三戦目で獲得したのはWBC世界ライト級暫定王座になってしまった。その王座も一度防衛後、剥奪。ファン・マヌエル・マルケスにTKO負け。ジェイソン・デービスと再起戦。


ホエール・カサマヨール 8R 判定 ジェイソン・デービス

(スーパーライト級戦、2009年)

「金メダル&世界王座」ホエール・カサマヨール「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:38歳のカサマヨール。デービス(27歳)はオレゴン州セイラム出身の白人。デビューから中堅相手にまずまずだったが、このところスティーブ・フォーブス戦、ローカル王座戦に敗れて連敗中。ラスベガスでの一戦。パンチにスピードがないカサマヨール。小手先のテクニックで戦い、左カウンターを狙う。デービスはジャブを使いながら右ストレートを打つが、ディフェンスされて単発に終わる。2Rに押されて転倒したカサマヨールだが、その後はディフェンス&カウンターでポイント。8R終了。判定は3-0(三者とも「79-73」)。カサマヨールが往年のテクニックで勝利。ただ、パワーは無し。デービスは単調な攻めをかわされて敗北。その後の二人。デービスはさらに負けが増えていった。カサマヨールはデービス戦後、一勝一敗。そして40歳でWBO世界スーパーライト級王者ティモシー・ブラッドリーに挑戦してTKO負け。スピード感に欠ける試合ぶりだったせいだろうか、これで引退。)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿