世界ライト級王者。若手時代&キャリア終盤の試合。ブラッドリー・ジェンセン戦、アデイルトン・デ・ヘスス戦を紹介します。
ファン・ディアス(アメリカ)
身長168 cm:オーソドックス(右構え)
①ファン・ディアス 6R 判定 ブラッドリー・ジェンセン
(J・ウェルター級戦、2001年)
(感想:テキサス州ヒューストン出身のディアス。童顔だが勇敢、ということでニックネームは「Baby Bull」。アマチュアで素晴らしい成績(大会で何度も優勝する天才ぶり)。しかしながら、年齢制限により2000年のシドニー・オリンピックには出場ならず。16歳でプロデビュー。メキシコでのデビュー戦は1RでTKO勝ち。これまで6連勝(5KO)。年齢はまだ17。ジェンセン(26歳)はコロラド州デンバー出身。身長が179cmもある。年齢の割には試合数が少なく、7勝(4KO)1敗。直前の試合は判定負け。コネチカット州アンカスビルでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはエド・コットン)。身長差のある二人。ジェンセンが長身のためディアスがちっちゃく見える。ガードを上げ、踏み込んでジャブを打ち込むディアス。フックが主武器のようで、斜め上から叩きつける右フック、左ボディ打ちにパワー。ジェンセンは長身選手にありがちなことだが、ぎこちなさ。ジャブ、フックなどで応戦するが、真っ直ぐ攻めるクセ(攻めるときのガードに甘さ)。しかも、パンチにはパワーが乗っていない。頑張るディアスだが、身長差のせいなのか決定打を打ち込めず。ジェンセンは打ち返すが、ディフェンスされる。6R終了。判定はフルマーク(60-54)の3-0。ディアスが攻勢点で勝利。倒せなかったが、フックに思い切りの良さ、迫力があった。ジェンセンはタフだったが、バランスが悪い、その後、スティーブ・ジョンストンにTKO負けするなど勝ったり連敗したり。負けの方が多いキャリアとなった。)
その後のディアス
中堅相手にさらに連勝。WBCのユース王座(ライト級)を獲得、連続防衛。ラクバ・シンを判定で下してWBA世界ライト級王座獲得。ジュリアン・ロルシー、ランディ・スイコらを相手に防衛に成功(シンとロルシーは畑山隆則を破った実力者)。アセリノ・フレイタスを下してWBO王座も獲得。IBF王者フリオ・ディアスと統一戦。これにも勝利(9RでTKO)。しかし、次の防衛戦でネート・キャンベルに敗北、王座陥落(初黒星)。再起戦でマイケル・カティディスを2-1で破り、IBO王座(ライト級)獲得。世界王座返り咲きを目指したがファン・マヌエル・マルケスに二度も阻止され、果たせず(素晴らしい選手だったが、上には上が)。マルケスとの再戦(2010年)後、ブランク。カムバック。アデイルトン・デ・ヘススと再起二戦目。
②ファン・ディアス 5R TKO アデイルトン・デ・ヘスス
(J・ウェルター級戦、2013年)
(感想:29歳のディアス。デ・ヘスス(30歳)はブラジル・サルヴァドール出身。ブラジル王座(スーパーフェザー級)を獲得するなどデビューから連勝(「フリオ・セサール・カマチョ(チャベスとカマチョの良いところを併せ持つ選手なのだろう)」なる選手をKOしている)。アメリカでも勝利したが、IBFラティノ王座戦(フェザー級)で判定負け、初黒星。続いてパナマでも判定負け。アメリカでTKO負けで三連敗。その後は地元やメキシコなどで試合。マルコ・アントニオ・バレラに判定負け、ウンベルト・ソトにKO負けするなど実力者には勝てない状況。テキサス州ラレドでの一戦。開始から攻めまくるディアス。ワンツー、左右フック連打、ボディ打ち。デ・ヘススは何とかフック、ボディ打ちで対抗するが、パワーの乗ったパンチではないためディアスの接近を止められない。5R、ディアスが左ボディからの右ストレートなどで連打。デ・ヘススのセコンドがタオルを投入して試合終了。ディアスが勢いで勝利。しかし、多くの手数を出したが、ダウンは奪えず。デ・ヘススはタフだったが、パワー不足。実力者に勝てないのを物語る攻撃力だった。その後の二人。デ・ヘススは再起戦にKO勝ちして事実上のキャリア終了。ディアスは結局、マルケス戦後は世界戦は無し。ボクシングだけではなく学業もしっかり修めたディアス(地域活動に参加する人格者でもある)。引退後は弟と一緒に運送会社を経営しているとか。)
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