WBC世界フェザー級王者。世界王者になる前の試合&防衛戦。アート・ハーフェイ戦、ホセ・カバ戦を紹介します。
ダニー・ロペス(アメリカ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)
①ダニー・ロペス 7R TKO アート・ハーフェイ
(フェザー級戦、1976年)
(ダウンシーン)
6R:右ストレートでハーフェイがダウン
(感想:このところルーベン・オリバレス、ショーン・オグラディを破るなど好調のロペス。ハーフェイはカナダの白人。身長は157cmで小柄。カナダ王座(バンタム級)、北米王座(フェザー級)に挑戦していずれも惜しい判定負け。主戦場をアメリカに移し、ルーベン・オリバレスをKOするなど連勝。しかし、オリバレスとの再戦に判定負け、アレクシス・アルゲリョにKO負け。以来、中堅選手相手に連勝中。カリフォルニア州イングルウッド「フォーラム」での一戦。慎重に距離を取りながら右ストレート、フックで一発を狙うハーフェイ。ロペスは以前と比べると少し変化。ジャブ連打で手数を出しながらストレート、斜め下からのフック、ボディ打ちで隙を突く攻撃。ただ、不用意に右パンチを食うところは変わらず。3R、ハーフェイが力強い右フックからの左フック。試合は全般的に手数でロペス優勢。6R、ロペスがワンツーからの左フック。そして右ストレートでハーフェイがダウン。7R、ロペスがコンビネーションで攻めたところでレフェリーストップ。打たれるシーンはあったが、ロペスが勝利。以前のように手数で圧倒するパターンではなく、今回は慎重に隙を狙うボクシングだった。ハーフェイはパンチ自体は悪くはなかったが、一発狙いでリズム的にはもう一つな攻め方。これが最後の試合に。)
②ダニー・ロペス 3R TKO ホセ・カバ
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1979年)
(ダウンシーン)
3R:左フック、連打で2度、カバがダウン
(感想:ロペスがタイトル防衛。ハーフェイ戦の次の試合でデビッド・コティ(ガーナ)を判定で下してWBC世界フェザー級王者になったロペス。ホセ・トーレス、コティ、ホセ・デ・ポーラ、ファン・マルバレス、フェル・クレメンテ、ロベルト・カスタノン、マイク・アヤラを相手に防衛成功。カバと八度目の防衛戦。カバはドミニカの黒人。ロサンゼルスやハワイで試合。来日して日本人選手に勝利するなどこのところ連勝中であるが、タイトル戦はこれが初めて。ロサンゼルス「スポーツ・アリーナ」での一戦。いつものようにロペスがジャブ連打、右ストレートからの左フック。アフロヘアーのカバは距離を取って戦う慎重派で1Rから右フックをヒットさせる。また、左フックをボディからアゴへ連打するバランスの良さも。2Rも右ストレート、左フックを食うロペス。しかし、カバは良いパンチを当てても畳み掛けるような攻めをしない(常に慎重派)。3R、ワンツーをクリーンヒットさせたロペス。畳み掛けるように右フック、右ストレート。左フックでカバがロープ外にはみ出るダウン。再開後、連打でまたしてもカバがロープ外にダウン。今度も立ったが、ラッシュされて試合ストップ。ロペスが十八番であるワンツーで勝利。この試合でも打たれたが、3Rは良いラウンドだった。カバは残念。かつてボビー・チャコンがロペスをKOしたとき、強いパンチを入れながらKOのチャンスを狙ったもの。カバは強打を決めたが、自分から距離を取って攻めなかった。その後、カバは連勝してエウセビオ・ペドロサのWBA王座に挑戦したが、判定負け。再起戦でバリー・マクギガンにTKO負け。ブランクからカムバックしたが、北米王座戦(J・ウェルター級)に敗れて三度目の世界挑戦ならず。その後のロペス。九度目の防衛戦の相手はあのサルバドル・サンチェス。TKO負けで王座陥落。リターンマッチもサンチェスのTKO勝ちでロペスはそれが事実上のラストファイトに。勇敢で手数も多かったが、打たれる選手だったのが惜しい。)
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