世界二階級制覇王者。世界王者になる前の試合&王座陥落後の再起戦。セレスティーノ・カバジェロ戦ほかを紹介します。
ダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)
身長170cm:サウスポー
①セレスティーノ・カバジェロ 12R 判定 ダニエル・ポンセ・デ・レオン
(IBF世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦、2005年)
(ダウンシーン)
8R:右ボディでデ・レオンがダウン
(感想:1980年生まれのデ・レオン。一家は過酷な生活。元々は5人兄弟だったが、生き残った子供は彼だけ。2000年、シドニー・オリンピックにフライ級で出場(1回戦負け)。メキシコでプロデビュー。連戦連勝でWBCユース王座(バンタム級)、NABO王座(S・バンタム級)を獲得。これまで24連勝(23KO)。20勝(15KO)2敗のカバジェロはパナマ・コロン出身の黒人。コチラも有望株。デビューから連勝でパナマ王座、WBOラティノ王座(いずれもS・バンタム級)を獲得。ホセ・ロハスにKO負けで初黒星。NABA王座(S・バンタム級)を獲得したが、リカルド・コルドバに判定負け。再起戦に勝利してデ・レオン戦。大事なところで負けてしまうキャリア。デ・レオンにはキッチリ勝ちたいところ。カリフォルニア州ハリウッドでの一戦(リングアナはルペ・コントレラス)。民族衣装で入場のデ・レオン(ネイティブ・アメリカンのような格好で、羽根飾り付き)。試合ぶりはファイターそのもの。右を使いながら左を強く当てようとする。スラリとした長身カバジェロは「いかにもパナマ」といった感じのアウトボクサー。距離を取ってディフェンスし、長いジャブ、ストレート、クリンチ。ただ、攻撃には正確さがあり、タイミングを捉える巧さも。カバジェロのクリンチを嫌がり、強引に振り解こうとするデ・レオンにレフェリーが警告(1R)。3R、右フックを当てられてデ・レオンがバランスを崩す。4R、カバジェロが長いリーチでコンビネーション(左ボディからの右ストレート)。デ・レオンは左ストレートをヒットさせる。7R、カバジェロがサウスポーにチェンジ(器用さは感じられたが、パワーはイマイチ)。8R、右ボディでデ・レオンがバランスを崩すダウン。これによるダメージはさほどなかったが、その後のカバジェロの右ストレート、斜め下からの左フックは強烈。12R、最後まで攻めるデ・レオンが左ストレートを決めたが、カバジェロのワンツー、左フックがより効果的か? 12R終了。判定は3-0。カバジェロが長いリーチ&ディフェンスで勝利。ただ、あまりエキサイティングな試合ぶりではない(パナマ人ボクサーによくあるパターン)。デ・レオンは左パンチを最初から最後まで打ち続けたが、相手の長身に一歩届かず。「やりにくい相手とどう戦うか?」が今後の課題。その後のカバジェロ。WBA・IBF世界スーパーバンタム級王座、WBA世界フェザー級王座を獲得し、世界二階級制覇。ただ、デ・レオンと再戦することはなかった。)
その後のデ・レオン
ソッド・ゴーキャットジム(タイ)を判定で下して空位のWBO世界スーパーバンタム級王座獲得。ジェリー・ペニャロサ、レイ・バウティスタらを相手に防衛。しかし、ファン・マヌエル・ロペスに何と1RでのKO負けで王座陥落(2008年)。
②ダニエル・ポンセ・デ・レオン 4R TKO ダミアン・ダビド・マルチアノ
(スーパーバンタム級戦、2008年)
(ダウンシーン)
4R:左フックでマルチアノがダウン
(感想:デ・レオンがロペスに敗れた再起戦。マルチアノはアルゼンチン・ブエノスアイレス出身。南米王座、アルゼンチン王座(いずれもバンタム級)を獲得しているが、NABO王座戦、IBO王座戦(いずれもバンタム級)は敗北。このところ二連敗中。メキシコ・チワワでの一戦。右ジャブを使いながら左ストレート、左フックのデ・レオン。マルチアノはガードを固めて右ストレートで抵抗するが、フックはそこそこ(パワーとキレに欠ける)。3R、デ・レオンが連打。4R、左フックでマルチアノがダウン。立ったが、セコンドが棄権を申し入れて試合終了。続行希望のマルチアノはセコンドに怒っていたが、そのまま続けても勝てなかっただろう。動きのキレ、バランスに問題があった。その後の二人。マルチアノは地域王座戦に出場したが、勝てず。デ・レオンもまた苦難。連勝後、エイドリアン・ブローナーに判定負け。その再起戦も敗北。そして2012年、日本でもおなじみジョニー・ゴンサレスに勝ってWBC世界フェザー級王座獲得、二階級制覇。しかし、その王座は初防衛失敗であっけなく奪われてしまった。その後、ファン・マヌエル・ロペスと再戦を行い、今度は2RでTKO負け。余程ロペスとは相性が悪かったのだろう。)
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