2025年6月24日火曜日

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・ライト級王者。キャリア後期のアリ・カリーム・ムハマド戦、ホセ・ルイス・ラミレス戦ほかを紹介します。


コーネリアス・ボサ・エドワーズ(ウガンダ)

身長174cm:サウスポー


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 2R KO メルビン・ポール

(J・ウェルター級戦、1985年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでポールがダウン

(感想:ノンタイトル戦が続く元世界王者エドワーズ。ポールはルイジアナ州の黒人。アマチュアでの大会優勝経験を引っさげてプロ入り。デビューから連勝。ヘクター・カマチョに判定で初黒星。タイロン・クローリーに判定勝ち、ロビン・ブレイクにTKO負け、IBF世界ライト級初代王者決定戦でチャーリー・ブラウンに判定負け、テレンス・アリに判定負け、強打者プリモ・ラモスに判定勝ち。実力者相手に苦闘が続いている。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。ガードを上げて慎重なポール。攻めるときは接近してワンツー、フック連打。エドワーズはベテランになったせいなのか、このところ冷静な試合運び。ディフェンスしながら右ジャブ、しゃくるような大きめの左フック。2R、エドワーズが踏み込んで左フック。一発でダウンしたポールは立ったが、カウントアウト。エドワーズが楽勝。相手の動きがよく見えているのだろう。ポールは全体的に線が細い印象。それが上位陣に通用しなかった原因か? その後のポール。ダリル・タイソンに判定負け、ビニー・パジェンザにKO負け。中堅どころには負けなかったが、ライバル争いに敗れてしまうキャリアだった。)


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 10R 判定 ジョン・モンテス 

(ライト級戦、1985年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右フックでモンテスがダウン

(感想:これまで43勝(34KO)5敗のエドワーズ(29歳)。ポール戦の次の相手は実力者。モンテスは(23歳)はカリフォルニア州ウィッティア出身で、29勝(22KO)2敗。デビューから連勝だったが、ヒルマー・ケンティに判定で初黒星。その再起戦でヘクター・カマチョに1RでKO負け。そこから連勝。このところ四連続KO勝ちで、勢いがある。フロリダ州タンパでの一戦(エドワーズのセコンドにミッキー・ダフ。会場ではジョン・ムガビ(エドワーズと同じウガンダ出身)、モンテスの妻(?)ジョアンが観戦)。共に慎重な態度ながらパンチにはパワー。モンテスはワンツー、左フックからの右フックなど。エドワーズは右ジャブを使いながらパワーを込めて斜め下からの左右フック、ボディ打ち。接近戦が続く。ディフェンスでエドワーズ。モンテスは隙があり、打たれる。ただ、打たれても打ち返し、エドワーズも被弾。6R、右フックでモンテスがダウン。その後も打撃戦が続いて10R終了。判定は3-0。意外に接近したポイント差となったが、モンテスはよく打たれていた。その後のモンテス。次の試合の相手は何とパーネル・ウィテカー(後に大物に)。判定負けで二連敗。しかし、底力。連勝後、WBC米大陸王座奪取(J・ウェルター級)。フレディ・ペンドルトンにKO勝ち。サミー・フエンテスにKO負け。ブランク後、カムバック。ラストファイトはIBFインターコンティネンタル王座戦(J・ミドル級)で、判定負け。相手は後の世界王者ポール・ベイデンだった。)   


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 10R 判定 アリ・カリーム・ムハマド 

(J・ウェルター級級戦、1987年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレート、右フックで2度、エドワーズがダウン、右フックでムハマドがダウン

(感想:モンテス戦の次の試合でテレンス・アリと引き分けたエドワーズ。ヘクター・カマチョのWBC世界ライト級王座に挑戦したが、3-0で敗北。試合間隔が空いてムハマドと復帰戦。年齢は31に。ムハマド(28歳)はイリノイ州シカゴ出身の黒人で、元々は「ドゥウェイン・トーマス」が本名。アマチュアで活躍後、プロ入り。デビューから連勝でイリノイ州王者(J・ウェルター級)になったが、ヒルマー・ケンティに初黒星。ブルース・フィンチ、パトリツィオ・オリバ、サミー・フエンテスらにも敗北。直前の試合はタイロン・クローリーに2-0の敗北。一定の実力はありそうだが、実力のある選手には敗れてきた。どんなボクシングをする男なのか? ニューヨークでの一戦(リングアナはエド・デリアン、レフェリーはアーサー・マーカンテ)。1R、なかなか動きが軽快で好戦的なムハマド。いきなり二度のダウンを奪い、KO勝ち目前。ところが右フックで逆にダウン。どうやら攻めるときのディフェンスに甘さ。攻撃力は素晴らしいものがあるが、打たれる(「スピードがあるジョン・ムガビ」といったところか)。ディフェンスしながら左フックなどで冷静に隙を狙うエドワーズ。正確な攻撃で1Rのダウンをポイントで挽回。ムハマドは攻めてるときは勢いがあるが、攻められると弱い。10R終了。判定は3-0。エドワーズが当てる巧さで勝利。ダウンは喫したが、良いパンチだったためマイナスの評価にはならないと思われる。ムハマドは攻撃センスは実に素晴らしかったが、ディフェンスがもう一つだったのが惜しい。その後もムハマドはブランクを作りながらも多くの試合。ハワード・デービス・ジュニアらを相手に多くの敗北。ラストファイトは1999年で、相手は何と元IBF世界ライト級王者ジミー・ポール(長いブランクからカムバック戦)。3-0でポールが勝利し、共に引退。)


ホセ・ルイス・ラミレス 5R KO コーネリアス・ボサ・エドワーズ

(WBC世界ライト級タイトル戦、1987年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フックでエドワーズがダウン

(感想:ラミレスがタイトル初防衛。エドワーズのムハマド戦の次の試合は二度目のWBC世界ライト級王座挑戦。王者ラミレス(メキシコ)はタフなサウスポー。エドウィン・ロサリオをKOしてWBC王者になったが、ヘクター・カマチョに敗北で王座陥落。テレンス・アリとの決定戦に3-0で勝利して王座奪回。これが初防衛戦。共通点がある二人の対決はどんな内容に? フランス・パリでの一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。共にディフェンスしながらサウスポースタイルで右ジャブ、左ストレート、フック。慎重に隙を狙うエドワーズ。ラミレスは好戦的。1Rからパワーを入れて大きなフック、連打。3R、ワンツーを決めたエドワーズだが、ラミレスはひるむことなく反撃。5R、コンビネーション(左アッパーからの右フック、左ストレートからの右ジャブ、ほか)で攻めるラミレス。右フックでエドワーズがうつぶせにダウン。10カウント、KO。ラミレスがいつものようにしつこい攻めで快勝。エドワーズはパワフルなパンチを打っていたが、タフなラミレスを仕留めることはできず。これが最後の試合に。引退後はトレーナーに転身。ラミレスはその後、パーネル・ウィテカーを破る大きな星。しかし、フリオ・セサール・チャベスとのWBA・WBC世界ライト級王座統一戦、ウィテカーとの再戦、ファン・マルチン・コッジ戦(WBA世界J・ウェルター級王座戦)に敗北。強かったが、ナンバーワンにはなれなかった。) 

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