2025年6月5日木曜日

「ブロンクスの戦士」ソウル・マンビー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・ウェルター級王者。王者になる前と後の試合。エドウィン・ビルエト戦、モンロー・ブルックス戦を紹介します。


ソウル・マンビー(アメリカ)

身長173cm:オーソドックス(右構え)


ソウル・マンビー 10R 引分 エドウィン・ビルエト

(J・ウェルター級戦、1971年)

「ブロンクスの戦士」ソウル・マンビー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:「歴戦の勇士」といった感じのキャリアだったマンビーはニューヨーク・ブロンクス出身の黒人。16歳でボクシングを始め、アマチュアを経験。陸軍に入隊し、ベトナム戦に従軍。プロでは名のある相手と多くの試合。多くの敗北後、世界王者に。決して「エリート」ではなかったが、間違いなく強かった(昔はそういう選手がたくさんいた)。デビューから連勝。判定で初黒星。直前の試合はベニー・ヒュータス(ロベルト・デュランに1RでKO負け)に判定勝ち。ビルエトはプエルトリカン。「ボクシング兄弟」で、アマチュアでの優勝経験を引っさげてプロ入り。これまで全勝。直前の試合の相手はアルフレド・エスカレラで、ダウンは食ったが判定勝ち。ニューヨークでの一戦。似た戦い方の二人。上体でリズムを取りながら左ジャブ、ワンツー、接近戦ではフック、ボディ打ち。一進一退で互いに譲らず。マンビーがテンポ良く右ストレートをヒットさせるシーンもあるが、ビルエトは反撃。どちらかが一方的にやられるシーンがないまま10R終了。判定はドロー。実力伯仲で、なかなかの好勝負だった。その後のビルエト。サミー・ゴスに判定で初黒星。世界王者ロベルト・デュランに判定で二敗(ノンタイトル戦とWBA世界ライト級王座戦)。エステバン・デ・ヘススにも判定負け。WBCの地域王座(ライト級)を獲得するなど連勝後、エドウィン・ロサリオにKO負け。続くアルビン・ヘイズ戦もKO負けで引退。全盛期はタフネスで鳴らしたが、世界王者にはなれず。)


その後のマンビー

勝ったり負けたりで安定せず。ロベルト・デュラン、アントニオ・セルバンテスにも敗れたが、KOはされず(タフ)。タイでセンサク・ムアンスリンのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦するチャンスを与えられたが、2-1で敗北。そこから連勝。金相賢をキレイなワンツーで仕留めてWBC世界J・ウェルター級王座奪取。エステバン・デ・ヘスス相手に初防衛に成功。しかし、人気は上がらず、六度目の防衛戦でレロイ・ヘーリーに判定負け。モンロー・ブルックスと再起戦。


ソウル・マンビー 10R 判定 モンロー・ブルックス

(ウェルター級戦、1982年)

「ブロンクスの戦士」ソウル・マンビー「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ブルックスはテキサス州ウィチタ・フォールズ出身の黒人。アマチュアでローカル王座を数度獲得の実績。プロではカリフォルニア州王座(ライト級、J・ウェルター級)を獲得したが、全米王座(J・ウェルター級)は獲れず。センサクのWBC世界J・ウェルター級王座への挑戦はTKO負け。北米王座(J・ウェルター級)獲得。ブルース・カリーに敗れて王座陥落。ロベルト・デュランにKO負け。連勝後、ロニー・シールズに判定負け。その再起戦でマンビーと勝負。オハイオ州クリーブランドでの一戦(共に再起戦)。共に左のガードを下げた構えからジャブ。鍛えられた身体でパーマ頭のブルックス(強そう)は粗いボクシング。接近して振るうフックは振りが大きく、正確さに欠ける。パワフルだが、ディフェンスに隙。そのため右ストレート、フックを打たれる。マンビーがディフェンス、クリンチしながら隙を突くパンチでポイント。しかし、ブルックスはタフ。最終10Rに左フックをマトモに食ったが、倒れず。10R終了。観客の拍手喝采。判定は3-0。マンビーが当てるテクニックで勝利。ブルックスはもったいない。パワーとタフネスがあったが、洗練さに欠けて空転した。その後の二人。ブルックスは約一年後の再起戦でビロマー・フェルナンデスにTKO負けして引退。マンビーはヘーリーとWBC王座を懸けて再戦したが、3-0で敗北。ロニー・シールズに判定負け。新WBC王者ビル・コステロへの挑戦も判定負け。以後、バディ・マクガート、レネ・アルレドンド、ホルヘ・バカ、モーリス・ブロッカーといった選手に敗北。引退、カムバックを繰り返し、ラストファイトは2008年。判定負けでキャリアを終えた。)

 

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