2025年7月18日金曜日

「超特急」バーナード・テーラー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

北米・全米王者。三度の世界挑戦経験。ジェラルド・ヘイズ戦(再戦)、ジョー・ルエラス戦(北米王座戦)を紹介します。


バーナード・テーラー(アメリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


バーナード・テーラー 10R 判定 ジェラルド・ヘイズ

(J・ライト級戦、1985年)

「超特急」バーナード・テーラー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:右フック連打でヘイズがスタンディングダウン

(感想:ノースカロライナ州のテーラー(27歳)は「The B.T. Express」と呼ばれる黒人。「まるで超特急のようなスピード」という意味だが、パワーもある。アマチュアで活躍したが、1980年のモスクワ・オリンピックには出場ならず(アメリカがボイコットしたため)。プロ入り後は連戦連勝でエウセビオ・ペドロサのWBA世界フェザー級王座に挑戦したが、フットワークを使いすぎて引き分け(1982年)。それ以後、連勝中だが(これまで29勝(17KO)1分)、ノンタイトル戦が続く。24勝(11KO)20敗4分のヘイズ(32歳)はニュージャージー州の黒人。1975年、デビュー。ルペ・ピントール、ボビー・チャコン、ロッキー・ロックリッジ、アレクシス・アルゲリョに判定負け、判定でニュージャージー州王座(J・ライト級)獲得。テーラーとの初戦は判定負け。フレディ・ペンドルトンに判定勝ち、マルコス・ビジャサナに2-1で敗北、ファン・ラポルテに2-0で勝利、エウセビオ・ペドロサにTKO負け。実力者と対戦してきたベテラン。判定決着が多いところからすると「しぶといが決定力に欠ける選手」のような気もするが、どんな試合を見せるか? 初戦と同じアトランチックシティでの一戦(ボブ・アラム「トップランク・ボクシング」。レフェリーはトニー・オーランド)。共に力強いパンチ。ヘイズはワンツー、振りが大きめのフック攻撃。テーラーは端正なボクシングで、ワンツー、左のテクニック(左フック、左ボディ打ち)、パワーを込めた右フック。接近戦が続く。左右フックで打ち合うが、ディフェンス&ワンツーでポイント的にはテーラーが優勢か? 6R、テーラーがタイミングを捉え、右アッパーを上手くヒットさせる。7Rにはパワフルな右フック連打でヘイズにスタンディングカウントを聞かせる。その後も打ち合いが続いたが、テーラーがディフェンスでリード。10R終了。判定は3-0。レベルが高いテーラー。シャープなパンチ、パワー、ディフェンスで勝利。ただ、良いパンチを打っていたが、KOできず(なぜだろう?)。ヘイズはタフネスでよく前に出たが、やや一本調子だったか。次の試合も判定負けで引退。)


バーナード・テーラー 12R 判定 ジョー・ルエラス

(北米フェザー級タイトル戦、1986年)

「超特急」バーナード・テーラー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:チョッピングライトでテーラーがダウン

(感想:テーラーがタイトル獲得。ヘイズ戦後、無敗のままバリー・マクギガンのWBA世界フェザー級王座に挑戦したテーラーだが、TKO負け。再起戦に勝利して北米王座に挑戦。これまで35勝(19KO)1敗1分、29歳。王者ルエラス(23歳)はカリフォルニアの選手で、19勝(15KO)2敗。フレディ・ローチにTKO負けしているが、決定戦で北米王者に。これが初防衛戦。ラスベガスでの一戦(ボブ・アラム「トップランク・ボクシング」。リングアナはチャック・ハル、レフェリーはカルロス・パディーリャ)。ルエラスはテーラーと同様、正統派タイプ。ジャブ、ワンツー、左フック。しかしながら、パンチの伸び、当てる巧さ、連打の回転力はテーラーが上。ところが2R、チョッピングライトでテーラーが沈むかのようにゆっくりとダウン。3R以降、慎重にアウトボクシングするテーラー。ディフェンスしながらジャブ、右カウンター。ルエラスは攻めるが、得意のワンツーをかわされる。次第に回復してきたテーラー。ワンツーからの左ジャブといったテクニック、ボディ打ち。12R終了。判定は大差の3-0。テーラーが総合力で勝利。ダウンは食ったが、実力的には明らかに上だった。ルエラスは真っ正直なボクシング。悪くはないが、それでは「一定のレベル以上の相手」には敵わない。その後のルエラス。再起戦でフリアン・ソリス(元WBA世界バンタム級王者)をKOしたが、その次の試合でハイメ・ガルサ(元WBC世界J・フェザー級王者)に2-1で敗北。王座戦はテーラー戦が最後となった。)


その後のテーラー

ヘクター・ロペスにTKO負け。北米王座防衛。階級を上げ、カルビン・グローブをKOして全米J・ライト級王者に。有望株ユージン・スピードを破って三度目の世界挑戦のチャンス到来。しかし、既にテーラーが活躍できる時代ではなく、IBF世界J・ライト級王者ジョンジョン・モリナにTKO負け(1993年)。世界王者にはなれなかったが、「世界レベルのパンチ」は確かに持っていた。 

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