ウェルター級。ヴラデミール・フランコ戦、ペドロ・サンチェス戦、ヘスス・グチェレス戦を紹介します。
オバ・カー(アメリカ)
身長176cm:オーソドックス(右構え)
①オバ・カー 4R TKO ヴラデミール・フランコ
(J・ウェルター級戦、1990年)
(ダウンシーン)
4R:左フックでフランコがダウン
(感想:日本語で書くと妙な印象の名前「オバ・カー」。しかし、「Oba」はアフリカの言葉で「王様」を意味し、決してヘンな名ではない。ミシガン州デトロイト出身の黒人。ニックネームは「Motor City」。8歳の時にボクシングを始め、アマチュアで優秀な成績。「クロンクジム」に加入(後に離脱するが、それはもう少し後の話)。プロデビュー以来、連勝中。年齢はまだ18。フランコ(32歳)はブラジルの黒人。後の世界王者ヘクター・リサラガにKO負けしているが、記録に乏しい。どんな選手なのか? ミシガン州ディアボーンでの一戦。クロンクおなじみの金色トランクスのカー。セコンドにはエマヌエル・スチュワード。クロンクの選手らしい速い左ジャブ。素早いヘッドスリップで左フック。フランコはアウトボクサー。足で距離を取って左ジャブ、左フックカウンターを狙うが、追い込まれる。4R、右フックからの左フックでフランコがダウン。立ったが、レフェリーストップ。カーが楽勝。フランコは逃げの姿勢で、勝てるような試合ぶりではなかった。その後、フランコはブラジル王座(J・ライト級)に挑戦して敗北するなど連敗続きで引退。)
②オバ・カー 10R 判定 ペドロ・サンチェス
(ウェルター級戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:左ジャブでサンチェスがダウン
3R:左ストレートでカーがダウン
(感想:連勝を続けるカー。サンチェスはドミニカのサウスポー。デビューから無敗でWBCの米大陸王座、インター王座(いずれもライト級)、ドミニカ王座(J・ウェルター級)を獲得してきた。フロリダ州フォート・ローダデールでの一戦。白と黒のトランクスのカー(この頃にはすでにクロンクと決別?)。速いジャブ、左フック。サンチェスはヘクター・カマチョのようなタイプ。相手から距離を取って右ジャブ連打、踏み込んで左ストレート。ジャブを食ったサンチェスがバランスを崩してダウン(ダメージは無さそう)。3R、左ストレートでカーがバランスを崩してダウン(コチラもダメージはさほど無さそう)。その後も前に出るカー。左でカウンターを狙うサンチェス。5R、右フックが効いてカーが足に来るピンチ。6R、カーの左フックがヒット。9R、サンチェスが左ストレートで攻撃。10R、カーがフック攻撃、ボディへ右ストレート。10R終了。共に手を上げて自身の勝利をアピール。判定は2-0。攻勢点でカーが勝利。共にスピード&当てる巧さがあったが、サンチェスは受け身。中途半端に距離を取ろうとする姿勢で負けた。その後のサンチェス。コンスタンチン・チューにTKO負け。ドミニカ王座(ウェルター級)を獲得、防衛。しかし、ロマリス・エリス、フランシスコ・アルバレス(ドミニカ・ウェルター級王座戦)に連敗で、事実上キャリアを終えた。)
その後のカー
全勝のままIBF世界ウェルター級王者フェリックス・トリニダードに挑戦したが、TKO負け(ダウンを奪ったが、逆転されての敗北)。北米ウェルター級王座を獲得後、WBA王者アイク・クォーティに挑戦したが、2-0で惜しくも判定負け。中堅どころと再起戦。世界挑戦の経験があるアンソニー・ジョーンズとはドロー。スピードはあるが、微妙にパワー不足のようだ。
③オバ・カー 4R TKO ヘスス・グチェレス
(J・ミドル級戦、1998年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでグチェレスがダウン
4R:左フック、連打で2度、グチェレスがダウン
(感想:これまで43勝(26KO)2敗1分のカー(25歳)。グチェレス(24歳)はメキシカンで、10勝(8KO)3敗1分。直前の試合の相手は後の世界王者ローマン・カルマジンで、TKO負け。カリフォルニア州アナハイムでの一戦。ダッキングしながらジャブで先手を取るカー。ワンツーで早くもダウンを奪う。2R、サウスポーにスイッチして左パンチを狙うグチェレスだが、受け身の試合ぶりで自分から攻めない。右ストレート、左フックをヒットさせるカー。4Rに左フックでグチェレスをダウンさせる。立ったグチェレスだが、ダメージ。連打で二度目のダウン、レフェリーストップ。カーが先手必勝で楽勝。しかし、勝ってもあまり意味のない相手。グチェレスは手数が少なかった。その後、グチェレスは勝ったり負けたり、しかし、フルラウンド戦ったりするなど粘り強い試合を展開したようだ。)
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