2025年7月13日日曜日

「激戦に次ぐ激戦」イスラエル・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界S・バンタム級王者。世界王者になる前のマルコス・リコナ戦、ネルソン・ラモン・メディナ戦、エデル・ルイス戦を紹介します。


イスラエル・バスケス(メキシコ)

身長164cm:オーソドックス(右構え)


マルコス・リコナ 12R 判定 イスラエル・バスケス

(NABOスーパーバンタム級王座決定戦、1999年)

「激戦に次ぐ激戦」イスラエル・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

9R:右ショートでバスケスがダウン

(感想:リコナがタイトル獲得。メキシコシティ出身のバスケス。激しいファイトをする男で、ニックネームは「Magnifico(マグニフィコ:魔術師)」(あまり「魔術師」というイメージはない。「隙を突くテクニック」のことを表現しているのかも)。17歳でプロデビュー。連勝後、TKOで初黒星を喫してしまったが、13戦目で後の世界王者オスカー・ラリオスを1RでKO。さらに連勝でNABO王座に挑戦。これまで20勝(16KO)1敗、21歳。12勝(3KO)1敗1分のリコナ(24歳)もメキシカン。主戦場はアメリカ。日本で判定勝ちしたことも。唯一の敗北はカリフォルニア州王座戦(フェザー級)で、カルロス・ナバロに3-0。再起二連勝中。ラスベガスでの一戦(レフェリーはミッチ・ハルパーン)。似たようなタイプの二人。ガードを上げてジャブ、ストレート。接近戦ではフック、ボディ打ち、コンビネーション(右アッパーからの左フック、右ストレートからの左ジャブ、ほか)。1Rから手数の多い打ち合いとなり、共に器用さ、当てるテクニックを披露。比較すると、バスケスは器用さ、リコナはパワー。接近戦での打ち合いはよりパワーのあるリコナが優勢か? 9R、右ショートでバスケスがダウン。その後も打撃戦。リコナは右目を腫らしながらもワンツー、左ボディ打ち。バスケスも負けじと応戦。最初から最後まで打ち合って12R終了。観客がスタンディング・オベーション。判定は2-1。リコナがパワフルなコンビネーションで勝利。バスケスは負けたが、世界戦レベルの好試合だった。その後のリコナ。さらに連勝を続けたが、ファン・マヌエル・マルケスに敗れるなど意外なことに勝ったり負けたりに。2005年のIBA王座戦(フェザー級)に敗れた後は全敗でキャリア終了。)


イスラエル・バスケス 7R TKO ネルソン・ラモン・メディナ

(フェザー級戦、1999年)

「激戦に次ぐ激戦」イスラエル・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでメディナがダウン

(感想:リコナに敗れた再起戦。メディナ(31歳)はベネズエラ人。ベネズエラの選手は「器用で戦績が良い」イメージがあるがメディナは敗北が多く、これまで24勝(7KO)15敗2分。ベネズエラ王座戦(S・バンタム級)で引き分けた後、主戦場をアメリカに移したが、ジュニア・ジョーンズ戦、ラファエル・デル・バーレ戦、WBCインター王座戦(フェザー級)、北米王座戦(S・バンタム級)に敗れるなど勝ち星無し。直前の試合はデンマークでジョニー・ブレダルに1RでKO負け。カリフォルニア州アナハイムでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。1R、足でリズムを取りながらジャブ、右カウンター、フック連打のメディナ。左フックを当てるなどテクニックもある。ところが右フックが効いて右ストレートでダウン。敗戦の多さは「打たれ弱さ」によるものかと思われたメディナだが、その後も接近戦。勢いに乗ってフック連打するメディナ。バスケスはワンツーからの左フックなどで隙を突くパンチ。打ち合いが続く。7R、左ボディが効いたメディナ。連打されたところでレフェリーストップ。バスケスが隙を突く攻撃で勝利。「激戦」でおなじみの男だが、闇雲に打ち合うタイプではない。メディナはよく頑張ったが、そこまで。この後、ファン・ディアズに判定負けするなど一度も勝てなかった。)


イスラエル・バスケス 8R 判定 エデル・ルイス

(スーパーバンタム級戦、2000年)

「激戦に次ぐ激戦」イスラエル・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:メディナ戦の次の試合が6回戦だったバスケス。2-0で勝利。ルイスと8回戦。ルイスはメキシコのロス・モチス出身で、これまで18勝(12KO)1敗2分。デビュー初期に判定負けを喫したが、以降は好調。メキシコのローカル王座(スーパーバンタム級)、WBC米大陸王座(バンタム級)などを獲得、防衛してきた。カリフォルニア州サクラメントでの一戦(レフェリーはリー・フィリポ。会場で元世界王者ロレト・ガルサ、現役世界王者ディエゴ・コラレスが観戦)。共に22歳。ボクサータイプのルイス。フットワークで相手から距離を取って左ジャブ。接近戦ではショートフックを出すが受け身の試合ぶりで、相手に接近されてクリンチ。そんなルイスをジャブで追うバスケス。ディフェンスしながら右ストレート、左ボディ打ちをヒットさせる。そのパターンで8R終了。判定は3-0。バスケスが攻勢点で勝利。ルイスはイマイチ。良いフックを持っていたが、自分から攻めない。特に打たれ弱い感じもなかっただけに消極さが目立ったのは残念。その後、ルイスは勝ったり負けたりに。NABO王座戦、レイムンド・ベルトラン戦、北米王座戦などに敗北。WBC米大陸王座(スーパーバンタム級)、WBOラティノ王座(フェザー級)、NABA王座(フェザー級)獲得。一定の実力はあったが、勝ち続けることはできなかった。試合運びに問題があったのだろう。)

 

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