WBA世界フェザー級王者。世界王者になる前の試合&王座防衛戦。フェリシアノ・コレア戦、ビクトル・ポロ戦を紹介します。
デリック・ゲイナー(アメリカ)
身長175cm:サウスポー
①デリック・ゲイナー 1R TKO フェリシアノ・コレア
(フェザー級戦、1995年)
(ダウンシーン)
1R:左カウンターでコレアがダウン
(感想:フロリダ州ペンサコーラ出身の黒人ゲイナーは長身選手(慈善活動もやるらしく、出身が同じロイ・ジョーンズ・ジュニアと親しい)。これまで12勝(6KO)3敗。デビュー三戦目で判定負け。それから連勝だったが、グレグ・トーレス、ロベルト・ガルシア(後、IBF世界スーパーフェザー級王座獲得)に3-0で二連敗。コレア戦はその再起戦となる。コレアはアイオワ州の選手。このところ二連続KO勝ちだが、ローカルな試合がほとんど。ペンサコーラでの一戦。身長差のある二人。ジャブ、右ストレートで前に出るコレア。迎え撃つ形のゲイナーは右フック、そして左カウンターで早くもダウンを奪う。それでも攻めるコレアだが、ゲイナーはパワフルなストレート、フック。ロープ際で速射砲のような連打をコレアが浴びたところでレフェリーストップ。ゲイナーが鋭さとパワーのあるパンチで快勝。間違いなく強い男。後は実力者相手に良い勝ち方ができるよう経験を積むだけ。コレアは悪い選手ではなかったが、普通。ゲイナーと戦えるレベルではなかった印象。その後もコレアは中堅を相手に勝利。アルツロ・ガッティには3RでKO負けだった。)
その後のゲイナー
ハロルド・ウォーレンとの新旧サウスポー対決に判定勝ちして北米フェザー級王座獲得。WBU王座戦(フェザー級)でケビン・ケリーにKO負け。KOでWBC米大陸王座(フェザー級)を獲得。そこから連戦連勝。ケリーとの再戦に判定勝ち、再びウォーレンを判定で下して全米スーパーフェザー級王座獲得。ディエゴ・コラレスのIBF世界スーパーフェザー級王座に挑戦したが、TKO負け。再起二連勝でフレディ・ノーウッドをTKO、WBA世界フェザー級王者に(ただ、ノーウッド戦はボクシング史に残る酷い試合。反則のオンパレードだった)。ビクトル・ポロと初防衛戦。
②デリック・ゲイナー 12R 判定 ビクトル・ポロ
(WBA世界フェザー級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
11R:左カウンターでポロがダウン
(感想:ゲイナーがタイトル初防衛。挑戦者ポロはコロンビア・ボリーバル出身の黒人サウスポー。身長は175cmでゲイナーと同じ。デビューから概ね好調で、WBCの地域王座、IBFインターコンティネンタル王座(いずれもフェザー級)獲得。しかし、ファン・ポロ・ペレス(元IBF世界J・バンタム級王者)とドロー、マヌエル・メディナ(IBF世界フェザー級王座戦)に敗北。直前の試合はWBA王座挑戦者決定戦を兼ねたNABA王座戦(フェザー級)で判定勝ち。パワーに問題がありそうな経歴。フロリダ州タンパでの一戦(会場ではイベンダー・ホリフィールドら有名人が観戦)。共にスリムな長身サウスポー。長い右ジャブ、左ストレート、フックを使う似たタイプ。攻めるポロに対し、ゲイナーはリズミカルなフットワーク&トリッキーな動きを入れながら左カウンターを狙う(フェリシアノ・コレア戦の時のような鋭さが無いのが残念。世界王者になる前の方が強かった、というパターンか?)。よく前に出るポロだが左カウンターを食い、11Rについにダウン。その後も同じようなパターンで12R終了。判定は2-1。勝って大喜びのゲイナーだったが、受け身の試合ぶりでエキサイティングではなかった。ポロは攻める努力が報われず。正直すぎる攻めだった印象。その後の二人。ポロはさらに世界王座に挑戦するチャンスを数度得たが、勝てず(最後の試合は2005年のファン・マヌエル・マルケスとのWBA・IBF王座戦で、3-0の敗北)。ゲイナーはその後も王座を守ったが、苦戦。そして、IBF世界フェザー級王者ファン・マヌエル・マルケスとの統一戦に敗れ、王座陥落。WBA世界フェザー級王者クリス・ジョン(インドネシア)にジャカルタで挑戦して判定負け、王座奪回ならず。それが最後の世界戦に。強い選手だったが、王座を獲ったノーウッド戦など「世界王者」としては微妙だった。)
0 件のコメント:
コメントを投稿